腰痛にはどんな知識が必要?
「腰痛」は,多くのセラピストが遭遇する症状です.腰が痛いといっても,評価する項目は多く,どこが痛いの?いつ痛むの?どのような痛み?などなど...なかなか難しいです.
治療を行って一時的には痛みが改善しても,次には元に戻っている.そんなことも多く経験しました.では,腰痛に対して理学療法を行う場合,どのような知識が必要でしょうか.
腰痛の病態を絞り込もう!
腰痛はあくまで一つの「症状」であり,それに対して病態を絞り込む必要があります.痛みが生じている部分どこか.また,痛みを出している部位にどのようなメカニカルストレスが生じているかも考える必要があります.
本書には疼痛の生じている関節について以下のように書かかれています.(図1)
安定した関節からは疼痛を認めませんが、不安定な関節からは疼痛を認めます。後者は、生理的可動域の限界を超えた関節と、関節支持組織の拘縮や編成により軽度な運動であっても不安定刺激を有する関節を意味します。
(出典:腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック)
これに対して拘縮や筋力低下,不良姿勢のそれぞれを運動療法により疼痛を回復させる可能性があります.それらを基本的な考え方として治療計画を立案していきます.
本書の特徴
本書は運動器理学療法の著書を多数執筆されている赤羽根良和先生が手掛けられており,機能解剖を基軸として,腰痛を引き起こす病態について詳しく書かれています.各病態の解説の前には腰椎の機能解剖についての解説もありますので,若手のセラピストにも理解しやすい内容となっています.また,著者による講演と実技のDVDが収録されているため,本書を読んだ後にDVDを視聴すると効率よく学習できます.
最後に
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