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第三話:仕事と家庭、育児との両立の中で、キャリアをどのように形成していくか。

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一般企業の営業職で働き続けることの自分の限界。仕事と家庭との両立の難しさ。

 営業職に転職にて1年が過ぎた頃、まだ独身でしたが30歳を目前として改めて人生を考えた時に、家庭を築きたい、子育てもしたいと感じるようになりました。

 

仕事自体のやりがいはあるものの、毎日10時に帰宅してぐったりして家族に気を遣わせてしまう自分では到底仕事と家庭の両立はできない…。と言うより、私自身がその両立の仕方はしたくないと感じたことが、働き方を考え直したきっかけです。もちろん会社には時短勤務でバリバリ働くママさんもいて、営業MVPとして表彰されるくらい憧れの存在の方もいらっしゃいました。

 

また、キャリアに関して「せっかく上場企業に転職できたのに本当に辞めて良いのか」「馬力のある企業にいた方が、新しいサービスの企画も通りやすいかもしれない」「これほど良い給与は今後ないかも」とも考えました。

 

しかし、1日に注力できる時間の配分、自身の力の配分、家族との配分のバランス、これは時期によっても人によっても違い正解がありませんし、自分で落とし所を見つけて選択するしかありません。私の場合は家庭、子育てにシフトするタイミングだと判断しました。ここは男性と女性では大きく選択肢が異なる部分かもしれません。

 

結果的に現在はまたセラピストとして臨床の現場で働いており、年収も当時より200万円以上減っていますが、生活にかける時間を増やせたことに満足しています。

 

キャリアや家庭、子育てとのバランスを考えた際、自分で何を優先すれば納得できるか考えることが大切だと感じます。また、一緒に過ごす相手(パートナーや両親、子供)にも共有することも大切だと、当時考えてきれていなかった自分に言いたく、反省もしています。最近も日々寝落ちばかりしたり、家族との意思疎通がうまくいかなかったり、まだまだ仕事、家庭、子育ての両立に悩むお年頃です。

 

<ポイント>

・キャリアと生活を天秤にはかけられない。両方とも考え所だけれど、時期によって優先順位や配分が異なる為、節目で自分が納得できる選択肢を考えていく。

 

医療介護業界に戻ってきた理由。医療介護業界で一般職の経験が活かせること。

 営業職の経験の中では、後ろ向きな気持ちの転職者の方が前向きに変わり、新しい職場に挑戦するサポートができた際に嬉しさを感じ、年収が上がったことではやりがいを得られませんでした。生活するにはお金は欠かせないことですので、聞く方によってはとても贅沢な話に感じるかもしれません。

 

しかし全く異なる業種で働くことで、私自身は後ろ向きな誰かの気持ちを受け止め、大切にしたいことを一緒に探しながら前に進むことで笑顔になる所を見たい。誰かの日々の小さな楽しみを一緒に見つけて楽しみたい。と、好きなこと、やりがいに対する価値観が明確になりました。

 

また、生活面では時間を家庭にさきやすく、給与もある程度は確保したいと考えた際に、やはりセラピストとして医療介護業界の臨床の現場に戻ることが適当と考えた次第です。現在は訪問看護ステーションで働いています。

 

 現場に戻ってきて一般職の経験が活かせていることは、業務的には前述したスピード感、クレームや頓挫した時の対応、組織の一員や上司部下としての動き方等です。特に「会社に何を求められているか、今の立ち位置では何ができるか」を以前より考えるようになりました。

 

また質的には、クラインアント自身が一般企業や自営業で働いていた方が圧倒的に多く、仕事をしていた時のエピソードや仕事に対する価値観を共有しやすい点にあります。

 

共感できる点が多いと信頼関係も早く築きやすいです。いずれにしても他業種で働いた経験は臨床でも活かせることが多く、短期間でも学ぶことが多いと実感しています。

 

是非セラピストとして働いている方で、他業界、他業種に挑戦される方がいらしたら後押ししたいです。大変さの先に楽しさが待っています。

 

