痛みに関して、ファイザー株式会社からこんな調査報告があげられた。
(前略)「あなたは『長く続く痛み』の治療のため、通院したことがありますか?」には32.8%が「いいえ」と回答し、3人に1人がそもそも医療機関に受診しない現実が明らかとなった。
(前略)「なぜ通院していないのですか」と質問したところ、複数回答で「通院するほどでもないと思ったから」(36.6%)、「通院しても治らない気がするから」(33.8%)、「通院する費用がかかるから」(31.9%)の順に多かった。
詳細を読む(引用元):Care Net https://www.carenet.com/news/general/carenet/44850
スクリーニングで慢性疼痛に陥っていると判断された、20代以上の男女9000人を対象にインターネット調査を用いて日本全国で調査された。
結果として、痛みがあっても医療機関を受診せず我慢している人や通院しても治らない気がすると答えた人が3人に1人いる事が判明した。
身体機能だけを見ていては、疼痛は治せない。療法士は、身体機能に目が行きがちになって、その背景を見失ってはいないだろうか。
痛みは “組織の実質的あるいは潜在的な傷害に結びつくか,このような傷害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚,情動体験である”と定義されている。また、疼痛の体験は、侵害刺激、疼痛感覚、苦悩、疼痛行動の4つの多層的モデルがあるとLoeser は提唱している。
その為、臨床心理士などの意見を反映出来るように他職種連携を心がけたり、療法士もどのレベルで疼痛に対する苦しみを感じているのか判断できる事も必要だろう。
「医療機関を受診しても治る気がしない」と報告された事実を医療従事者である私達は、しっかりと受け止めるべきではないか。