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【映画「栞」第二弾鼎談】阿部進之介(藤村孝志役)さん・石川直宏(元Jリーガー)さん・ 榊原監督-後編-

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元FC東京 石川直宏さんに聞く「映画栞で印象に残っているシーン

監督:ナオさん。単刀直入に、ご覧いただいていかがでしたか?

 

石川さん:細かい話はもちろん出来ないですが、本当に人間味のある作品だなと。人と人、心と心。魂と魂の接近を感じて。観ている側も、魂が揺さぶられて涙してしまったという感じでしたね。

 

自分の経験に重ね合わせて込み上げてくるものもありましたが、それだけではなく家族との関係だったり、病院内での関係だったり、細かくリアルに描かれていて、人と人とのつながりというか、支え合いというものを非常に感じました。

 

監督:ありがとうございます。ネタバレにならない程度に、印象に残っているシーンがあったら教えてください。

 

石川さん:自分がアスリートという経験から、阿部さんが演じられた孝志の、受け入れるという姿勢から、うまくいかないことが出てきて、それでも前向きに見せる部分ですね。

 

だけど前向きにしている裏では、すごい葛藤があるのだろうな、というのが、表情だったりリハビリをする姿勢から感じて印象的でした。

 

あとは、これ言えないですが、あれは衝撃的でした。本当に。ただ、ショッキングだったのと同時に「ああ、やっぱり」とも感じました。

 

監督:そうですね。あのシーンを含め、この映画は実際に自分が体験したり、先輩が実際に体験したことだったりするんですけど、本当に現場では起きていることで、いまこの瞬間もどこかの病院で起きているかもしれません。知るだけでも知って欲しいという想いがあって、あのシーンを書きました。

 

石川さん:アスリートとしても人間としても精神的にもギリギリの状態じゃないですか。そういった中で戦っていて、周りの支えもあるのですが、人間そう強いものではないですから、そういったギャップというものを感じましたね。

 

これはどんな人でも起こりうることだと思うんです。自分も入院していて、そういう方もたくさん見てきたので。

 

監督:ナオさんは、入院はどのくらいされていたのですか?

 

石川さん:一番長くて、1ヵ月半くらいはしていました。7回も手術していますからね。笑それだけ入院していると、麻酔科の先生とか整形外科医とか、周りのスタッフにも「またお世話になりまーす」という感じです。笑

 

監督:ドキュメンタリーの取材の時も、手術の跡を見せてもらったのですが、たくさん傷があって。

 

石川さん:そうですね。見えるかどうか分かりませんが。傷も特殊なんですよね。靭帯くっつけても治らないので、他の場所から筋肉の腱を持ってきて、束ねて再建するので。

 

阿部さん:想像を絶しますね。役者はそういう部分を想像して埋めるしかないので、想像すると辛いので、途中でやめておきました。笑

 

監督:ご自身とリンクして分かりすぎてしまうところがありますかね。

 

石川さん:そうですね。分かりすぎます。

 

阿部さん:そう言っていただけると、報われるところがあります。

 

監督:そうですね。この役を演じるのは難しい部分が多くて、実際にそういった患者さんもいるので、誠実に役を作っていこう、という気持ちを持っていました。

 

阿部さん:実際に、脊髄損傷を負ったバスケットボールの選手にお会いして、お話を聞いたりリハビリの施設を遠くから見学させてもらったんですけど、だからこそ、そういった方々に失礼の無いように演じなければならないという想いがすごくありました。

 

「頸損のプロラグビー選手」という特殊な役作り

監督:阿部さんが演じる孝志の役作りについて、コメントいただいているので紹介します。孝志は本当に特殊な役で、元ラグビー選手なので上半身は大きいですが、脊髄損傷なので下半身を細くしなければならない。

 

役作りと聞いて思い浮かぶような“太って”とか“痩せて”とかではなく上(上半身)はマッチョで下(下半身)は細く、そういう身体作りをしました。

 

その辺りについて、お聞きしたいのですが、まずナオさんはご覧いただいていかがでしたか?

 

石川さん:驚きましたね。胸筋とか腕の太さとか。先ほどお話しされていましたが、スポーツを全く経験されてこなかったと聞いて、その体型からは想像出来ませんでした。何かスポーツやられていたのかと。

 

阿部さん:騙されましたね。笑

 

逆に今回は、スポーツをやってこなかったというのが、功をそうしたと思っています。それはなぜかっていうと、そもそもスポーツをやってこなかったので、下半身の筋肉はそれほどなかったんです。

 

役者を始めて、20歳くらいからトレーニングを始めましたが、上半身は鍛えることがあっても下半身は鍛えていなかったので、元々細かったんです。

 

なのでまずは、上半身だけに集中して上半身が思いっきり大きくなるようにトレーニングして鍛えて、下半身はなるべく使わない、という風にしました。笑

 

足にサポーターを巻いたりして、筋肉をなるべく使わないようにして細くしていきました。

 

石川さん:上半身はベンチプレスだったりのトレーニングをされたってことですか?

