健診で行う血液検査から神経変性疾患を発見

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名古屋大学大学院医学系研究科(研究科長・門松 健治)神経内科学の勝野 雅央(かつの まさひさ)教授らの研究グループは、難治神経変性疾患のひとつである球脊髄性筋萎縮症(SBMA)について、患者が症状を自覚する前から病態が進行していることを、生物学的指標(バイオマーカー)の解析によって明らかにした。

難治である神経変性疾患発症の自覚前に バイオマーカーで病態進行を解明!

研究では、健康診断などで行ってきた血液検査の結果に着目。すると、SMBA患者は、血清クレアチニン値が筋力低下の15年程前から低下しはじめ、0.8㎎/dlを下回ると手の震え、0.6㎎/dlを下回ると筋力低下が出現する傾向が明らかとなった。他の神経変性疾患では、このような変化が認められなかったことから、血清クレアチニンがSMBA潜在的な病気進行を反映するバイオマーカーであり、疾患の予防的治療を行っていくうえで、重要な指標になる可能性が示唆された。

今後は、アルツハイマー病やパーキンソン病などの他の神経変性疾患も発症の前段階で発見出来るよう、データ収集や健診結果などの解析を行っていく予定だ。

 

神経変性疾患は、自覚症状が現れる頃には神経の変性がかなり進んでしまっている。早期から治療を開始するため、今回のような研究に注目が集まっている。

 

本研究成果は、米国神経学会発行の科学誌「Neurology」の電子版に掲載されている。

健診で行う血液検査から神経変性疾患を発見

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