【厚生労働省】令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

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令和3年度介護報酬改定の主な事項について1月18日、第199回社会保障審議会介護給付費分科会にて発表された。シリーズ第7回目の記事となる今回は通所介護(入浴介助加算部分中心)としていきたい。大枠は以下の通り。

【本日の目次】


・各加算・サービス実態と改定による変化を把握する

① 入浴介助加算
② その他加算(次回)

・改定ポイントを再度整理する
・まとめ

各加算・サービス実態と改定による変化を把握する


① 入浴介助加算

通所介護における実態や課題をまとめていきたい。

・算定率(各加算算定事業所数/各サービス算定事業所数)94.5%
・算定率(各加算算定回数・日数/通所介護算定総回数)71.5%
・利用者個別に入浴介助を提供(49.9%)、複数名同時(49.6%
・同時に入浴介助を行う人数(中央値3人、平均値3.89人、最低1名、最大20名
・入浴介助に係る職員数(中央値3人、平均値3.66人、最低1人、最大35人
・自宅での入浴回数を把握している率(69.7%
・個別機能訓練計画に入浴の計画がない割合(40.7%
・個別機能訓練計画における設定項目には具体的な取組とそうでない内容が混在

実態としてほぼすべての事業所で入浴介助加算の算定を行っている事実が確認できており、2割は実績値で加算の算定を行っていない事実が明らかとなっている。個別・複数名同時の入浴を行う事業所は半々であることが読み取れる。

 

職員数や同時に入浴介助を行う人数については、事業所規模によって差があるために上記のデータが算出されているのではないだろうか。


今回の改定は以下の通り。

入浴介助加算について、利用者の自宅での入浴の自立を図る観点から、以下の見直しを行う。【告示改正】

【ア】
利用者が自宅において、自身又は家族等の介助によって入浴を行うことができるよう、利用者の身体状況や医師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・介護支援専門員等(以下、「医師等」という。)が訪問により把握した利用者宅の浴室の環境を踏まえた個別の入浴計画を作成し、同計画に基づき事業所において個別の入浴介助を行うことを評価する新たな区分を設ける。

【イ】
現行相当の加算区分については、現行の入浴介助加算は多くの事業所で算定されていることを踏まえ、また、新たな加算区分の取組を促進する観点から、評価の見直しを行う。

 

【入浴介助加算単位数】
<現行> 
入浴介助加算50単位/日

<改定後>
入浴介助加算(Ⅰ) 40単位/日
入浴介助加算(Ⅱ) 55単位/日(新設) ※(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可

【算定要件等】
<入浴介助加算(Ⅰ)>(現行の入浴介助加算と同要件)
○ 入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有して、入浴介助を行う。

<入浴介助加算(Ⅱ)>(上記の要件に加えて)

○ 医師等が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価していること。この際、当該居宅の浴室が、当該利用者自身又は家族等の介助により入浴を行うことが難しい環境にある場合は、訪問した医師等が、介護支援専門員・福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具の貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行うこと。

○ 当該事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の居宅を訪問した医師等と連携の下で、当該利用者の身体の状況や訪問により把握した当該居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成すること。

○ 上記の入浴計画に基づき、個浴その他の利用者の居宅の状況に近い環境にて、入浴介助を行うこと。

 

まとめ

以上が入浴介助加算の実態と改定の内容となる。本改訂では、比較的さらっとまとめられている入浴介助の加算であるが、事業所によって影響度が変わる点注意して考えたい。改定の方針は自立に資する、丁寧な介入を行っている事業所は評価する仕組みへと切り替わったことがわかる。

 

ただし、個々の事業所に所属しているスタッフは上記の課題について疑問を持たれた方も多いはずだ。事業所の運営形態によって、抽出されているデータの細かな分析を行わなければ、自事業所の置かれている状態を正しく判断しづらいからである。



入浴をどのように行うかについては、職員の配置について影響のある項目であることから、実態的には通所介護の最も大きな悩みのタネというところかと思う。

 

算定要件のポイントは個別の入浴計画が概ね義務化された(元来の方法では回あたり-10単位の減算)ことである。

 

現実的には、加算Ⅱの取得に当たって

【連携等における時間の確保が可能か?】
【個別計画による介助を行う時間が確保できるか?】

上記2点を考え抜きたいところである。

 

入浴介助は、自立に資する取り組みが多いほど、同時介助が困難になる可能性が高く、介助の時間や人員に余裕が必要になるため環境の設定も複雑化する。一方で清潔に直結する内容でもあり、事業所側の理由で行う、行わない等のコントロールがしづらい側面もあろう。

 

実務的には【入浴場面のみでしか、入浴の自立を促せないのか?】疑う視点が必要で、入浴時に行う訓練と、個別機能訓練で入浴の自立を目指す計画を立てるなど、加算毎に提案・計画できる技量が求められると考える。

 

先に述べたように各事業所によって課題が違うため、具体的な取組については言及しづらいが、

 

【利用者の身体状況や浴室の評価に関する連携をどのように取るのか?】
【入浴の個別計画の立て方】

 

を工夫していかなければ、職員の負担増、報酬減につながる可能性のある改定内容となっているといえる。利用者の居宅でのADL自立度向上と家族の介護負担軽減に、どの部分を強化してリーチしていくのか。加算も取得しつつ、負担も減らし、成果を上げる方法を模索し続ける必要がある。

 

【目次】

第一回:令和3年度介護報酬改定案(概要サマリー)

第二回:令和3年度介護報酬改定案(訪問看護)

第三回:令和3年度介護報酬改定案(訪問リハビリテーション)

第四回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護1)

第五回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護2)

第六回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護3)

第七回:令和3年度介護報酬改定案(通所介護4)

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