免許の取得方法(自分の取得方法とそれ以外の方法)
イギリスで理学療法士(physiotherapistまたはphysical therapist)の名称を使用するには、Health and care professions council (HCPC)という機関に登録する必要があります。登録するための方法は、私が把握する限り2つの方法があります。断っておきますが、私は免許を取得しましたが、イギリスで就労をせずに帰国しています。
①イギリスの養成校卒業(entry level)
HCPCに認定を受けている大学で、学士または修士課程の理学療法養成コースを卒業することでHCPCへの登録が可能となります。学士コースは3年間、修士コースは2年間のフルタイムとなっています。受験前に理学療法士がどのような職業なのかということを理解した上での出願が求められるとのことで、事前に病院へ連絡をし、実際にどのような仕事なのか見学等を個人的に行っておくことが求められるようです。出願に必要な条件や学費は(pre-requisite等)は各大学にて異なるので、希望のコースを確認してみてください。非英語圏からの留学生はHCPC登録上IELTSのスコアはOA 7.0以上(各セクション6.5以上)が必要とされているようです。
このリンクからHCPCに認定を受けている養成校が確認できます(Professionの項目をphysiotherapyにし、Regionを希望の地域に設定するとよいと思います)
②海外にて理学療法士免許取得後(ここでは日本の免許取得後について書きます。※現在私の取得時といくつか変更があるようです。)
基本的にはHCPCのウェブサイトから国際出願書類を記入しHCPCに提出することで審査をしてもらえました。
https://www.hcpc-uk.org/apply/international/forms/
出願書類には理学療法士免許取得後の職歴や経験(インターンシップを含む)を自身で記載する部分と職場の上司(2名)などから記載、署名してもらう箇所があり、その内容によっては「養成校の教育に不足があっても補完し得る可能性がある」との注意書きもありますので、臨床経験に関しては、詳細に書く必要があると思います。
またCharacter referenceといって、出願者と3年以上の付き合いで、銀行員や裁判官、教職などについている方に人格の保証をしてもらう署名なども必要でした。用意されている出願書類の他に、住所の証明書類・理学療法士免許・卒業証明書などのコピーが必要でした。他にも、養成校の授業内容に関する書類を準備して頂く必要がありました。
これは授業の名称や成績の評価方法などが確認されます。シラバスは必須ではありませんでしたが、一緒に英訳していただき、それも提出しました。日本語の書類はすべて英訳が必要となります。英語能力証明はIELTSのスコアOA 7.0以上(各セクション6.5以上)またはTOEFL-IBT で100/120点以上が必要です。全体の審査過程は4カ月程度期間がかかるとのことでしたが、実際は2か月程度で連絡が来ました。
審査期間中はHCPCから養成校や職場、厚生労働省などにコンタクトをあり、志願者の情報を確認されます。私の場合は養成校、厚労省に確認の連絡があったそうですが、職場へは連絡がありませんでした。審査の結果、更なる情報の要求やHCPCオフィスでのテストを受ける可能性があるとのことでした。問題なければ登録費用の支払いにて無事HCPCへの登録が可能となります。
HCPCの登録は2年毎に更新が必要となります。抽選で数パーセントの人にCPDという卒後教育の証明が求められるので、自分が参加した研修会や学会などの記録は残しておく必要があります。日本での養成校教育自体がどの程度HCPCの基準を満たすかはわかりませんが、イギリスでは、学士以上なので、恐らく学士が必要となります。(※現在、必要書類などに変更があるようですので、最新の情報をHCPCウェブサイトhttps://www.hcpc-uk.org/でご確認ください。)
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【目次】
有家尚志先生プロフィール
経歴・略歴
2012年3月国際医療福祉大学福岡保健医療学部理学療法学科 卒業
2012年4月医療法人社団シマダ 嶋田病院 入職
2014年2月退職
2014年12月株式会社アールワイ デイサービスセンターゆずの木 入職
2015年7月退職
2015年9月Coventry university, MSc Advancing physiotherapy practice 入学
2016年11月修了