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就労支援においてリハビリ専門職は何ができるのか LITALICOワークス高橋さんに聞く

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第348回は就労移行支援事業所「LITALICOワークス」の横浜関内で働く理学療法士の高橋利幸さんのインタビュー。LITALICOワークスは全国82ヶ所に事業所を展開し、障害者の就労支援・雇用支援を行っている。就労支援の実際や課題について見解を寄せてもらった。

専門職としての経験は就労支援に活きる?

 

ー 高橋さんが株式会社LITALICOに転職するまでの経緯を教えてください。

 

高橋:もともと一般病院で働いていたのですが、訪問リハビリテーション部門の担当になってある時、脳梗塞後にお仕事を休まれている利用者さんを担当させていただくことになりました。

 

リハビリを始めた当初は、高次脳機能障害もそこまで重くなく、就労復帰もできるだろうと考えていました。しかし、通勤訓練や実際に会社で働いている場面を評価する必要が出てきて、そうなった時に医療という枠組みでは解決できず、制度上の限界を感じてしまったんですね。

 

私の知識不足もあって、会社へのアプローチの方法なども分からず、結果的に職場復帰ができずに辞めてしまうというケースが2、3件ありました。

 

その経験から、もう少し視野を広げて、社会復帰に関わりたいと思って調べていくうちにLITALICOのことを知りました。

 

ー 実際、LITALICOに入職する前と後で、働き方のイメージに何か違いはありましたか?

 

高橋:いざ飛び込んでみると、思っていたような仕事とは全然違いましたね。

 

対象が身体障害がある方よりも精神疾患の方が多く、家屋評価の経験が職場内の環境を整えるところに活かせると思っていましたが、想像していたより専門的な知識をそのまま発揮する場所は少ないと戸惑いもありました。

 

ただ、職種連携やマネジメントの実質的な考え方はイメージがすごくしやすかったので、そういうところには経験が活きていると思います。

 

あとは、利用者さんとの関わりの中で問題点を抽出したり、ICFに基づいてストレングスポイントを抽出し、統合と解釈をしながらアプローチしていくプロセスは、現場の臨床経験があったからこそすぐに実践できたと感じています。

 

 あくまでも職業訓練の場

 

ー 利用者はどのような経由でLITALICOワークスを知るのでしょうか。

 

高橋:インターネット検索で辿り着く方が一番多いです。あとは、区役所や就労の相談センターなどが、うちを紹介してくださるケースも多いです。

 

ー 実際どんな風に働いているのかイメージしにくいのですが、具体的に高橋さんがこれまで担当したケースをお話しいただけますでしょうか?

 

高橋:専門性を発揮できたという点で印象に残っているのは、心疾患による活動量制限があり、作業によっては労作性の不整脈が出てしまう方がいらっしゃいました。

 

その方は疲れを感じやすく、体調も崩しやすかったので、脈拍や血圧から休憩の目安を設定したり、自分で作業量をコントロールできるようにサポートしました。

 

あとは、進行性の難病の方を就職支援した時に、福祉機器センターでご相談させてもらいながら、ご本人の身体機能を踏まえた職場環境へのアプローチができた時に、専門的な知識発揮できたと思います。

 

利用者の方々との関わり方のイメージとしては、集団リハビリに近いと思います。事業所に通所していただいて、それぞれの机に座って、ビジネスマナーのプログラムを受けている方もいれば、データ入力やタイピングの訓練、就職活動に向けて履歴書の作成を行っている方もいます。一人ひとりのニーズに合わせて、取り組んでいることは様々です。

 

そのなかで、私の位置づけとしてはサービス管理責任者として、一人ひとりの支援計画を作ることです。

 

それに基づいてメンバーさんの訓練の状況や、拠点のスタッフが行っている関わりを確認し、アドバイスなどを行っています。

 

医療と大きく違うのは、あくまでも職業訓練の場なので、「あなたは就職してもOK」とは言ってはいけない立場であることです。

 

ご本人の意思やニーズをもとに一人ひとりにあったプランを考え、訓練や就職に向けたサポートを行っていきます。

 

うまくいくケースとうまくいかないケースの差

 

ー 言語聴覚士の方もスタッフとして働かれてているのですか?

 

高橋:私が知っている中ではLITALICOジュニアで活躍している方がいらっしゃるのは聞いております。

 

LITALICOジュニアには発達障害のお子さんが通っており、言葉をうまく話すことができないお子さんや滑舌が悪いお子さんもいます。

 

口の動き方の状態を評価したり、機能的な問題で喋れていないのか、それとも使い方が悪くて喋れてないのかの判断を必要とする場面もありますので、言語聴覚士の方が活躍できる場面も多いと思います。

 

ー 就労移行支援サービスに対する需要は多いのでしょうか?

 

高橋:今は、就労移行支援事業所が、本当にあちこちにあるので、社会的な認知度がすごく広がってきていて、それに伴いサービス利用者も増えていると思います。

 

ただ、障害者の中で就労復帰を望んでいる対象者の割合から考えると、まだまだサービスが行き渡っているとは言えない状況です。

 

こういった社会資源を知らなくて、うまくいかずに、もがき苦しんでいる方も、まだたくさんいるのだろうと思っています。

 

LITALICOジュニア:発達障害のある幼児から高校生までを対象にした、ソーシャルスキル・学習教室

 

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