歩行速度と性格の関連について、仏モンペリエ大学と米フロリダ州立大学の研究者らがこんな報告をした。
研究者らは、五つの大規模調査を用いて、1万5000人以上(25~100歳)を対象に、性格がどのように歩く速さに影響するか、そしてそれが時間の経過と共にどのように変化するかを検討しました。
具体的には、神経症傾向のスコアが低く、外向性、誠実性、開放性のスコアが高い人は歩く速度が速く、加齢によっても速さが低下しにくいことが示されました。また、外向的な人は内向的な人よりも、毎秒平均0.06m速いペースで歩いていることがわかりました
詳細を読む(引用元):毎日新聞
性格は、「Big Five」と呼ばれる下記のような5つの因子との関連性で判断された。
・外向性…社交性、活動性、積極性が高い
・開放性…自己や環境に対して幅広い好奇心がある
・誠実性…計画性、勤勉性、良心性である
・協調性…向社会的行動。他者への思いやり
・神経症傾向…物事に対し過剰に、否定的になる
すなわち、「社交性があって好奇心旺盛、計画的な人」は、歩行速度が速いという事になる。
性格と心身機能の関連については、様々な先行研究がされている。
外向性と開放性、誠実性が高い人は、慢性病や抑うつ症状に苦しまない。誠実性と開放性が高い人は、認知機能の高さと関連がある。外向性の高い人は、情報処理能力の高さと関連があることなどが報告されている。
「その人の性格に合わせた歩行速度」
歩行能力の改善を目標にする際は、そのような側面も考慮する必要がありそうだ。
参考:行動活性化、パーソナリティ特性、抑うつとの関連について
https://kunisatolab.github.io/materials/FB/2017_murakoshi.pdf