理学療法士の約7割が入会している「公益社団法人 理学療法士協会」。この「公益社団法人」も法人であるからにして、運営には当然お金がかかる。
株式会社などの法人であれば通常「損益計算書(会社が1年間でどれだけ売り上げ、どれだけ費用がかかったのかを計算したもの)」を見ることによっていくら儲かったのかが分かる。公益法人であれば、この損益計算書とほぼ機能が同様のものが、「正味財産増減計算書」である。
日本理学療法士協会も、この正味財産増減計算書を公開しており、一般の人でもそのお金の出入りを見ることができる。
今回はこの正味増減計算書の内訳をざっくりと説明しようと思う。
▶︎ 平成29年度|財務報告書
1. 経常収益
経常収益は、協会に入ってくるお金のことである。このお金を元に協会の運営が行われているということになる。
経常収益計はその合計で、昨年度は15億円を超える収益があった。
では、その内訳はというと、受け取り会費が一番多く1,189,363,000円。全体の78%が毎年の年会費が会員が支払う11,000円と、入会時にかかる入会金などで成り立っていることがわかる。次に多いのが事業収益で291,331,439円。こちらは主に研修会費や学術大会で得た利益を指している。
ちなみに一昨年の経常収益計は1,398,850,639円なので、125,032,806円の増益となっている。
2. 経常費用
経常費用は、協会から出ていくお金。支払われているお金である。事業費と管理費の二つに分けられ、事業費は「目的とする事業を行うために直接要する人件費やその他の経費」、管理費は、各種事業を管理するための費用を指す。
例えば、全国学術研修大会のような学会開催は、学会会場を賃借料、学会開催の業者委託を依託費といったように、各勘定科目に沿って、全体の費用に振り分けている。
また、会員の元に送られてくるJPTAニュースといった会報誌は、印刷製本費の費用の一部として計上、その送付に関しては「通信運搬費」の一部として計上されているそうだ。