大殿筋歩行はこう治そう!

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皆さんこんにちは。茨城県水戸市で理学療法士をしています、宮嶋佑です。本日は、大殿筋歩行について書きたいと思います。大殿筋歩行は、立脚時に骨盤の前方移動と体幹の伸展が生じる歩行です。このように歩くと、床反力線が股関節の後方を通り、股関節伸展のモーメントが生じるため大殿筋の収縮がなくても歩行できます

 

しかしその分、股関節前方にある腸腰筋や大腿直筋に負荷がかかり疼痛が生じてしまう為、股関節前方に疼痛を訴えている方にとって必ず改善したい跛行になります。

 

基本的には先で述べた通り、”大殿筋の筋力低下”が原因になりますが、大殿筋の筋力が回復してきても以前の歩き方が学習されてしまって、治りにくい方もいます。

 

そこで今回は、私が普段行っている大殿筋歩行の治療について説明します。

 

大殿筋歩行は、

・遊脚期に生じるパターン

・初期接地で生じるパターン

の2つに分けられ、それぞれでアプローチが異なります。

 

1.遊脚期で生じるパターン

遊脚期で生じるパターンは、初期接地する前から体幹の伸展が生じているパターンです。このパターンの多くは、股関節屈曲筋力の低下が原因です。股関節屈曲筋力が低下すると、股関節単独での屈曲運動が生じずに、骨盤~下肢を一塊にして振り出していきます

 

降り出した際には体幹の伸展が伴い、結果的に初期接地の前の段階ですでに体幹の伸展が生じている状態となります。つまり、初期接地の前の遊脚期の段階で大殿筋歩行が始まってしまっていることになります。この場合は、遊脚期から改善していく必要があります。

腸腰筋訓練

股関節屈曲の単関節筋である腸腰筋の訓練を行います。

この際、下腿が床面と平行のまま股関節を屈曲していくと、股関節屈曲単関節筋が収縮しやすいです。スリングを使用したり、セラピストの大腿部で支えたりと方法は様々ですが、下腿部が床面と平行になるように意識しながら股関節屈曲運動を行ってみてください。

 

2.初期接地で生じるパターン

初期接地で生じるパターンは、いわゆる一般的な大殿筋歩行になり、大殿筋の筋力低下が原因であることがほとんどです。よって治療としてはまず、大殿筋の訓練を行います。

大殿筋歩行はこう治そう!

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