〈ポイント〉

・経験することで、「自分自身が仕事に対して求めるものや価値観、優先順位」が明確になり、やりたいことの軸が出来ていく。

 

仕事と家庭、育児との両立の中で、キャリアをどのように形成していくか。今後やりたいこと。

 一般職からの転職後はセラピストとして訪問看護ステーションで働き、産休育休を経て、現在は主任として時短勤務で働いています。

 

 

私の場合、子育て中のため実労働時間の制約があります。また頭の中の制約もあると感じています。職場から出た瞬間に家庭のことや子育てのことを考えているからです。これは子育て中の方だけでなく、介護中の方も似た状況かもしれません。

 

そうなると今後の自身がやりたいこと、キャリアを考える時間はどこにあるのでしょうか。今私はタイムマネジメントの課題に直面しています。寝落ちしてしまうし、何も考えずコーヒーを飲みながらドラマをぼーっと見る、一見生産性のない時間も必要です。

 

日々悩みつつも職場と家庭と居場所に分けて考えてみています。

 

 職場に関しては産休育休からの復帰後、しばらくしてから主任に就いています。社内におけるキャリアアップです。漠然と子育て中だから難しいと考えていましたが、内容は事務作業、他スタッフの相談役や他事業所との連携と円滑化を促進する動きとなり、時間が決められていない業務内容となるため、思っていたより時間の配分がしやすいと感じています。

 

また子育てしながら働く上で、職場の理解があることに感謝をしています。それ以上にその理解を得るのに自身の行動も大切ではないかと考えています。

 

具体的には日々から環境整備や業務がやりやすくなる方法を提案したり、他スタッフが困っていたら上司でも部下でも声をかけたり、休みのスタッフのフォローを積極的に行ったりと当たり前のことかもしれませんが、自身が困った際に助け合いができるような関係性作りをすることが大切だと感じています。

 

特に子育てや介護中の方は、相手の変化に気付いて声をかけることに関して、相手の変化や察知する力が無意識についていることが強みだと考えます。家庭に関しては、日々の生活を送りながら、自身が好きなことや興味があることを見つけていく、また楽しんで行っていくことがキャリアに繋がると考えています。

 

キャリアアップよりは、視野の幅や今後の方向性を見定めていくイメージに近いかもしれません。私自身はまだまだ家庭、子供との時間を優先したい気持ちが強い為、場所や時間にとらわれず、個人が出来ることを探したいと漠然と考えています。

 

今後やりたいことは、何かのライフイベントがあって今までのライフバランスが崩れて困っている方に対して、一緒に見直し、前に進む糸口を見つけて送り出していく存在でありたいと考えています。

 

具体的には2つあり、1つ目が第二の人生(仕事のリタイアや子育て終わった方等)を歩もうとされている方へのライフサポートをしたいと考えています。

 

これはまさに両親がその段階に来ているからかもしれません。数年前に終活が流行りましたがが、コロナをはじめ、何があるかわからない時代。どのように最期を迎えたいかを考えつつも、同時に今をどう生きていきたいかをサポートしたいです。

 

2つ目が、女性療法士のキャリアや今後やりたいこと、家庭とのバランスについて悩まれている方に対して、一緒に考え、前に進んで頂くライフサポートをしたいと考えています。

 

転職エージェントとして働く中で、特に女性療法士のキャリアに関しては仕事だけではなく、その背景に家庭の状況や、仕事と家庭とのバランス、タイミングが大きく影響していることを感じました。生活全体を基盤として考えたキャリアのサポートが必要ではないかと考えています。

 

ですので、この記事を通して、悩まれてる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声頂ければと思います。一緒に考え、少し前を進んでいく後押しが出来ましたら、私も大変嬉しいです!お待ちしています。

 

 

【目次】

第一話:一般企業への転職 10社連続で書類審査落選で無職の就活生

第二話:東証一部上場企業の営業職。医療介護業界とのギャップ。クレーム炎上。

第三話:仕事と家庭、育児との両立の中で、キャリアをどのように形成していくか。

 

文:石原 綾乃

 

第三話:仕事と家庭、育児との両立の中で、キャリアをどのように形成していくか。

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