New York Genome CenterのJoanna Kaplanisらは、過去数百年間の8600万人以上の人々の出生日と死亡日を比較した結果、遺伝の役割は考えられていたよりも小さいことを明らかにした。
本論文は、3月1日付けで科学誌サイエンス(Science)に掲載されている。
▶︎ Quantitative analysis of population-scale family trees with millions of relatives
研究結果より、人々の寿命の違いのうち、遺伝子によるものは16%のみであることが分かった。以前は約25%だと考えられていた。
「研究の結果、遺伝子検査はほとんど役に立たないことがわかりました」と、今回のプロジェクトを主導した遺伝子系図会社、マイヘリテージ(MyHeritage)のヤニフ・アーリッヒ主任研究員はいう。
また、時間の経過とともに、人々が血縁関係のある人と結婚することが少なくなっていることも分かった。
南北アメリカ大陸の植民地化などによる移住と鉄道などの新しい移動手段は、人々がなぜ遠いいとこと結婚する可能性が低くなったのかを説明するのに役立つが、文化的な要因もまた一因となっている。