You Tubeドキュメンタリー番組『マイターニングポイント』(毎日20時放送/全20回)
新型コロナによる混乱の中、医療業界においても暗いニュースが飛び交う昨今。
医療従事者として、臨床やキャリアについて大きく悩んでいる方も多いかと思います。
よりよい医療への礎をつくる。
明るい未来への展望を示唆する。
そういった思いから、今回運動と医学の出版社では12名のプロフェッショナルをお招きして、それぞれの先生が現在の立ち位置に来るまでの軌跡やターニングポイントをお聞きする企画を考えました。
12名のトップランナーの生きた過去、現在、未来を感じることで、皆様にも様々な『気付き・刺激・勇気』を得ることができると思います。全20回にかけて放送されるこの企画を通して、皆様のきっかけを与えることができれば幸甚です。
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上司に『お前の患者が良くなってない』と言われた
福井 昭和大学藤が丘リハビリテーション病院に戻ったのですが、この時既に、(病院には)入谷誠・山口光圀という2人のバケモノがいました。私は、入院班の班長をやることになったのですが、臨床を離れていたこともあり、後輩に聞かれるうちの7割くらいのことは答えられないことが多かったかと思います。
自分も焦りがあって「どうやって自分を高めたらいいのか」と考え、インプットを何かするしかないとと思い、とにかく本を読んでいました。多分、本を読むということに関しては、病院では一番読んでたと思います。
何か新しい本をを自分で見つけてきては「この本を読めば自分が高まるんじゃないか」ということを思うのですが、本を読み終える頃には「そうでもないかな」という、この繰り返しをずっとしていました。それで、当時「ライト・イン・ザ・ミドル」という訳本が出て、当時数ページ読んだところで自分には理解できなかったことがありました。
「この本は読んでもなかなか理解できないな」と思っていた矢先に、自分の上司の山嵜先生に個室に呼び出され、「お前の患者がよくなっていない」とはっきり言われたんですね。
自分でもそう感じていましたし、思うようにいかないなというこの時期がすごくきつかったですね。理学療法士を本気でやめようと思ったこともありました。
そこから開き直って、(中略)自分がこの程度の力なのであれば、(方法を)変えるしかないなと思い、一年くらいほとんど本は読まずに、「自分の中でこれだったら納得がいくんじゃないか」と浮かんだ臨床のアイデアを、ノートに書いていくということをずっとやっていたました。
自分の中で力学や運動学はベースの一つとして、「こうやって動くということはこういうことに違いないよな」と、誰かの考えではなく、自分の中で考えたことを書き溜めていくようなことをしていたんですね。ノートが2冊か3冊か埋まった段階で、先輩を捕まえて2時間か3時間、話を聞いてもらったのですが、「べん(福井先生のあだ名)、これは、すごいぞ」と言われました。
一年くらい経った時にまた上司の山嵜先生に呼び出されて「ここんところ、お前の患者さんよくなっている」とも言われました。
もう一回自分にインプットが必要だと思い、以前理解できなかった「ライト・イン・ザ・ミドル」をもう一回読み始めたのですが、自分の考えとすごく一致するということがたくさん出てきて、2時間くらいで一冊読み終わったんです。多分引っかかるところがなかったんですね。もちろん自分が書いた本じゃありませんので(笑)、自分でもびっくりしました。続けていくことでいいこともあるなと思いました。
自分のしていることを伝えるために生まれた『 疼痛除去テスト』という言葉
成田 2014年の日本整形外科学会、医師もたくさん参加している学会で、自分がシンポジストを頼まれました。この時に自分がやっていることを医師にどうすれば理解してもらえるかということを考えたんですね。
医師に自分がしていることを説明したいと考えたとき、「治療をしている」と言うと、医者は反発するのかなと思って。むしろ評価なんだよと。そのときに考えた言葉が「疼痛除去テスト」なんですよ。
これは治しているんじゃなくて、あくまでも評価ですって、疼痛除去テストという言葉をあそこで作り出したことが自分の方向性、ちゃんと医師と融合してやっていくための"すべ"を考えられました。
もしかしたらあのシンポジウムが、一つのきっかけだったのかなと思っています。
実習中に言われた古澤正道先生の言葉が忘れられない
鈴木 学生の頃はボバース信者みたいな感じだったんですよね。実習も全部、ボバースに力を入れている病院でやらせていただいて、最後に実習指導いただいた学生で、古澤正道先生の概念が、今でも鮮明に覚えています。
「鈴木くん、手先と足先はちょっと違うけど、手関節から足関節までの間は全部繋げて考えることができるんだよ。運動学的に繋げて考えることができるんだよ。」
こういう風に言っていただいたんです。ボバースの概念がずっと頭の中にありながら、卒業してマイオセラピーみたいなものを勉強させていただいて、骨関節を大事にして筋肉の働きを大事にする、動作の流れを勉強していくとずっと自分でやっていました。ボバース法の講習会にも出させていただいて、1年目、2年目と言うのは、全部その月の給料を全て(講習会に)つぎ込むような生活だったんですよね。
僕は治療は一点狙いでやれってよくいうんです。片麻痺の方はいろんな問題点があるけど、問題点は相互に関連性があるからその問題点の一点、ここをやればその問題点もよくなるだけではなくて、周りの問題点も改善してくることがある。それは動作解釈の中でわかってくるというような概念で自分の中で解剖学運動学の理論を使いながら考えていったというのが、まず一つの自分の臨床がよくできるようになったポイントだったと思います。
それからもう一つ。どんな疾患でも治療をした後は絶対変わらなければいけない。これを僕はずっと思っているんです。それが二日後まで続くか、1週間後まで続くかというのは、これはちょっと違う問題であって。
治療してあとで患者さんに「〇〇さんよく変わっていないけど。これ1週間くらい続けてたらよくなりますよ。頑張りましょうね」というようなセラピストいますけど、これはめちゃくちゃ違うと思うんですよね。その時に変えられる。変わらなかったら問題点が違うと思って、もう一度動作解釈をしながらやっているということを繋がっていけているのが、治療の中でのターニングポイントだと思います。
〜 マイターニングポイントとは? ~
全20回、毎日20時に放送される対談ドキュメンタリー番組『マイターニングポイント』!12名のトップランナーの生きた過去、現在、未来を感じることで、皆様にも様々な『気付き・刺激・勇気』を得ることができると思います。
放送期間中、運動と医学の出版社の書籍もしくはDVDのうちお好きなものが1点当たるキャンペーンを実施しています。100名様に当たりますのでぜひご応募ください♪
■応募期間 2020年8月8日(土)20:00 ~ 2020年9月3日(木)24:00