介護現場において、人材確保・現場の生産性向上は必須であり、国としても重点項目に置かれています。
今回紹介する厚生労働省が作成した「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」には、より良い職場・サービスのために今日からできることとして、業務改善の取り組みを7つに分類し、44の事例をまとめています。
具体的なノウハウが幅広く盛り込まれており、自分の職場の業務改善を実際に進める過程で実務的に活用できるものとなっていますのでぜひ、一読ください。
また、本手引きの制作に携わった、(株)TRAPE CEO・作業療法士の鎌田さんによるウェビナー「介護事業所デジタルトランスフォーメーション入門」も企画していますので、興味のある方はこちらからお申し込みよろしくお願いします!
1.職場環境の整備
【現状】整理・整頓ができていないため、資料を探すにも時間がかかる
【取組】5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を行う
【成果】何がどこにあるか、すぐに把握できるようになる
2.業務の明確化と役割分担
(1)業務全体の流れの再構築
【現状】役割分担やシフトが適切に設定されていないため、職員の負担増やケアの質の低下を招いている。
【取組】作業分析を行い、役割分担の見直しやシフトの組み換えを行う。
【成果】職員それぞれが従事する業務に向き合うことができる。
(2)テクノロジーの活用
【現状】役割分担やシフトが適切に設定されていないため、職員の負担増やケアの質の低下を招いている。
【取組】作業分析を行い、役割分担の見直しやシフトの組み換えを行う。
【成果】職員それぞれが従事する業務に向き合うことができる。
3.手順書の作成
【現状】申し送り事項が決められておらず、人によって異なる引継ぎを行っているために時間がかかっている。
【取組】適切な申し送り事項を検討の上、標準化する。
【成果】申し送り等の時間が短縮。
4.記録・報告様式の工夫
【現状】記録作成時に、何度も転記する必要がある。
【取組】介護記録の電子化を行い、情報の一元管理を行う。
【成果】記録作成の負担が軽減。また、写真や動画を活用した利用者情報の共有が可能。
5.情報共有の工夫
【現状】管理者から現場職員に対してそれぞれ指示しており、タイムリーな指示ができていない。
【取組】インカムを職員に配布して、業務に当たる。
【成果】タイムリーな情報共有ができ、対応が迅速化。
6.OJTの仕組みづくり
【現状】教育担当の職員の教え方にブレが生じ、施設全体で業務の手順やケアの質が一定に保てな い。
【取組】「他職員に対して教える」ことを教育する。
【成果】標準的な手順に則って指導できるリーダーが育成できる。
7.理念・行動指針の徹底
【現状】手順書にないイレギュラーな事態への対応や優先順位が分からない。
【取組】理念・行動指針を全職員に伝え、徹底する。
【成果】イレギュラーな事態に対しても、理念や行動指針に即した判断や行動ができる。