意思決定の脳内機構とばらつき 内側前頭皮質が関与

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例えば、ある人が同じような曇り空を見て傘を持ち出すのか持ち出さないのかといった行動選択は、いつも確定しているわけではなく、確率的であることが知られている。

今回の研究で、動物の行動選択における意思決定の個体差が、その神経活動の個体差、すなわち外からの刺激に対する神経ネットワークの「感受性」の違いによって決まることを発見した。

▶︎ 意思決定の脳内機構と個体差-神経活動の外的擾乱に対する感受性が行動選択の個性を決める-

 

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター神経情報・脳計算研究チームの深井朋樹チームリーダーらの国際共同研究チームは、「意思決定課題」を学習したラットを用いて、行動選択の個体差と前頭葉皮質の神経活動の関係性について調べた。

 

その結果、ラットで観察された個体間の行動選択の大きなばらつきと、内側前頭皮質の神経細胞集団の活動の揺らぎとの間に相関があることが分かった。また、ラットで見られた行動選択の個体差を、コンピュータ上で神経回路モデルを訓練することにより再現できることを示し、行動の個性は神経活動の外的擾乱(じょうらん)に対する感受性(安定性)によって決まることが明らかになった。

 

本研究は、米国の科学雑誌『Nature Neuroscience』の掲載に先立ち、オンライン版に掲載されている。

 

意思決定の脳内機構とばらつき 内側前頭皮質が関与

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