運動と健康との関連研究は、数多く報告されている。
今回は、米国の高齢者14万人という大規模を対象にウォーキングと死亡リスクの関係性について研究が行われた。
米国がん協会のAlpa V. Patel氏らは、米国の高齢者14万人を対象とした大規模前向きコホート研究で運動と死亡リスクとの関係を検討した結果、短時間のウオーキングでも死亡リスクを低下させることを、Am J Prev Med(2017年10月11日オンライン版)で報告。
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14万人の内訳は、男性6万2,178人(平均年齢70.7歳)、女性7万7,077人(同68.9歳)。その内男性の46.9%、女性の49.3%は、ウォーキングのみ行っていて、その他の男性5.8%、女性6.6%は、ウォーキングを含めた中等度以上の身体活動をしていなかった。
それらを解析した結果、身体活動を行っていない群は、週に2時間未満だがウォーキングを行っている群に比べ死亡リスクが26%も上昇していた。また、週に2~6時間とさらに多くの時間ウォーキングを行っていた群は、週2時間未満のウォーキングを実施している群に比べ死亡リスクが20%減少した。
Patel氏らは、高齢者の患者に対し、推奨レベル以下でも健康の為に歩くように勧めるべきだとしている。
今回の研究のように、標本数は多ければ多い程ほど誤差が少ないとされている。
標本数(n)を増やしていくと、1/√n分ずつ標本誤差が小さくなり、例として標本数が2であった場合、標本誤差は、28.3%になるが標本数を10,000に増やすと0.4%となり誤差が小さい結果を得ることができる。
研究などを見る際は、対象人数をチェックする事も、信頼性のある情報を手に入れる一手段として有用だろう。