 

阿部さん:そうですね。ベンチプレスだったら110kgとかでやっていたと思います。あと、ラガーマンなので、首を太くしなければならず、首のトレーニングなんかもしましたね。

 

監督:今回、阿部さんのトレーニングは、理学療法士の眞田さんという車椅子バスケの日本代表トレーナーもやっている方にお願いしていました。

 

僕も、毎回トレーニングの時は少しだけ参加したんです。阿部さんがハードなトレーニングしているので、申し訳ないなと思って。

 

同じ回数をやろうとしても当然出来るわけもなく、休んでいたら鏡ごしにバレていました。笑

 

阿部さん:きついと言いながらやっていたんですけど、パッと鏡を見たら監督は休んでいて。だったらもうやらないでくれと。笑

 

監督:阿部さんの後ろでやっていたので、バレないかなと思って声だけ「6,7…」と数えていたのですが、バレました。笑

 

というように、役作りのトレーニングから理学療法士の方にサポートしてもらっていました。

 

阿部さん:トレーニング中にも「こういう動きをするとどんな動きになるんですか?」など、色々具体的な質問が出来てすごく良かったです。ここから下(c8損傷)が動かないとどうなるのか、自分では分からないんですよね。どうしても力も入ってしまいますしね。

 

復帰後の初ゴール メディカルスタッフへの想い

石川さん:怪我をして、復帰後初ゴールを決めて勝った試合だったんですけど、自分も頑張ってきましたが、サポートしてくれたドクターやリハビリスタッフに感謝をしたくて。

 

勝った時にピッチの上で喜んでいるのは選手だけなので、お世話になった人たちをサポーターのみんなに見せたくて、試合終了後にピッチへ引っ張り込もうとしたんですけど、「ダメだ」と。自分は表に立つ人間ではないと。僕がピッチで活躍しているその姿を見せてくれるだけでいいんだ、と。

 

極端な言い方をすると僕が復帰出来なかった場合は、そういったスタッフの責任、みたいな見方をされてしまう場合もあるので。自分自身の意地はもちろん、サポートしてくれる方々の気持ちに応えたい、という気持ちにも繋がりました。

 

怪我をしないと、そういった裏の苦労を知ることはありませんが、この方々がいる感謝は非常に大きいと思います。

 

阿部さん:挫折だったり、壁にぶち当たった時には、そういうありがたみを感じますよね。

 

監督:僕も元々、理学療法士を目指していたのはJリーグのトレーナーになりたいと思っていたんですけど、そういう人たちっていっぱいいいて、今ナオさんにそう言っていただけて、嬉しいと思います。

 

阿部さん:映画を見ていただいて、複雑な気持ちになったりすると思うのですが、“ではこれからどうしていこうか”と前向きになってもらえれば嬉しいなと、この作品に携わっています。

 

難しいテーマだと思うんですけど、監督が想いを脚本に書き込んで、その想いを僕も感じて。答えが出ないテーマだと思うんですけど、「希望に向かって」という言葉通り、こういう想いになってくれたら嬉しいなと思います。

 

監督:そうですね。シリアスなシーンも多く、衝撃的なシーンもあるのですが、ただそのシーンを見せるだけでなく、「未来に向かって少しでも前に」という気持ちで映画を創ったので、そういう想いを感じてもらえたら嬉しいなと思います。

 

阿部さん:この映画が考えるきっかけになったり、それが未来に繋がったらいいなと思いますね。

 

監督:現状を知ってもらって、観て何かを感じていただけたらなと思います。

 

阿部さん:これから、理学療法士を目指す方にも、ぜひ観てもらいたいですね。

 

石川さん:僕もプレーヤーとして意識していたのは、オンリーワンと言いますか、世の中で自分は一人しかいないわけです。だからこそ、自分らしさをさらけ出してしまうということが必要なんじゃないかと思います。

 

ただ、その接し方で色々な人が救われると思いますので、心と心で通じ合って接してもらえたら嬉しいですね。

 

【前売券情報】*割引でのチケット販売です。

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販売期間 :2018年7月6日(金)~10月25日(木)

価格   :1,500円 (一般前売価格 1,600円)

購入サイト:https://www.major-j.com/info.php?f=M20180625001shiori

ID / PW  :shiori18post (ID / PW共通となります)

※割引価格での前売券ご購入には上記のID / PWが必要となります

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また、10枚以上の同時購入で1枚1,400円の団体前売券もFAX・Emailにて受付けております。

団体前売券のお申し込み用紙はこちら

 

【作品情報】

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公開日 :2018年10月26日(金)

上映劇場

[ 秋田県 ]ルミエール秋田
[ 千葉県 ]T・ジョイ蘇我
[ 東京都 ]新宿バルト9、T・ジョイPRINCE品川
[神奈川県]横浜ブルク13
[ 愛知県 ]ミッドランドスクエア シネマ
[ 京都府 ]T・ジョイ京都
[ 大阪府 ]梅田ブルク7
[ 広島県 ]広島バルト11
[ 大分県 ]T・ジョイパークプレイス大分

新しい劇場が追加になりました!

[宮城県] MOVIX利府
[福岡県] T・ジョイ博多
[愛知県]ユナイテッド・シネマ阿久比

 

 

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