フィジーのリハビリテーション教育と住環境|三田村徳さん

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フィジーのリハビリテーション教育について

Photo:理学療法学生4年生に最終実習試験の指導をしている様子

 

フィジーのリハビリテーション教育としては、Fiji National University(フィジー国立大学)に理学療法学科が所属しています。大洋州諸国(キリバス、バヌアツ、ソロモンなど)から理学療法学生がおり、4年生の大学です。

 

 

 

2018年には25人の入学者がいますが、試験や実習によって7割ほどが現役により合格している状況です。上記写真のようにオーストラリアからの教授がフィジー国立大学を援助し、最終試験での合否を決めています。そして合格後は1年間インターン期間(ボランティアとして病院内での臨床勉強期間)があります。

 

インターンが終わった後は公立病院への試験・面接があり、晴れて働くことができます。しかし、フィジー全土に理学療法士が働ける病院が少ないため、継続的に病院内によりボランティアとして働いている新人理学療法士が多くいます。原因としては医療の無償提供による保健省の予算不足が大きな問題となっており、より医療の質が悪化し悪循環に繋がっています。

 

次に、理学療法士の教育システムについて、フィジー理学療法士協会(Fiji Physiotherapist Association: FPA)は理学療法士の質を向上するため、2018年8月より理学療法士更新制度を設けました。勉強会へ参加し、年間20ポイント(1時間受講で1ポイント)を取得しないと理学療法士免許が剥奪される制度を設けました。

 

オーストラリアやニュージーランドの教授から実技と講義を受講することができるようになりました。そのため知識・技術ともに向上し、切磋琢磨してくるのはこれからだと感じています。さらに自分が興味ある分野、さらに学びたい治療方法は独学か海外留学や移住して学びに行かなくてはなりません。フィジー国内としては中進国となってきていますが、リハビリテーションとしてはまだまだ発展途上の状態です。

  

Photo:フィジー理学療法士協会による勉強会

 

 フィジーの住環境について

Photo:フィジー人 村長の家

 

Photo:フィジーインド人裕福層の家   

 

フィジーインド人は金持ちが多い?

都市部は先進的、農村部では大きな違いがあります。都市部の富裕層では2階建て、ビルということも少なくありません。都市部や多くの農村部では水・電気が通っており、生活上困ることはありません。しかし、山奥や離島では電気や水が通っておらず、雨水や川の水を利用していることもあります。

 

村の家は平屋が多く、板金により簡単に作られています。そのため台風時は被害が大きくなることが多いです。フィジー人は土地を持っており永住できますが、フィジーインド人はイギリス植民地時代に連れて来られたため土地を借りて家を建てる必要性があるため稼がなくてはいけないという意識が高いです。そのためフィジー国内の企業としてフィジーインド人が経営していることが多いです。文化的な背景や歴史からみてもフィジー人とフィジーインド人の家は内装や装飾なども違っています。

 

都市部や病院であってもバリアフリーの概念は少なく、スロープや手すりもなく、バスや公共交通機関でも利用するには障害者や車椅子利用者は障害が多くあり問題となっています。障害をもつと自宅内でゆっくり過ごし、家族や村人みんなで介護するというコミュニティがあり、助け合いが当たり前にあるため孤立して亡くなるということは少ないです。

 

バリアフリーという価値観や金銭的な問題からも、障害者スポーツなども浸透しておりません。障害を持つと介護してくれるコミュニティと環境的なハード面により外に出る機会が少なくなり、楽しみや役割、仕事が少なくなることが身体機能の低下へ繋がっています。

  

Photo:寝室–居間との通路 

 

Photo:山間部村のトイレ    

 

三田村徳さんプロフィール

2010年3月 東北文化学園大学 理学療法科専攻卒業 

2010年4月 公益財団法人 宮城厚生協会 泉病院入職

2017年6月–2019年6月 JICA青年海外協力隊によりフィジーへ派遣

National Rehabilitation Medicine Hospital(国立リハビリテーション病院)

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