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最終回:理学療法“愛”【フィジオ運動連鎖アプローチ協会代表|理学療法士 山本尚司先生】

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予防はまず自からの身体から

 

先生がジャイロとかピラティス、ヨガを学んでいるのはなぜですか?

山本先生 まずは身体づくりですね。

 

ご自身のですか?

山本先生 自らもありますが、やはり患者さんの身体づくりです。あらゆる治療方法や考え方を学んでいく中で、全身の輪郭がみえるようになり、ファンクショナルな部分と全体の関係性も見えるようになりました。

 

しかしながら、介護予防などの体操指導において、インストラクターのスキルが必要であると強く感じていました。具体的には、与えられた時間内で、起承転結の盛り上がりを作る演出力、やる気を引き出す力など、我々に欠けているものを感じます。

 

我々の運動療法では「10回×何セット」という提供ですが、段階的なトレーニングとしてのプログラムがありません。身体各部位の「使えていないところを、使えるようにする」、という視点にてみることが多く、健康増進や体力強化といった観点は、メディカルリハビリテーションでは、ほとんど考えてこなかったのです。

 

例えば、腹横筋であればドローインとなりますが、局所を意識し続けて生活することはできません。より実践的な身体操作は、自由度と汎用性であり、姿勢制御なのです。

 

つまり、理学療法の勉強だけでは、より実践的な運動指導の力が足りないと感じたのです。クライアントを惹きつけて、やる気にさせる。これらのスキルは机上の論理ではなく、現場での対応力なのです。

 

病院の中でのリハビリは、裏付けとしての説明能力が求められますが、予防などの運動指導ということになると、まずは見本を見せて、やる気にさせるモチベーター的な役割が求められます。

 

 理学療法士も病院から一歩出ると、ティーチングスキルやコミュニケーションスキルが求められます。このような周辺スキルによって、理学療法士として身につけた、医学的な知識と技術が活きてくるのです。そういった意味において、理学療法士や作業療法士が、ピラティスなどのボディワークのライセンスを取得することは、とてもいいことだと思います。

 

 ただ自ら身体を動かして、見本を見せられるようになることの必然性は、私が理学療法士になった頃は全くありませんでした。よって、「セラピスト自らが動けること」はマストではなく、そのような人材をいかに活用していくか、といった観点にて職能領域を拡大していければと思います。

 

最近は予防の分野で働く理学療法士も増えてきているので、これからそういう技術も大事になりますし、自分自身の身体を予防していくことも大事ですね。

 

山本先生 本当にそうですね。少なくとも両親や自分自身を予防できるだけで、数十万人の予防ができることになりますからね。まずは自ら実践者となって、見本を見せていく姿勢を示すことで、自ずと社会に求められる専門職として、地位を確立することができるでしょう。

 

理事の人は理学療法“愛”が強く優秀だった

 

話は飛びますが、理事選に出られたのは何年前ですか?

山本先生 6年前です。

 

そのきっかけは何かありますか?

山本先生 理学療法士を四半世紀やってきて、「理学療法士の専門性って何だろう」ということを常に考えてきました。私自身、これが日本の理学療法士の専門性や特色はこれだ!という一つの行き着いた境地がありましたので、その思いだけで立候補したということがあります。

 

また、この仕事に愛着がありました。「理学療法“愛”」とでも言うのでしょうか。なぜ?と言われると分からないですが、理学療法士に対する想いが後押ししたことも確かですね。

 

 インターネット選挙が始まったばかりということもあり、応募期間締め切り直前に公募を見て、手続きをしました。誰にも相談なく何の前触れもなく応募して、選挙活動も何もやっていなかったので、「選挙活動をやらなきゃ駄目じゃないか」と、入谷先生にも怒られました。笑 

 

本来なら、県士会活動や、協会活動を積極的に携わっている人が出馬するべきだと思いますが、臨床しか知らない私にとって、最初は畑違いの感がありました。

 

実働されてどうでしたか?

