ロサンゼルスのクリニックでボランディア
今回は主にアメリカで私がどのように過ごしていたのかを紹介しようと思います。
アメリカでの3ヶ月間は主に語学学校に通いながら、知り合いの整形外科クリニックでボランティアをさせてもらっていました。実際に患者さんを治療するところを見せてもらったり、時間がある時には徒手療法の講義をしてもらったり、訪問リハビリに付き添わせてもらったりと学校以外のほとんどの時間をそのボランティアで過ごしたような気がします。
私が住んでいたところはアメリカのロサンゼルスにあるサンタモニカというとても有名な観光地でした。歩いて5分くらいの場所にビーチがあり、映画のロケ地や、有名なショッピング街、カジノで有名なラスベガスなんかにもアクセスがいいまさに観光にはうってつけの刺激的な街でした。
もちろん同じ学校の生徒は休日に色んな場所へ観光に行っていました。ただ僕にとってはアメリカの地で英語を使いながら患者さんやスタッフとコミュニケーションをとったり、講義を受けたりする方がずっとずっと刺激的でした。
ほとんど英語が喋れなかった僕にとって、その無謀な試みを受け入れてくれることだけでありがたかったし、とても充実していた時間を過ごすことができたと思います。クリニックはロサンゼルスのコリアンタウンにあったのでスタッフはほとんどが韓国人でしたが皆アメリカの大学を出ているのでとても流暢に英語が話せました。
学校でできた友達の中にも英語が上手な人は何人もいましたが、基本的には同じクラスには自分と同じレベルの生徒がいるので、一緒に図書館で勉強しても、友達から英語を教わる機会はあまり多くありませんでした。
語学学校に通うことで英語の基礎は学べますし、友達と話したり出かけることで会話する量は増えますが、正しい英語、ネイティブに近い英語に触れる機会というのは留学に行っても正直言って少ないのが現状です。これは英語を学びに海外へ留学したいと考えている人は注意したほうがいい点だと思います。
そんな中でクリニックには同い年のネイティブのスタッフがいたので、よく学校で分からなかったことを聞いたり、患者さんとの会話に使う表現を聞いたり、色んなことを教えてもらいました。特にリスニング、スピーキングが絶望的だった僕にとってこの経験はとても有意義でした。アメリカに飛び立つ前にも多少の英語の勉強はしていたため、基本的な文法はある程度理解していましたし、高校生までは一応それなりに英語の勉強もしていたのでなんとかなるかなと思って僕はアメリカに行きました。
その、「なんとかなるだろう」が「どうにもならんな」に変わるのに時間はかかりませんでした。中部国際空港からロサンゼルス国際空港について、空港送迎の人に会った瞬間に思いました。「あー。何言ってるか全然わかんねぇ」笑顔振りまいて乗り切りましたが、正直何言ってるかほとんどわからなかったですし、自分が言いたいこともほぼ単語だけで伝えるというような感じでした。この時ほど「思ってたんと違う。」と思ったことはこれまで生きてきてなかったです。
そんな僕でしたが、先ほど述べたクリニックでのボランティアのおかげで、3ヶ月経つ頃にはそれなりに会話が聴き取れて、それなりに自分の伝えたいことも伝わるようになっていました。アメリカの医療の現場を近くでみたい。日本に帰ってからもまた仕事としてアメリカに行けるような交友関係を作りたい。その気持ちだけで過ごした3ヶ月間でしたが結果的に両方ともの目的を果たすことができてとても充実した3ヶ月間になりました。
いまでもそのクリニックの管理者とは連絡をとりますし、いずれは日本人の療法士をそのクリニックに連れて行き、僕と同じようにアメリカの医療の現場を近くでみてもらえるようなスタディツアーをしようと約束をしました。いつか必ずその約束を叶えたいと思います。
まずやることの大切さ
僕がアメリカでした経験のほとんどはこのボランティアのおかげです。普通に留学生として語学学校に通いながら生活をしているだけではネイティブの友人ができることも、医療の現場をみることもなかったと思います。
そしてこのボランティアは僕が無謀にもその環境に飛び込みたいと志願した事で実現したことでした。いま自分にどれだけの能力があるとかそんなことはあまり気にしなくていいと思います。本気で取り組めばだいたいの事は覆せます。
そして仮にうまくいかなくても本気で取り組めば次につながるいい失敗ができます。本気でやった失敗はある意味成功よりも価値があります。僕がこの3ヶ月で強く感じたこと。それはまずやってみることの大切さです。考えるよりやってみたほうが早い事もあります。まずやってみる。やってみたらわかる。この考え方をするだけで今より少しだけ人生が楽しくなりますよ。
【目次】