全国の作業療法士が行った「自立訓練での支援事例」をまとめた事例集が日本作業療法士協会ホームページにて公開されている。
障害者総合支援法の訓練等給付の中に、障害のある人が自立した日常生活または社会生活ができるよう、 一定期間訓練・支援を行う自立訓練がある。
自立訓練には、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテー ション、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行う機能訓練と、入浴、排せつ及び食事等に関 する自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活等に関する相談及び助言その他の必要な支援を行う生活訓練とがある。
このうち機能訓練には作業療法士の配置が明記されており、その配置状況については当委 員会で継続的に調査を行っているところであるが、事業所数自体が他のサービスに比して少ないこともあり、機能訓練に関わる作業療法士の役割はあまり知られていない。
一方、生活訓練はその対象者の例として、 入所施設・病院を退所・退院した者であって、地域生活への移行を図る上で、生活能力の維持・向上などの 支援が必要な者、と挙げられるように、対象者の生活機能を維持向上させ活動と参加に働きかける作業療法 の機能と合致するところも大きく、少数ながら生活訓練に関与している作業療法士もいる。
そこで今回、医療と福祉の連携や福祉領域への介入意識を高めることを目的に、全国の作業療法士の協力を得て自立訓練での貴重な支援事例を集積整理し、障害福祉領域における作業療法の姿を示した。
・自立訓練施設を経て就労に結び付いた事例 ~「できる」という達成感に着目して~
・ “復職”に向けて、複数の事業所がひとつとなって支援した事例
・活動量が向上し、左股関節の痛みもなく過ごせるようになった事例
・不安軽減したことで、自立通所ができるようになった事例
・高次脳機能障害のある方の安定した地域生活を実現するための支援
・介護から自立にむけて、交通手段を拡大していった事例
・脳卒中後、高次脳機能障害を呈した事例への自動車運転再開支援
・自己理解の深まりや他機関との連携により就労に向けたステップアップが可能となった事例
・活動を通し自己理解を深められた事例
・記憶障害に対し補完手段の定着を図った事例
・働く経験が主観的ウィルビーイングに与える影響
・生活のしづらさを可視化することで、趣味活動の再開や生活範囲の拡がりにつながった事例
▶︎ https://www.jaot.or.jp/files/page/syogaifukushi/jiritsukunren_casestudies.pdf