不安に打ち勝つためには「まず行動」
POSTインタビュアー:学生や若手療法士が将来に不安を持っているという話を良く聞きますが、先生はどのように思いますか?
重田先生:何に不安なのかがよくわからないですね。私の周りの人たちは、とにかく今自分がやっていることを一生懸命勉強しようとか講習会に参加しようと発展的に考えている人が多いです。
模索はありますが、ネガティブな不安を抱えている人はあまりいないですね。
POSTインタビュアー:では、そういう感じがするということはありますか?
重田先生:養成校が増えて,就職先などが不安なのでしょうか?いろいろなところを見学させてもらうなり,勉強会に出ていろんな方のお話を聞くなりして,自分が持っている能力をどう生かしていくかを考えることだと思います.学生や新人のうちは不安があるのは当たり前.でも,不安に思っていても不安は膨らむばかりなので,まず行動ですね.
POSTインタビュアー:おっしゃる通りです。今の若い方たちは、やりたいことを口にはする。例えば「会社を起こしたい」とか。でも動き方がわからないという方が非常に多い。
重田先生:私が養成校に入った頃は、全国に54校くらいしか学校がありませんでした。出身は社医学(社会医学技術学院)なんです。そして虎ノ門病院に就職し、当時は色んな疾患を見た方が良いという時代だったので、あらゆる疾患を10年くらい診ました。
その後教員にならないかと話があり、3年間教員をしましたが,学位取得のために大学院に行き、今の女性医療の問題に突き当たって、こういう分野にも理学療法士が携われるとわかり、今に至ります。
POSTインタビュアー:当時は女性の問題に対して活動されている人はいなかったんですか?
重田先生:私の知る限りではほんの数人です。大学院に入った時に、教授が女性の健康に関するテーマを持っていて、やってみないかと言われたのがきっかけですね。
POSTインタビュアー:大学院では最初はどのような内容だったんですか?
重田先生:女性の尿漏れと骨盤底に対する研究ですね。主にバイオフィードバックという機械を使ったトレーニングに関してです。
POSTインタビュアー:なるほど。
骨盤底トレーニングの普及を目指して
インタビュアー:患者さん自身の認識のところで何か感じるところはありますか?
重田先生:ここに来る人たちは何かしら泌尿器科系の問題で困っている方々で、藁をもすがる想いで情報を張り巡らせています。
この問題で困っている人はどこに行けばいいか、どこの科に行けばいいかまずわからない。今やっとネットやテレビ・雑誌に出るようになって、それを見てここにいらっしゃる方が多いです。でもまだまだ周知はされていないと思います。
受診したいけどなかなか受診できないで困っている潜在的な患者さん人はたくさんいるはず。まだまだ広報的なところは重要だと思いますね。
インタビュアー:こちらのスタッフに男性はいないようでしたが?
重田先生:ここはスタッフも患者さんもみんな女性で、それが売りでもあります。女性医療に特化したクリニックなんです.
インタビュアー:男性の骨盤底筋などについてはどのように思われますか?
重田先生:重要だと思いますよ。うちでは診ていませんが、絶対必要だと思います。前立腺の問題とか女性とは違う問題がありますので。海外ではやっていますよね。
インタビュアー:男性の骨盤底筋トレーニングってあまり聞かないですね。
重田先生:はい。ただ国内で実際やっているところもありますよ。
(第2回へ続く・・・)