一般会計の知識を身につけキャリアアップ転職を目指そう
今あなたが座っている職場のイス、パソコンなどなど、皆さんが仕事をする上で必要かつ、売り上げを生み出すために必要なもの、それが“固定資産”です。これから書くことを、皆さんがしっかり理解すれば、きっと職場の物品といえど乱雑には扱えないようになるでしょう。
当たり前のように使用しているそれら全ては、皆さんがいただく給料を稼ぐために職場が用意したものです。皆さんは、それらをフル活用し、組織に対して最大限の貢献をしなければなりません。
これは脅しではなく事実です。皆さんは、その環境に見合った売り上げを組織に提供しているでしょうか?「給料が低い」「ボーナスが低い」「昇給が少ない」これらの不満は感情です。
感情では、組織は回りません。もし、皆さんが「給料を上げて欲しい」「ボーナスを増やして欲しい」「昇給を増やして欲しい」と望むのであれば、最低限の知識を持ちましょう。簿記の知識は、皆さんを守る盾にもなり、組織と戦う武器にもなります。
固定資産って何?
こんにちは。この連載の人気がないとのことですが、意地でも続けてやろうと思います。
どうぞよろしくお願いします。早速ですが、固定資産って何ですか?
固定資産ですね。ざっくり説明すると、皆さんが仕事をする上で必要な物品で、売り上げを生み出すために不可欠なものです。
なるほど。仕事をする上での必需品までは理解していますが、売り上げを生み出すという意識はなかなかないかもしれないですね。
それもそうですよね。就職した頃には当たり前にありますからね。もっといえば、皆さんが働いている場所の土地、建物、駐車・駐輪場も固定資産に含まれていますよ。基本的には、1年以上使用するために所有する“資産”になります。
例えば、パソコンにしろ、建物にしろ、取得原価から経年劣化で価格は下がりますよね?となると、資産が減るってことですか?
よくご存知ですね。正式には、減価償却という言葉を使いますが、それは資産の減少を表すものではありません。細かくいうと、物品の購入金額によって、また購入物によって処理は異なりますが、減価償却を行わないとヘンテコな事態が起きます。
購入したものが固定資産となるということは、再三申しております通り、売り上げ、利益をもたらすために購入するものです。例えば新しいリハビリ室を作って、あらゆる物品を購入したとします。
その通り。高すぎますよね。そうなると、1年でその購入金額に見合った利益をもたらすことはほぼ不可能なわけです。そうなると、その物品を導入して得られた獲得利益を適正に判断できないですよね?
確かに。できれば、賃貸みたいに決められた金額を毎年払って、数年単位でその効果測定をすべきですね。
おーそういうことです。それを専門用語で定額法と言います。そのほか、間接法というものがありますが、これは皆さん個人でも実は私生活で行なっていることです。
食いついてきましたね。まさに、水を得た魚のようにパクパクと。
失礼しました。例えば、10万円ほどする効果なカバンを買ったとしますよね。もしそのカバンが、1年しか保たないとしたら、買いますか?
どんな作りなんですかそれ。ほぼ詐欺みたいなバックですね。
例えばだって。10万円するバックが1年で使い終わったら、その1年で10万円を取り返すくらいの生活を送りたいですが、なかなか難しいですよね。10万円するわけですから、10年は保たせたい。となると、10万円のバックを10年で使うので、1年1万円になるわけです。
なるほど。10万円のバックを、1年1万円で借りているようなものですね。
その通りです!と考えれば、資産が減っているということではないですよね。先ほども言いましたが、購入に見合った収益を計算しやすくするために、減価償却を行います。
そうなりますよね。ただ、物品によって細かく固定資産の”耐用年数”が決まっています。
従業員数が1,000人以下の個人事業主や中小企業(資本金1億円以下の法人)の方には、少額減価償却資産の特例という制度が用意されています。これは、取得価額が30万円未満の減価償却資産に関して、一括で減価償却費として費用計上することができるようにするものです。なお、10万円未満のものに関しては、元々消耗品費として計上することができる。
ちょと待てちょと待て武夫さん。”耐用年数”って何ですの?
…古。固定資産を減価償却するにも、では何年で減価償却するの?という話になります。それはそうですよね。全ての物品を、100年で減価償却しますなんて、自己申告でやってたら大変なことです。
購入物品によって耐用年数が定められています。例えば、パソコンなら4年とか主に金属製の机なら15年とか。細かく知る必要はないと思いますけどね。
なるほど〜。でも、ちょっと頭がいっぱいになってきました。
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