1年間で取得可能だが、膨大な課題量
イギリスのUniversity of Leedsの社会学社会政策学部、障害と開発コース修士課程在籍中の米田裕香です。
日本の総合病院にて理学療法士として3年勤務後、日本国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊理学療法士隊員として西アフリカのガーナで2年5ヶ月間活動しました。
その後、日本で半年ほど病院に勤務し、2015年8月から渡英し同校に在籍しています。
イギリスの大学院修士課程は1年間のプログラムです。
日本の大学院のように研究メインに行っていくコースもありますが、ほとんどが講義や授業を受け、最終学期に修士論文を書き上げるというカリキュラムです。
学ぶべき事が1年間に凝縮されている分、課題の多さは有名です。
イギリスの学士課程は3年のカリキュラムとなっている事が多く、4年目に修士課程で専門分野についての更に深い知識や技術を習得していきます。
修士課程は研究というより、今後研究を行っていくために必要な知識と技術を練習するためのコースだと受け止めています。
上の写真は大学内の図書館です。
合否を左右するのは小論文と大学学部生時代の成績
修士課程に入学するには、日本同様に学士号が必要です。
学士号の関連分野であれば、異なる専攻へ出願する事も可能です。
また入学に関して試験や面接はありません。
後で記述するIELTSのスコア結果と応募書類を提出する(=出願)だけです。
必要書類は、学校や専攻によって異なりますが、一般的に履歴書、小論文、推薦状2通以上、大学卒業証明書、大学成績証明書です。
前述3つは(もちろん)全て英語で、イギリスのフォーマットに沿って作成します。
個人でインターネットもしくは郵送により出願も可能ですが、私は日本の留学サポート会社を利用して出願を代行してもらいました。
ちなみに、合否を左右するのは小論文と大学学部生時代の成績と言われています。学部生時代の成績をスコア化し(GPA)、それが大学の提示するスコアに満たしていないと合格は難しいです。
TOEIC換算で800前後のスコアは必要
英語を母国語とする国の出身、もしくは英語が第一公用語の国で学士号を取得していれば、出願時に英語力を証明する必要はありません。
それ以外の人はIELTSという、一種の国際英語検定を受験し大学が要求するスコアを獲得する事が合格の条件となります。
ただし、合格ラインまで僅かにスコアが足りないという人は、大学院入学前に大学が提供する6週又は10週の英語コースを受講し、最終試験や課題をクリアする事で大学院に入学することもできます。(参考までに、TOEIC換算で800前後のスコアが必要とされています。)
私が留学の準備を始めたのはガーナにいた頃でした。
ですので、英会話教室や語学学校には通うことができず独学でIELTS対策を行いました。
日々の生活でとにかく英語を話す、ListeningとReadingはIELTSの過去問題を解く、WritingはたくさんあるWebサイトを参考に練習を繰り返す、といったように勉強をしていました。
イギリス留学用のIELTS受験料は約4万円。高額なため何度も受験することは厳しいと思います。
早い時期から計画的に対策を始める事がポイントです。
渡航費やVISA申請等諸々あわせると約500万円以上の資金が必要
語学とともに留学費用は早期から準備を進めておく事が大切です。
授業料は年間230万~250万円、 生活費に100~150万円程かかります。
また、渡航費やVISA申請等諸々あわせると約500万円以上の資金が必要となります。
さらにポンド/円の為替変動は激しく、私がイギリスに住んでいる間でも1ポンド180円~210円と振れ幅が大きい現状です。
ですので、ポンド高が進むことも想定し、資金は大目に用意しておく事をお勧めします。
たくさんの貸与型・給付型の奨学金制度が日本国内外に存在するので、早め早めにリサーチし、可能な限り応募を挑戦してみると良いです。
大抵の奨学金制度は、大学院受験前や、合否決定前に締め切りが設定されているので、合格が決まってから探し始めると多くのチャンスを失うことになります。
また、合格後はイギリス滞在用の学生VISA取得や海外旅行保険(留学用)など、具体的な渡航の為の準備が必要となります。
以上、簡単ですが、私の経験を元にイギリス大学院留学の準備についてお話ししました。
留学をお考えの方はぜひ、早期から語学とお金の準備を始めてくださいね。
*目次
【Vol.1】なぜ、日本ではなくイギリスへ? -イギリス留学のための準備-
【Vol.2】
米田裕香先生経歴
経歴
2009年3月金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業
2009年4月石川県芳珠記念病院リハビリテーション室入職
2012年3月退職
2012年6月青年海外協力隊理学療法士隊員としてガーナ派遣
2014年11月任期満了し日本帰国
2015年1月三重県松阪市民病院リハビリテーション室入職
2015年7月退職
2015年9月 University of Leeds, Faculty of Arts, School of Sociology and Social policy, Master of Disability and Global Development 入学。現在、"障害と開発"について就学中。