海外の理学療法系ヘルスケア企業 18選

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現在、GoogleやApple、Amazonなど名だたる大企業も参入してきており、世界で盛り上がりを見せるヘルスケア事業。もちろん理学療法系の企業も数多く存在します。

 

そこで今回は、理学療法系のスタートアップ企業をまとめました。保険制度や、人口あたりの理学療法士数、教育など、各国のバックグラウンドに違いはしますが、是非参考にしてみてください。

 

・患者と理学療法のマッチング

BetterPT

創業者:Greg Peters, Stephen Fealy

総資金額:800万ドル

拠点:アメリカ・ニューヨーク州

設立日:2016年5月1日

概要:

モバイルアプリを使用して、患者が自分の地域で質の高い理学療法士を見つけるのを支援。 ユーザーは、自分の地域の診療所を検索し、理学療法レビューの閲覧、アプリから予約まで行うことができます。

一言メモ:今の日本の制度ではダイレクトアクセスが認められていないため、難しいサービスかもしれません。ただ、いい療法士とマッチするのは運任せの現状況で、このようなサービスを待ち望んでいる患者・理学療法士は多いでしょうね。

ホームページ:https://www.betterpt.com/

 

HealthEngine

創業者:Adam Yap, Dr Marcus Tan, Mike Cadogan

総資金額:3,780万オーストラリアドル

拠点:オーストラリア・パース

設立日:2016年5月1日

概要:月間350万人のユーザーが利用し、理学療法の予約を可能な患者ネットワーク。利用後は、患者アンケートを送ることで口コミスコアも表示される。

一言メモ:こちらは理学療法に限らず、家庭医・歯科医・カイロプラクターなどの職種の予約も行えます。

ホームページ:https://healthengine.com.au/

 

・遠隔でのリハビリテーション

SWORD Health

創業者:André Santos, Márcio Colunas, Virgílio Bento

総資金額:1,550万ドル

拠点:アメリカ・ニューヨーク

設立日:2015年

概要:AIを活用した"デジタル理学療法士"とリアルな理学療法士および臨床チームを組み合わせて、患者のための個別化された理学療法プログラムが提供され、自宅で必要な運動を行うことができます。また、モーショントラッカーを用いることによって、自宅で必要な運動を行うことが可能です。

一言メモ:米国国内だけじゃなく、ヨーロッパ、オーストラリアにも進出している企業で、UCSF Digital Health AwardsでEmployer Wellness&Preventionカテゴリを受賞しています。

Journal of Medical Internet Research(JMIR)や、Nature Scientific Reportsに既に臨床研究が掲載されており、在宅リハビリテーションの維持率や回復スコアに効果的だった報告がされています。

ホームページ:https://swordhealth.com/

 

 

Physera

創業者:Cameron Marlow, Dan Rubinstein

総資金額:1,080万ドル

拠点:アメリカ・サンフランシスコ

設立日:2015年

概要:PTとアプリを通して、ビデオチャットで痛み・怪我の相談が受けられ、パーソナライズされたエクササイズアニメーション、ガイド付きワークアウト、アプリ内サポートが提供される。75%以上のプログラム順守率、50%以上の参加者医療費の削減に成功しているとのこと。

一言メモ:簡単に持ち運べる運動器具も配達されるとホームページに記載されていたので探してみたのですが、おそらく⬇︎このボールのことだと思います。他にもあるのか気になります。

ホームページ:https://physera.com/

 

Reflexion Health

創業者:Ravi Komatireddy, Spencer Hutchins

総資金額:2,980万ドル

拠点:アメリカ・サンディエゴ

設立日:2012年

概要:VERA ®と、HelloPT の運営会社。

VERA ®…アバターによるコーチングと、専用の機器による3Dモーションセンサーで、手術後の膝、股関節、肩、または背中の患者のためのリハビリテーション計画・管理をオンラインで行う。週に1回or2週に1回、リアルな理学療法士とのテレビ電話面談も実施。

HelloPT 痛みや簡単な質問を入力することで、自動でカスタマイズされたエクササイズをピックアップする。必要に応じて、理学療法士との面談もあり。

一言メモ:日本では、いまだに術後のリハビリテーションの多くは入院によって行うので、もし日本にこのようなサービスが入ってきた場合はかなりのインパクトが起きることが予想されますね。アバター(VERA)の表情のアニメーションが色々工夫したと書いてあったので、ぜひ喋っているのを見てたいと思いました。

ホームページ:https://reflexionhealth.com/

 

