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高橋塁先生〜横浜DeNAベイスターズ専属理学療法士(PT)〜第二回

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理学療法士である強み

ベイスターズには理学療法士が3人います。私が入るまではトレーニングコーチとトレーナーというように完全に肩書きが分かれていました。トレーニングコーチは、体育大学出身の人やアメリカ帰りの人が多く「やらせる」ばっかりで、ひたすら練習量を荷して、身体が硬くなろうが構わないみたいな世界でした。トレーナーというのは、鍼灸マッサージの方たちで、トレーニングコーチが選手を強化するだけして、トレーナーの人たちが癒やすというような世界でした。球団としても「トレーナーってそうじゃないのではないか?」と気付くようになり、いろいろな資格を持った人が集まった集団になったというわけです。ですから旧来のトレーニングコーチ、トレーナーのポジションの人たちもトレーニング、治療、リハビリも兼ねているという感じで何年かごとにポジションチェンジをしています。

理学療法士としてのスキルとして、やはり「評価」ができるというのが一番大きいですね。他職種を否定するわけではないですけれども、評価するという文化がないので、例えば今井さんという鍼灸マッサージの方がいて、高橋というPTがいて、Cという選手を診たとすると、(鍼灸マッサージさんは)表現方法が曖昧でした。なので、1日目に今井さんが診ました。2日目に僕が診ましたということになると、なんか漠然と「全身の疲れがあって、全身疲労のためにパフォーマンスが低下したので治療しました・・・」というようになるんです。それを日報に落とすんですけど、当然見ても何がどうなのか全然分からない状態です。我々は「股関節の外旋の可動域が狭まっていたから殿筋周辺をほぐしました」というような表現が出来ますよね。私はそれが普通だと思っていたんですけれども、プロの世界に入った時はそうではなかったので、選手をいい方向にアプローチしていこうと思っても日に日に担当のトレーナーが変わってしまうと、整合性がとれなくなるんですよ。良いも悪いも選手を評価して、トレーナー間で共有して、監督・コーチ陣などの球団の人に報告する手段がなかったなと思いました。だから逆に私が先に入って股関節の可動域測るところはじめ、他のトレーナーさんも「あ、股関節が硬いのね」という表現から治療、運動療法の、共有ができはじめ、今ではトレーナー間での共有が充分にできるようになりました。

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他球団との関わり

まず我々は病院が基準となって働く場所なので、この部位だったらこの病院に専門医がいるとか、そういった話にはなります。元々、理学療法士は病院の方にはゆかりがあります。理学療法士のネットワークで「あそこの病院いいよ」とか「リハビリ良いよ」など、そういった共有はやっています。

プロ野球専属の理学療法士だけで集まろうとはしているんですけれども、まだ現実としてはそのようなことは行なわれていません。毎年12月にプロ野球のトレーニングコーチとトレーナーが集まるミーティングがあって、その時は何となく理学療法士が集まって話したりはします。

去年までで、北から日本ハムに1人、楽天1人、ロッテ、西武が2人、ジャイアンツは3人、ヤクルトは1人おられたんですけどもうお辞めになって、横浜が3人、中日が1人、オリックスは多分2人いるはずなんですよね。で、阪神が0で、広島が2人です。で、ソフトバンクも1人います。ですのでほとんどの全球団で理学療法士の方はいらっしゃいます。

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夢をあきらめない

2014年の4月から医学部の博士課程に入りました。私としては今後、教育者としての道を今後、考えたりもしています。この業界では、トレーナーの職人としてずっと行かれる方もいます。また、スペシャリストとして整形、中枢に特化するとか、それともオールマイティーに「全部できますよ」という理学療法士を目指すのか。私はいろんな形態があっていいと思っています。私はスポーツに特化したことをやっていますけど、結局は自分が何をしたいのかということにいきつくと思います。病院勤務の理学療法士とはちょっと違う部分もあるので、そこは別個と捉えていただいて、そういう道を目指したい方はより現場に出て、理学療法士+α何ができるのかというのを考える事が大切だと思います。

高橋塁先生経歴

【経歴】
2004年 香川大学大学院経済学専攻科 修士課程卒業
2007年 穴吹リハビリテーションカレッジ理学療法科卒業
2007年 香川オリーブガイナーズ トレーナー
2010年 横浜DeNAベイスターズ アスレチックトレーナー
2014年 徳島大学大学院医学研究科(運動機能外科学分野)入学

【専門分野】
スポーツ医学

【資格】
理学療法士
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
JATI認定トレーニング指導者
アメリカ心臓協会(AHA)BLSヘルスケアプロバイダー

【バックナンバー】
第一回:これまでの歩み


高橋塁先生〜横浜DeNAベイスターズ専属理学療法士(PT)〜第二回

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