キャリアコンサルタントが徹底サポート

介護現場の人材不足に挑む!CaiTech COO【理学療法士|小川貴也】

7088 posts

第354回のインタビューは、理学療法士資格を持つカイテク株式会社COOの小川貴也先生。介護ワークシェアリングサービス「カイスケ」を立ち上げ、カスタマーサクセス、介護事業所への営業等に携わっている。

 

ワーカーと事業所のマッチングサービス 

 

ー カイスケのサービスについて教えてください。

 

小川 介護、看護、リハ職等の有資格者の介護ワーカー限定で登録することができ、WEB上で介護の仕事を探し、1日・数時間単位から働くことができるサービスです。介護事業所におけるUber Eatsをイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。

 

介護現場における人材不足は、社会問題として取り上げられるほど深刻です。2035年には、おおよそ80万人不足すると言われています。

 

事業所はギリギリのスタッフ人数で回していますので、子供が熱を出してしまったり、急な欠員が出てしまうと運営自体が危うくなるところも珍しくありません。

 

カイスケを使えば、ワーカーが見つかればですが、急な人材ニーズにも対応することが可能です。

 

派遣会社を使うとなると、面談をセッティングして、それからさらに調整をすることになるので、時間がかかってしまいますが、カイスケに登録いただいている有資格者と事業所をマッチングすることで、スポットで人材を確保することができます。

 

介護業界で副業を希望する有資格者は約6割とも言われており、その方達のスキマ時間にも活用いただけます。

 

お試しで働けることでミスマッチを減らす

 

ー 現在、離職している潜在層でも、カイテクのサービスを希望する人けっこういそうですね。

 

小川 はい。現在、働いていない有資格者は100万人いると計算されています。離職理由のトップがライフイベントなのですが、2位は人間関係だと言われています。人間関係を理由に離職している方は、もしかしたら別の事業所であればまた働きたいと思えるかもしれません。

 

我々は、地域単位で介護事業所を支えていけるような世界を目指しています。

 

ー 確かに、就職と聞くとハードルが少し高いですが、1日限定で働けることはミスマッチも減らせそうな気がします。

 

小川 そうですね。就職前の見学や面接だけでは把握できない内部状況も、カイスケでお試しで働くことで見える部分がありますし、そうなると求職者から必然的に選ばれる介護事業所と選ばれない事業所が出てきて、いい意味での競争も生まれてくると思います。

 

実際に、カイスケから採用に至ったケースも既にあります。

 

人材紹介会社を使うと1人雇用するのに100万円以上かかってしまうのが、カイスケを使えば、それよりも安く、事業所にマッチした人材を見つけることができるので、事業所としてのメリットは非常に大きいです。

 

ー けっこう人を雇うにもコストがかかってしまうんですね。

 

小川 あとは、小規模の施設は、何人まで利用者さんを入れられるか上限が決まっていますので、収益にも限りがあります。

 

スタッフ数を多く雇うと、人件費がかかり経営的に苦しくなってしまうので、余剰人員を抱えることが難しいのです。

 

また、スタッフが有休を取りたいと思っても、他のスタッフと日程が重なってしまって調整せざるを得なくなってしまったり、月末の請求時期は管理者が忙しい時に、現場に出ている余裕がなかったりなど、スポットで人手が足りなくなる場面は多いです。

 

ー 人材の流動性が起きるので、教育的な側面でもいいかもしれませんね。

 

小川 仰る通りで、利用していただいているワーカー様や事業所様からも「勉強になりました。」と言ってもらうことも多く、良い化学反応は起きています。

 

事業所が来てもらったワーカーを「お気に入り」できる機能もあり、その仕事ぶりが認められるような仕組みも作っています。

 

人材のミスマッチを減らす効果も

 

ー 働く側としても、新しいところで働くというのはそれなりに不安があると思いますが、それに対して工夫している点はありますか?

 

小川 仕事の詳細情報に1日の流れや利用者の大まかな要介護度、1日の担当人数など細かく掲載していただくようお願いしていて、なるべく働く前にも仕事のイメージが分かるようにしています。

 

ミスマッチを減らすために、事業所側がワーカーに求めるスキルがある場合(デイサービスでの入浴介助経験はあるかなど)は記載してもらうようにしています。

 

ただし、仕事をしてもらった際に、うまく動き方が分からず戸惑ってしまう方も当然いらっしゃいますので、なるべくスムーズに現場に入っていけるように、必ず5分でもいいので指示出ししてもらうよう全事業所にお願いしています。

 

また、オプションのサービスになりますが、認定カイスケワーカー様に新規利用事業所のお仕事を受けていただき、カイスケワーカー用のマニュアルを作成させていただいたりもしています。

 

ー PT・OT・STでもワーカーとして働くことができるんですか?

 

小川 はい。案件は多くないのですが、機能訓練指導員が不足しているというお声をいただくことがあり、PTOT限定の仕事も実際に出ています。

 

【目次】

第一回:介護現場の人材不足に挑む!CaiTech COOの理学療法士

第二回:僕が介護テック「CaiTech」に入社したワケ

 

介護現場の人材不足に挑む!CaiTech COO【理学療法士|小川貴也】

Popular articles

PR

Articles