今回は、脊柱の解剖学を頸椎にフォーカスして説明していきます。とても簡単にできる頸椎の評価方法と、その解剖学的背景をいていきます。
頸部の皺を見る!
頸椎回旋の左右差と、どのレベルで回旋を行っているかを評価します。
姿勢は、座位でも立位でも可能です。
❶ 後方から頸椎回旋(頭部回旋)を左右交互に行う
※この際、肩の位置は固定し、胸椎以下の代償は入らないようにする。
❷ 皺の位置と大きさを評価
右回旋時は、皺が上位に2本のみ出来ているが、左回旋時は、皺が上位から下位にかけて広範囲に生じている。また、左回旋に側屈も伴っている。
基礎知識~皺の評価結果をどう解釈するのか~
頸椎の回旋はC1-C2で半分以上を負担している!
頸椎回旋の関節可動域(代表的数値のみ記載)
Oc-C1 0°
C1-C2 47°
C2-C3 9°
C3-C4 11°
C4-C5 12°
C5-C6 10°
C6-C7 9°
(引用文献 中村隆一 他:基礎運動学 第6版 P274 医歯薬出版)
評価結果からの推測
・上位頸椎付近で皺が多い(深い)方が比較的正常に回旋できている
・皺が全体にある場合は、上位頸椎の回旋が不足し、下位頸椎で代償している
といった予測ができる
この評価結果の臨床的意味としては、
・上位頸椎の回旋可動域が減少している
→その為、下位頸椎に負担がかかり、その負担が胸椎以下にも波及している可能性がある
・左右非対称性や制限が生じている原因追及の為の手掛かりとなる
・大きく制限が生じている場合は、椎間関節の屈曲/伸展の可動域が大きく改善できる可能性がある。