2013年、近畿リハビリテーション学院に通っていた大野輝民さんが、クリニックでの実習中に公園で自殺しているところが見つかった。それを受け、昨年9月20日~10月7日に日本理学療法士協会(以下、PT協会)は、実習指導に関する調査を行った。
対象は、生涯学習制度の「臨床実習の主たる指導者(6週間以上の実習指導)」のポイントを受けた会員1,652人。
実習指導者の56.0%が臨床実習を行うための技能等が不足を感じていると答え、時々感じているが41.2%、全く感じていないのはわずか2.8%であった。また、実習施設にて実習内容実習方法等を決めていると約2割が答えており、について各実習施設によりばらつきがまだあるようだ。
現在、理学療法士協会が推奨している「臨床参加型実習:クリニカルクラークシップ」に関して、導入していると答えた人が約半数に留まり、クリニカルクラークシップを知らないと答えた人も6.7%いるということが分かった。
クリニカルクラークシップでは、複数の症例を担当し、実習生にはできるだけ臨床に参加してもらい、レポート作成は簡略化して行う。(詳細はこちら)
学生にとっては、家で行う作業負担が減るため、睡眠時間不足からくる精神的負担も軽減されるようになる。また、今後のカリキュラム変更により、実習指導者は、免許を受けた後5年以上業務に従事し認定の講習会を修了した人のみとされるようになる予定だ。