山本先生 こんなにも優秀な人たちによって、協会が運営されているんだ、ということに驚きました。本当に皆さん各部署で如何なく能力を発揮され、誰一人手を抜かない、真面目で堅実な仕事を積み重ねていく姿勢に、理学療法士としての資質に素直に感心させられました。

 

ガバナンス(統制)が取れており、素晴らしいなと思いました。

 

また、リスク管理が徹底されており、「石橋を三度叩いて、もう一回叩く」ぐらい慎重です。今までの歴史や積み重ねをすごく大事にされますから、例外は殆どありません。若い人たちからすると、「思い切った、斬新な手を打ちたい!新しい事にチャレンジしたい!」と思うかもしれません。

 

しかしながら、大きな組織を、つつがなく運営していくということは、手続きと手順を踏むということ、組織人として自覚し、まずはじっくりと地道に積み上げていく作業を繰り返すことなのです。

 

世の中を変えるということは、世の中の枠組みを変えるということであり、それは世の中のルールに則り、数の論理で政治を変えるということなのです。世の中は、物凄く現実的なのです。

 

これからも、日本理学療法士協会の活動にアンテナを張って、注目していきたいと思います。

 

今後の展望についてお聞かせください。

山本先生 高齢者率が高くなっている中で、セラピストがマンツーマンで関わる体制では、対応できなくなっています。我々の中でも、理学療法の提供の仕方を、社会情勢の変化に応じて、変革していかなければなりません。そこには、イノベーションにつながる、アイデアと発想が大切であり、社会に対しての行動力が求められます。

 

具体的には、日本の理学療法におけるオリジナルを、世界に発信していく活動をしていきたいと考えています。運動連鎖アプローチ®はもちろんのこと、積み上げてきたものへの自負があります。世界に出た時に、海外のフィジオと話をしていても、運動連鎖アプローチ®への関心は高いものがあり、共通言語にてコミュニケーションがとれます。

 

また、足底板(インソール)、靴の可能性についても考えていきたいと考えています。

 

足底板を理学療法士が作成するということは、世界的に見ても異例なことです。この道筋は、入谷誠先生が引いてくれたものです。よって、我々が足底板を作ることは、決して当たり前のことではなく、先人の残してくれた智恵があってこそなのです。

 

そのことを、もう一度認識することで、歴史を継承し、大切にこの文化を発展させていければと思います。今後は、「足元」からの健康を、理学療法士の観点から社会に提唱し、職域を広げていければと思います。

 

そして、私の信条として、医師としっかりとスクラムを組んで、国民の健康を促進させたいと思っています。ともすれば、理学療法士個人で何かをやろうという風潮がみられますが、社会的地位を考えると、自分たちで全て担うよりも、一緒に組んで歩むほうが、結果的に近道なのです。

 

医師だけではなく看護師など、様々な業種と組んで行くことの重要性を、今後も伝えていきたいと思っています。そのためには、我々自身が歩み寄る姿勢を見せることなのです。

 

 今後も、新しい枠組みを作るための、先達の築いてきた功績と、新たに歴史を背負っていく後輩達を、結びつける役割を果たし、次の時代へと紡いでいきたいと思います。

 

ー山本先生にとって、プロフェッショナルとは?

  • いくつになっても、聞く耳を持ち続けられる!
  • 森羅万象、あらゆる現象から、法則性を導き出せる!
  • 真理を追究し、原理原則を探求し続ける!

 

ー完。

 

【目次】

第一回:臨床経験10年目にして、理学療法士が天職と思えるようになった

第二回:自らのキャリアップーダブルライセンス・大学院

第三回:運動連鎖のはじまり

最終回:理学療法“愛”

 

山本先生オススメ書籍

 

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山本尚司先生のプロフィール

昭和43年(1968年) 兵庫県出身 B型 水瓶座

平成2年   都立医療技術短大理学療法学科卒業。慈恵医大病院リハビリテーション科

平成4年   相模原協同病院理学療法室

      スポーツ現場でトレーナー活動(バレーボール・陸上競技・体操競技)

