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理学療法士(PT)小林義文先生-福井の地からグローバルな視点へ -

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”頭にピカッと電気が灯る”出来事

小林先生2

POSTインタビュアー:理学療法士になろうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

小林先生:きっかけは、私の祖父が傷痍軍人(戦争障がい者)だったこと。祖父は、砲弾貫通により下肢の神経を損傷し、膝関節固定術がしてありました。不自由な足で自転車を漕ぎ、畑に行き、私たち孫の世話を焼いてくれました。

この辺り(福井県)は、若いモンが仕事をして、孫の面倒を祖父母が見るというのが一般的でしたので、子供心にそんな祖父に育ててもらったことに恩を感じていたことがきっかけだったかもしれません。

また、高校の頃、サッカー部の顧問から体育教師を勧められましたが、迷っていた時期に、臨床検査技師をしていた叔父から「理学療法士という職業が、これからだよ」と紹介されたことも大きなきっかけです。

いろいろなきっかけがあって、養成校に入学しまして、実習で行った小児リハの施設でその分野のやりがいを感じて、その施設に就職しました。

POSTインタビュアー:最初の就職先はどちらだったのでしょうか?

小林先生:最初の小児療育センターには2年半ほどお世話になりました。2年目の時に、その頃よく遊んでいた養護学校の先生から、「タイで国際協力をしている日本国際ボランティアセンター(通称JVC)職員が遊びがてらに報告会をするから一緒に食事をしよう。」と誘われました。

晩御飯につられてノコノコ出かけると、バンコクやチェンマイにあるスラム街の子供達を支援する活動が、湯気の向こうに上映されていました。

今思うと当たり前ですが、写真の中に健常児と一緒に這いつくばって遊んでいるCPの子供達の写真がありました。それを見たとき、一瞬息が止まりました。頭にピカッと電気が灯り、「海外支援がしたい!」と思って、すぐに青年海外協力隊に応募しました。

3年目の途中ぐらいでしたから25歳の時に、マレーシア・サバ州というところに派遣されました。犀潟リハビリ学院の学生だった頃、教官が非常に少なかったのか、インド人の先生がいました。

その方には、呼吸や脳卒中患者へのリハなどを教わりましたけども、今思うと適当だったなと思いますね。授業は英語だし半分寝ていたからよく覚えていませんが、夜17時以降はよく遊びに行って会話しました。

教官は、ノルウェーだとかいろいろな国での就労経験があって、その方に色々と世界のリハビリ事情を聞き、強い興味を持っていたことは海外生活になじむのに手助けとなりました。

いろいろなきっかけがあって、養成校に入学しまして、実習で行った小児リハの施設でその分野のやりがいを感じて、その施設に就職しました。

奥さんとは青年海外協力隊で出会い、日本に帰ってきたタイミングで入籍しました。青年海外協力隊から帰ってくると、県庁に挨拶に行かなくてはならなかったのですが、その時に今の職場を紹介されました。

二人とも帰国後も国際協力への興味が衰えず、また、協力隊から帰ってきた頃(1986年ごろ)というのは、中曽根首相がアジアの留学生を呼ぼうという国策がありました。

福井県にも徐々に、留学生が来始めてその方たちの支援なども行っていました。当時はまだ、そのような方々にも差別的な目があったり、私達自身マレーシア語なども忘れたくなかったりという思いで積極的に支援しました。支援というよりは、ほとんど一緒に遊んでいたという思い出です。

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2足、3足のわらじを履いた活動

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インタビュアー:現在の仕事内容を教えて下さい。

小林先生:福井県には県立の病院が一つしかなく、救命救急センターがあるので、最初に来たときは急性期のベッドサイドリハを主に担当していました。

そのほかに最近では、ガンとか周産期、難病の拠点病院として機能しています。難病の患者に対し、時間外で日本ALS協会福井支部を手伝い、意思伝達装置や生活支援を行っています。

一方、心臓リハなどの内部障害に対するリハビリテーションもおこなってきました。いろいろな分野のリハビリテーションを経て今に至ります。

そのほかにも、通常業務外では、奥さんの国際福祉の知識を借りながら海外留学生の支援を行ったり、スポーツ障害に関する支援を行ったりと2足、3足のわらじを履きながら活動しています。残念なことに今年に奥さんを亡くしまして、これから一人でどうやっていこうかなというところです。

<第2回は11月5日に配信します>

 小林 義文 先生

[主な資格]

理学療法士

[主な所属]

福井県立病院 リハビリテーション室

日本 ALS 協会福井支部

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