高齢期の身体機能は12週間程度の運動プログラムで改善可能であることが示されたが、骨格筋量の増大を得るために、さらに長期間で高負荷のトレーニングが必要であるかもしれないー。
今月15日、大学院医歯学総合研究科牧迫飛雄馬教授の研究チームが報告した。
▷ https://www.kagoshima-u.ac.jp/topics/2020/05/post-1689.html
鹿児島県垂水市で実施されている垂水研究(たるみず元気プロジェクト)の一環としての取り組みとして、サルコペニアおよびそのリスクを有する高齢者に対する運動の効果を調べた。
運動プログラムは、ゴムバンドを用いた筋力トレーニングのほか、柔軟運動(ストレッチ)、バランストレーニング、有酸素運動を含む多面的な運動プログラムで、運動手帳を見ながら自宅でも実施可能なプログラムとした。
1回60分の運動プログラムを週1回の頻度で12週間参加した運動群36名では、対照群36名に比べて、身体機能(椅子からの立ち上がりなど)の有意な改善が認められた。しかし、大腿部の筋肉量の明らかな増加は認められず、運動群においても筋量の低下を抑制することが可能な程度の効果だった。