咀嚼によって大脳皮質の血流量が増加するメカニズム|東京健康長寿医療センター

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咀嚼する際に、認知機能に重要な大脳のマイネルト神経という神経細胞が活性化されて、大脳皮質の血流量を著しく増加させることをつきとめたー。

東京都健康長寿医療センター研究所の堀田晴美研究部長らの研究グループは研究成果を、脳循環代謝の国際ジャーナル Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolismにて報告した。

▶︎ 咀嚼にともなう脳血流増加の神経メカニズムを解明

 

咀嚼は、摂食・消化を助けるだけでなく、覚醒作用や認知機能の向上など、脳の働きにも有益な作用があるといわれている。これまで咀嚼中に大脳の血流量が増加することは分かっていたが、その仕組みは不明だった。

 

研究グループは、麻酔したラットの大脳皮質咀嚼野に電極を埋め込み電気刺激を加えると、大脳皮質の前頭葉や頭頂葉で、50%近くも血流量が増加し、マイネルト神経細胞の活動が著しく増加することが分かった。また、筋が収縮しなくなる薬を投与してから咀嚼野の刺激すると、筋は動かないにもかかわらず、脳血流は薬の投与前と同じように増加した。

 

以上のことから、咀嚼をイメージするだけで、実際に咀嚼するのと同じように、脳が活性化されうると考えられ、イメージトレーニングを生かした、高齢者の認知症予防の新しい方法の開発につながると期待される。

 

咀嚼によって大脳皮質の血流量が増加するメカニズム|東京健康長寿医療センター

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