今月8日、畿央大学大学院健康科学研究科の今井亮太客員講師らは,運動への恐怖心が強い症例ほど,運動方向を切り替える時間が長くかかっていることを明らかにした。
本研究では、橈骨遠位端骨折術後患者が示す手指の屈伸運動をビデオカメラで撮影し、記録された映像を1枚1枚のフレームに切り分け、速度が0になる時点(最大伸展位・最大屈曲位)のフレーム数を測定した。評価期間は術後1日目,3日目,5日目,7日目,2週間後,3週間後,1ヵ月後まで継続的に実施した。
その結果、運動を切り替える時間が痛みの緩和とともに短縮していく様子が観察された。また,術後5日目から痛みや心理面と有意な相関関係が認められた。 今井らは,この運動を切り替える際に時間がかかっている現象を「運動の躊躇」と定義し、研究成果から術後患者が示す恐怖を客観的にセラピストが把握できる可能性が考えられると述べた。