問題
リハビリテーションで正しいのはどれか。(第93回)
a 永久的な障害は対象にしない。
b 医療機関で行われるものをいう。
c 障害者の全人的復権を目指す。
d 理学療法士の指示で行う。
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正解
c
まずは"リハビリテーションとは"という基本の問題。a は、脊髄損傷やパーキンソン病などの障害でも、残存機能の維持などがリハビリテーションは必要ですね。b.は医療機関に限らず、在宅や介護施設など、特にリハビリテーションを行う場所による限定はありません。c.はリハビリテーションの定義そのもの。障害者の全人的復権を目指すものであります。(全人的復権とは身体的・精神的・社会的などにも、人間として生きていく上で回復する権利である)dは、確かに医師・理学療法士の指示によるものが中心ですが、"リハビリテーション"は、指示がなくても行うべきものですよね。
問題
75歳の女性。2か月前に脳梗塞を発症した。右上下肢の不全麻痺があるが、上肢は肩まで挙上できる。歩行の際の留意点で適切なのはどれか。
a. 右側に付き添って歩く。
b. 近視用の眼鏡を装着させない。
c. 歩行中は右上肢を三角巾で固定する。
d. 杖の長さは肘をまっすぐ伸ばせる程度にする。
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正解
a
これも、理学療法士や作業療法士の方なら比較的簡単だったのではないでしょうか。正解はaで、患者の麻痺側(右)に付き添って歩く。眼鏡は装着して歩いた方がいいですし、この症例の場合は上肢が肩まで挙上できるため三角巾も必要ありません。少し話はそれますが、急性期病院に入院していた際の流れで、そのまま三角巾を付けないと脱臼してしまうと思い込んでいる患者さんやセラピストもいるかもしれません。しっかり評価しないといけませんね。なおdの杖の長さは、肘関節が軽く屈曲する程度がいいですね。
問題
次の文を読み問題2に答えよ。
Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折と診断され、安静目的で入院した。既往歴:5年前に大腿骨骨折。現 病歴:2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。
生活歴:要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。
問題2
入院後8日、理学療法室での訓練が始まった。Aさんはこわばった表情で訓練を受けていた。Aさんは、以前は通所リハビリテーションを利用していたが、人が多い場で落ち着かなくなることがあり、入院前には小規模多機能型居宅介護事業所を利用していたことが家族からの情報で分かった。翌日、理学療法士が「理学療法室に行きましょう」と病室に迎えに来たところ、Aさんは「行きたくない」と嫌がった。このときのAさんに対する看護で最も適切なのはどれか。(第106回)
a. 看護師が理学療法室まで付き添う。
b. 病棟でのリハビリテーションを提案する。
c. Aさんに再転倒を予防する必要性を説明する。
d. 小規模多機能型居宅介護事業所の利用を勧める。
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↓
正解
b
これは、悩む人も多いかもしれませんが、正解はbとなっています。人が多い場所でのリハビリテーションだと落ち着かなく、リハビリテーションがスムーズにできない様子がうかがえるため、人の少ない病棟でのリハビリの提案がこの状況に最も適しているとのことです。c.は、特にリハビリテーション自体を嫌がっている訳ではなく、d.は、確かに小規模多機能型居宅介護事業所の利用は、退院後の検討事項ではありますが、この場面で行うものではありません。
問題
Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。(第101回)
a. 運動強度の軽減
b. 家事動作練習の追加
c. 翌日の理学療法の中止
d. 病棟での歩行回数の増加
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正解
a
これは実際によくありそうな臨床場面ですね。疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなっていることから、運動強度を軽減し本人の状態に適した運動量を見つけていくことが大切です。bは、疲労感の訴えがある患者さんに対してなので、まずは疲労をとることが大切ということで不正解です。ただ「気分転換に」という目的だったら、実際にはありかもしれませんね。cは、「早く自宅に帰りたい」という意欲はあるのに、理学療法自体を中止してしまうのは過ちです。d.と答えた方は…Sですね。安易な選択で信頼関係を失してしまわないないように、日頃より気をつけた方がいいでしょう。
問題
精神科作業療法における看護師の役割で適切なのはどれか。
a. 作業の重要性を繰り返し説明する。
b. 作業場面と病棟との患者の状態の違いに注目して観察する。
c. できあがった作品の良し悪しで治療効果を評価する。
d. 作業中の患者の状態をすぐ近くで継続的に観察する。
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正解
b
最後は、精神科の作業療法についてですが、メンタルが問題点に関わってくる患者さんは普通のリハ病院にも入院してくるケースがありますので、ぜひ考えていただきたいものです。正解はb。作業場面と病棟での患者の状態に注目して、今後の治療に活かしていくことが大切ですね。aに関しては、看護師ではなく作業療法士が行う。cは、作品の出来ばえよりも作業に対する姿勢を評価していくことで、症状の改善に繋がってきます。dは、場合によっては、そばで見られ続けることで患者の緊張が高まる可能性があるので不正解となります。