Physitrack

創業者:Henrik Molin, Nathan Skwortsow

総資金額:350万ドル

拠点:イギリス・ロンドン

設立日:2012年

概要:世界100か国以上で利用されているおり、ビデオベースの運動処方、リアルタイムの結果追跡(結果測定を含む)、3Dアニメーションによる患者教育を行う。患者は無料のPhysiApp患者アプリ(iOS、Android、Web)を使用して、運動プログラムをフォローし、進捗状況を報告。医療提供者と安全な遠隔医療ビデオ通話も行える。

一言メモ:エクササイズサンプルが公開されており、中には水治療法や呼気陽圧マスクを使ったものもありバリエーション豊かだなと思いました。(競合他社にも含まれているかどうかは分かりません)

ホームページ:https://www.physitrack.com/

 

Kaia health 

創業者:Innocent Clement, Konstantin Mehl, Manuel Thurner, Moritz Philipp Weisbrodt

総資金額:2200万ドル

拠点:アメリカ・ニューヨーク

設立日:2015年

概要:内蔵されたAIによって慢性腰痛を解決するアプリ。120のガイド付き運動療法や、マインドフルネス、筋弛緩技術などの心理的戦略を組み合わせてアプローチする。また、チャット機能を備えており、理学療法士やスポーツ科学者とユーザーを結び付けて追加情報を提供。

モーショントラッキングは、ウェアラブル機器ではなくiPhoneカメラで行い、機械学習で行われているのが特徴だと言えます。

一言メモ:「ポケットに収まる理学療法士のようなもの」と紹介されており、日本の理学療法士、福谷氏が開発したポケットセラピストが頭に浮かんできました。

ホームページ:https://www.kaiahealth.com/

 

Hinge Health

創業者:Daniel Perez, Gabriel Mecklenburg

総資金額:2200万ドル

拠点:アメリカ・サンフランシスコ

設立日:2015年

概要:運動・行動のコーチング・教育の3本柱で筋骨格系の痛みを軽減し、手術を回避する。無料のタブレットとウェアラブルセンサー(下図)によって運動をモニタリングされるのが特徴。

一言メモ:シリコンバレー発。2018年4月にJournal of Medical Internet Researchに掲載された、ランダム化対照試験(n=162)でも効果が明らかになりました。詳しくはこちら

ホームページ:https://www.hingehealth.com/

 

Cardihab

創業者:Leonore Ryan, Simon McBride

総資金額:140万ドル

拠点:アジア太平洋(APAC)、オーストラリア

設立日:2016年

概要:患者のスマートフォンアプリを利用し、心臓イベント後の心臓発作のリスクを減らす遠隔患者管理に使用される。Bluetooth対応モニターを介して、患者の歩数や血圧、血糖値など、患者に関するデータを収集するように設計。その後、情報はクラウドにアップロードされ、オンラインポータルからアクセスできる患者の臨床医と共有される。

一言メモ:日本では、理学療法士の萩原氏が代表のPREVENTが心臓リハビリテーションサービスを開発しています。

ホームページ:https://cardihab.com/

 

Augment Therapy

創業者:Lindsay Watson

総資金額:

拠点:アメリカ・オハイオ

設立日:2017年

概要:拡張現実(AR)ベースのビデオゲームで、小児患者を引き付けながら、小児の運動療法のパフォーマンスをサポートおよび強化を行う。子どもたちは、画面上の画像の上に重ねられたデジタルコンテンツとやり取りし、収集されたデータは理学療法士に転送されます。

一言メモ:こちらはまだシード期のスタートアップですが、ピックアップしてみました。代表のリンゼイ・ワトソンは理学療法士です。

ホームページ:https://www.hingehealth.com/


 

RespondWell

総資金額:Zimmer Biomet Holdingsによって非公開で買収(Zimmer Biomet Holdingsは10億ドル)

拠点:アメリカ・ミシガン

設立日:2001年

概要:RespondWellは、もともとMicrosoft Kinectを利用したゲーミファイド理学療法のサービスで、2016年に筋骨格のヘルスケアに焦点を当てた医療機器会社であるZimmerに買収されたことで、遠隔リハビリテーションの機能が追加されています。Sensoria社のスマートソックスとも提携しており、歩行データ等の分析および行動フィードバックも行われます。

スマートソックスには、加速度計、ローカルストレージ、およびBluetoothスマート通信が装備されており、ステップ、繰り返し、アクティビティ、バランス、足底圧などのパラメーターの範囲を測定します。

一言メモ:遠隔リハビリ系のサービスは、ウェアラブルデバイスを利用してどのような身体・行動データを取っていくかがポイントなのかもしれません。

ホームページ:https://www.zimmerbiomet.com/ja

 

MIRA

創業者:Alina Călin, Andrei Cantea, Cosmin Mihaiu, Liviu-Andrei Dascălu

総資金額:170万ポンド

拠点:イギリス・ロンドン

設立日:2012年

概要:物理的および認知的エクササイズゲームが450以上収録されており、在宅でのリハビリテーションが行える。Kinectを使用したモーショントラッキングによって患者の活動を追跡。データは連携する臨床スタッフに送られて管理される。

一言メモ:ゲームによって在宅でのリハビリテーションの継続率の向上を狙った例。POSTでもKinectなどにも利用できるプログラミング言語vvvvを学べる「動きを視覚化するプログラミングワークショップ」も以前開催しましたが、こういったスキルは個々でも色々と応用できそうですね!