平成5年〜   カイロプラクティック・整体、全身咬合について研鑽 開始

平成9年   鍼灸・按摩・マッサージ指圧師 免許

平成11年 永生病院リハビリテーション科 

平成14年 保健衛生学士 

平成15年 運動連鎖アプローチ研究会 

平成19年 都立大学理学研究科身体運動科学専攻 理学修士 

平成19年 運動連鎖アプローチ研究所設立。健康運動指導士 

平成21年~22年 GYROTONIC®, GYROKINESIS®認定トレーナー

         セロトニントレーナー認定第1号

平成23年 〜face to face(FTF)〜東日本大震災リハビリネットワーク 

      東日本大震災 石巻市・南相馬市にてボランティア活動    

平成24年 一般社団法人 フィジオ運動連鎖アプローチ協会 設立

        

(主な役職・履歴)

 平成24年〜現在    一般社団法人フィジオ運動連鎖アプローチ協会 代表

平成24年〜29年 公益社団法人 日本理学療法士協会 理事

平成25年〜29年 NPO法人 日本障害者協議会(JD) 理事 

平成26年〜現在 オリンピック強化スタッフ(体操競技) 

 

(主な活動)

 ⑴臨床:

・開 業:運動連鎖アプローチ治療院(完全予約制・自費)

・非常勤:ふれあい町田ホスピタルスポーツクリニック

 三橋整形外科リハビリテーションクリニック

 ⑵教 育:運動連鎖アプローチ®研修会開催

・運動連鎖道場®:全6回半年コース

 ⑶研究:仙腸関節不安定症について進行中

(所属学会・研究会)

  • 理学療法学会(運動器・神経・スポーツ・予防・徒手)
  • 臨床スポーツ医学会
  • 全身咬合学会
  • 認知神経リハビリテーション学会
  • カイロプラクティック徒手医学会

 

一般社団法人 フィジオ運動連鎖アプローチ協会 事務局

〒252-0304

神奈川県相模原市南区旭町8−14 コーポ奈良1-B

Tel:042-851-6691 fax:042-851-6695

mail:undourensa@gmail.com                

HP:http://physioundourensa.com

2018運動連鎖道場®in福岡

「運動連鎖アプローチ®全6回コース」

【募集要項】

運動連鎖道場®は2008年にスタートし、全国で50回の開催を数えます。運動連鎖道場®では、“個別性を見極められる力”を身につけることを目指していきます。解決の糸口を見つけるための、“手と眼”こそが、必要不可欠なスキルなのです。運動連鎖道場では身体機能の原理原則、局所と全体、姿勢制御における戦略を、段階的に学べるようにカリキュラムを組んでいます。

 

また、同じ運動連鎖道場で学んだインストラクターによる、サポート体制が充実しており、その日の疑問を、その日のうちに解決していきます。半年間、運動連鎖アプローチ®を学ぶことで、これからの長い臨床・運動指導における自信を、一緒に作り上げていきましょう。

 

《運動連鎖道場にて得られること》

・ 運動連鎖を解剖学・運動学の基礎から学べます。

・ 局所と全身の運動連鎖が理解できるようになります。

・ 個別性のあるプログラムが立案できるようになります。

・ 学生や後輩指導に自信が持てるようになります。

【講 師】山本尚司(フィジオ運動連鎖アプローチ協会 代表理事)

 PKAAインストラクターが全面サポート!

【日 程】 平成30年   

1)6月3日(日)「足・膝の運動連鎖」

2)7月29日(日)「股・骨盤の運動連鎖」

3)8月26日(日)「脊柱体幹の運動連鎖」

4)9月30日(日)「肩甲帯〜上肢の運動連鎖」    

5)10月28日(日)「脊椎〜頸部の運動連鎖」

6)11月25日(日)「頭蓋・顎関節・咬合の運動連鎖」

※第1〜6回全参加にて、卒業認定となります。

【時 間】 9:00 ~16:00  (8:30受付)

 

7)12月8日(土)9日(日)「運動連鎖インソール(R)」

  8日(土)13時〜18時  

      9日(日)9:00〜16:00

【募集人数】 30

【会 場】

公益社団法人 福岡医療団 

たたらリハビリテーション病院 2階リハセンター

福岡県福岡市東区八田1丁目4番66号

 

【参加費】

全7回参加 135,000円(税込)

第1〜6回参加 108,000円(税込)

