日本呼吸ケア・リハビリテーション学会、日本呼吸理学療法学会、日本呼吸器学会の3学会は合同で、呼吸リハビリテーションについて新しい定義を提唱した。
呼吸リハビリテーションとは、呼吸器に関連した病気を持つ患者が、可能な限り疾患の進行を予防あるいは健康状態を回復・維持するため、医療者と協働的なパートナーシップのもとに疾患を自身で管理して、自立できるよう生涯にわたり継続して支援していくための個別化された包括的介入である。
以前の定義では、機能の回復、維持が中心とされていたが、これからむかえる高齢化社会に対し肺炎や呼吸器疾患の予防は、医療費削減への効果が期待されるとして、予防的な観点も重要視する内容となった。
また、呼吸リハビリテーションは、急性期、回復期では術前、術後のリハビリテーションを行い、機能障害が残る場合は維持期に対して介入をするなど、生涯にわたり継続して実施される必要があり、各病期にあわせてシームレスな介入を行う事も必要と定義された。
昨今普及しているWebやスマートフォンを使用した介入など、双方向性の医療の理念に基づいた介入が多くなっている事も考慮された。その他にもセルフマネジメント教育、栄養療法のエビデンスが構築され、身体活動性の向上、維持も予後に大きな影響を与えるといった部分も、新たな定義に加えられている。
今回の改定では、呼吸リハビリテーションはもとより、今のリハビリテーションを取り巻く環境の変化に対応した改定と言ってもよいだろう。