ホームページ:www.mirarehab.com/product


 

ジントロニクス

創業者:Daniel Schacter, Justin Tan, Lex Youssef, Mark Evin, Shawn Errunza, Sonny Sung Jun Bae

総資金額:130万ドル

拠点:カナダ・ケベック、モントリオール

設立日:2010年

概要:ゲームを通して患者が運動し、進捗データをセラピスト、医療提供者・ユーザーに提供する。Kinectを利用しモーショントラッキングを行う。

一言メモ:ゲームによって在宅でのリハビリテーションの継続率の向上を狙った例。POSTでもKinectなどにも利用できるプログラミング言語vvvvを学べる「動きを視覚化するプログラミングワークショップ」も以前開催しましたが、こういったスキルは個々でも色々と応用できそうですね!

ホームページ:https://jintronix.com/

 


・リハビリVR

Immersive Rehab

創業者:Isabel Van De Keere

総資金額:15,000ポンド

拠点:イギリス、ロンドン

設立日:2016年

概要:

バーチャルリアリティを使用し、神経リハビリテーションと身体リハビリテーションを組み合わせることにより、機動性と機能の重要な向上を達成し、特に細かい運動機能の改善に焦点を当てている。

ホームページ:https://immersiverehab.com/

 

XRHealth

創業者:Eran Orr

総資金額:800万ドル

拠点:アメリカ・ボストン

設立日:2016年

概要:VR / ARを利用し、認知トレーニング、運動評価、疼痛管理等、健康関連のデータとレジメンの進捗状況の保存と転送、および遠隔治療適応による予防的なリスク管理を行う。患者と医療提供者との間で双方向のライブインタラクションを可能にし、対面訪問の必要性を減らします。

一言メモ:こちらから、上肢リハ、認知訓練、頸部トレーニング、瞑想などそれぞれの目的に合わせたアプリのデモ動画が閲覧できます!

ホームページ:https://immersiverehab.com/

 

mindmaze

創業者:Tej Tadi

総資金額:1,100万ドル

拠点:スイス

設立日:2012年

概要:仮想現実(VR)、脳イメージング、3Dテクノロジーをリアルタイムで組み合わせて、神経リハビリテーション、ゲームトレーニング、3Dイメージング用の新しいプラットフォームを構築。

2017年に発表した自社開発VRデバイス「MASK」は複数の電極が、ユーザーの顔に当たるパッド部分に取り付けてられており、機械学習と生体信号処理による表情認識から感情を読み取れる。顔の筋肉が動くときに発せられる電気インパルスを検出し、アバターに反映させることで、現実とアバターの表情が同期される。

一言メモ:VR機器は、視覚や聴覚を中心に開発が進んできましたが、皮膚感覚フィードバックを得られるということで新しいですね。表情が同期され、視覚、聴覚、触覚等も再現できるようになれば、いよいよ現実と仮想現実の区別がつかなくなる日も近いかもしれません。

ホームページ:https://www.mindmaze.com/

 

BehaVR

創業者:Aaron Gani, Bill Frist

総資金額:100万ドル

拠点:アメリカ南部

設立日:2016年

概要:仮想現実の認知行動療法、マインドフルネス、カスタマイズされた教育および動機付けのコンテンツを使用して、没入型のパーソナライズされた動的な仮想現実体験を提供。慢性疼痛、依存症、不安、うつ病などに利用できる。

一言メモ:"behavior:行動(様式[パターン]"にかけた社名で、上手いなと思いました。

ホームページ:https://behavr.com/

 

KineQuantum

創業者:Lucas Vanryb, Natacha Vanryb, Nathan Toledano

総資金額:100万ユーロ

拠点:フランス・パリ

設立日:2015年

概要:バーチャルリアリティで85を超える評価およびリハビリテーションのエクササイズを提供。同社の患者およびセッション管理ソフトウェアと連携可。

一言メモ:最後のVRはこちら!あなたも展示会などで一度はVRリハビリを体験してみてはいかがでしょうか。

ホームページ:https://www.kinequantum.com/

海外の理学療法系ヘルスケア企業 18選

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