第7回のみ 道場生・他道場卒業生 27,000円(税込)

      一般 32,400円(税込) 

※料金支払い方法は、お申し込み後、追ってお知らせします。

お支払い方法(現金一括振込・カード VISA/MASTER/AmericanExpress払い)

※基本的にスポット参加はございませんので予めご了承ください。
※お休みの回のある方は、次期道場及び他地方道場にて振替え可能です。

※道場卒業生は、卒業生価格が適用されますので、別途お問い合わせ下さい。

 

【申し込み先】 

たたらリハビリテーション病院 山崎 和調

 w.yamazaki.22@gmail.com

①氏名(ふりがな)②経験年数③職種名④所属事業所⑤電話番号⑥メールアドレス

⑦支払い方法を明記してお申し込みください。

件名に『2018運動連鎖道場®in福岡申込』と記載してください。

 

2018運動連鎖道場®in本部コース

《第24期生募集要項》

「運動連鎖アプローチ®全6回コース」

 運動連鎖道場®は2008年にスタートし、全国で51回目の開催を数えます。運動連鎖道場®では、“個別性を見極められる力”を身につけることを目指していきます。解決の糸口を見つけるための、“手と眼”こそが、必要不可欠なスキルとなります。運動連鎖道場では身体機能の原理原則、局所と全体、姿勢制御における戦略を、段階的に学べるようにカリキュラムを組んでいます。また、同じ運動連鎖道場で学んだインストラクターによる、サポート体制が充実しており、その日の疑問を、その日のうちに解決していきます。半年間、運動連鎖アプローチ®を学ぶことで、これからの長い臨床・運動指導における自信を、一緒に作り上げていきましょう。

 

《運動連鎖道場にて得られること》

・ 運動連鎖を解剖学・運動学の基礎から学んでいきます。

・ 局所と全身の運動連鎖が理解できるようになります。

・ 個別性のあるプログラムが立案できるようになります。

・ 学生や後輩指導に自信が持てるようになります。

講師:山本尚司(フィジオ運動連鎖アプローチ協会 代表理事

インストラクター:PKAAインストラクターが全面サポート!

日 程:平成30 土曜日 PKAA本部コース 

Vol.1  7月21日(土)「足部(股関節)の運動連鎖アプローチ」
Vol.2  8月18日(土)「膝関節(股関節)の運動連鎖アプローチ」
Vol.3  9月15日(土)「骨盤(仙腸関節)の運動連鎖アプローチ」
Vol.4  10月20日(土)「体幹(脊柱)の運動連鎖アプローチ」    
Vol.5  11月17日(土)「肩(頸部)の運動連鎖アプローチ」
Vol.6  12月15日(土)「顎関節(頭蓋)の運動連鎖アプローチ」

   

【会 場】 「ユニコムプラザさがみはら」 「海老名文化会館」

          各回の会場については、おってご連絡致します。

【時 間】受付9:30~ 道場 10:00~17:00

【募集人数】20名
【参加費】一般 108,000円(税込) 

  • 料金支払い方法は、お申し込み後、追ってお知らせします。
  • VISA・MASTER・AmericanExpressのみ)

※基本的にスポット参加はございませんので予めご了承ください。
※お休みの回のある方は、次期道場及び他地方道場にて振替え可能です。

  ※道場卒業生は、卒業生価格が適用されますので、別途お問い合わせ下さい。

 

【申し込み先】 

PKAA事務局 担当 薮下 享江(やぶした ゆきえ)

undourensaapproach@gmail.com
氏名(ふりがな)・経験年数・職業・所属・支払い方法 を明記してお申し込みください。

件名に『24期運動連鎖道場申込』としてください。


・携帯やフリーアドレスの場合、メールがブロックされる場合や迷惑メールになってしまう場合が

 ありますので、必ずセキュリティーを確認した上でお申込みください。
・申込みから48時間経っても、何も連絡が無い場合は、メールが不着の場合も考えられます。

 しばらく事務局より連絡が無い場合は、再度申込者よりコンタクトをお願いします。

最終回:理学療法“愛”【フィジオ運動連鎖アプローチ協会代表|理学療法士 山本尚司先生】

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