脊髄損傷は、専門的な治療を受けても復職率が5~10%に留まってしまっているのが現状だ。そんな脊髄損傷の治療に、変化が起きるかもしれない。
神経の再生を妨害するたんぱく質を抑える物質を、脊髄損傷のサルに投与して手指の機能回復を促進させることに成功したと、京都大と大阪大の研究チームが発表した。
詳細を読む(引用元):http://sp.m.jiji.com/generalnews/article/genre/social/id/1945929
脊髄の損傷後、損傷組織の周辺に「RGMa」という神経の再生を妨げるたんぱく質が出現する。このたんぱく質の働きを抑える抗体をマウスから作成。
片側手指の動作が悪くなるよう脊髄を損傷させたアカゲザルに、チューブを使い損傷部位に直接その抗体を4週間投与し続けた。
その後、小さな穴から餌を取り出す実験を14週間実施した。結果として健康なサルと比べても、少なくとも8割以上の機能回復が確認できたという。
今後は、時間が経過した慢性患者への適応や、損傷の程度による回復の変化など研究を進めていくとしている。