みんなちがって、みんないい【NPO法人ReMind|河合麻美】

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赤十字病院にて25年間理学療法士(以下PT)として勤務し、みえた医療と地域の壁。自身の子育て経験から感じた育児と仕事の両立の課題。これらの壁や課題を解決するために立ち上げたNPO法人ReMind(リマインド)。スタートは、40日間で107名から得た支援(クラウドファンディング)によって2019年に設立。「みんなちがって、みんないい」というコンセプトのもと様々な“場”、まさにcrowd(クラウド:群衆)の集合場所を提供している。今回は、NPO法人での具体的な活動内容とこれから開始される「1万人アンケート」の詳細を伺った。

イマイ
本日はよろしくお願いします。まずNPO法人について伺います。病院時代に感じた社会課題に対して、横のつながりを作る“場”を提供していると思います。実際に場を提供してみていかがですか?

 

河合さん
よろしくお願いします。当初「“リハビリテーションマインド”を大切に」とはじめたため、リハ職が中心になると想像していました。

 

河合さん
予想に反して正会員106名のうち半数がリハ職で、その他栄養士や心理士、薬剤師、医師など他職種で構成されています。嬉しい広がりを感じておりリハビリテーションマインドを大切にした多職種連携の可能性を感じています。

 

イマイ
茶々を入れるようで申し訳ありませんが、具体的に“リハビリテーションマインド”とはどのようなマインドを指しますか?

 

河合さん
実際に調べてみると決まった定義はなく造語なのですが、「みんなちがって、みんないい」という考えのもとに活動しています。それが名前の由来、Re-mind(=Rehabilitation mind)で「思い出す・気づかせる」という意味を込めています。

 

イマイ
横のつながりをつくるという活動の中で、河合さんの役割は仲介といいますか、仲人になると思います。人と人を結びつける際に生じるギャップへの対応は大変だと思いますが、河合さんはこのギャップにどう向き合っていますか?

 

河合さん
ReMindが大切にしている考え方の一つに、ソーシャルファミリーという考えがあります。つまり、社会が家族ということです。家庭内や会社内の近いコミュニティでは言いにくい悩みを発言できる場を担っています。

 

河合さん
もちろん相性もあると思いますが「みんなちがって、みんないい」という点で、個性を大切にしたいと思っています。ReMindの中がダイバーシティになるといいなと思っています。

 

イマイ
ダイバーシティというと多様性への理解が重要だと私は考えていますが、悩みや不満、不安の吐露には対立構造が存在するように感じます。つまり、人なり物なり制度なりを批判して自分の意見を肯定することになりますが、そうなると多様化とは離れていく場合もあります。実際に活動される中で、そのような意見の対立は起こったりしますか?

 

河合さん
あります。以前オンライン健康居酒屋というイベントで、あるテーマについて話していた際に、情報を知らないが故の意見の対立が起こっていました。そのあと理事と話し合い、意見をぶつけ合う部屋とただ人の話に耳を傾ける部屋に分けようという結論に至りました。

 

イマイ
自身のことを理解する意味では、重要な住み分けかもしれないですね。その点、現在河合さんが企画されている1万人アンケート(​​1万人ママの声を聞かせてプロジェクト)は、自身の考えと現状とのギャップを知る良い機会なのではないかと考えていますが、どのような目的のアンケートでしょうか?

 

河合さん
この間のリハ小委員会*で産後のマイナートラブルに関して、田村議員(前厚生労働大臣)が「尿失禁がある人は普段どうしているのですか?」と質問してくださいました。「対応できる医療機関は非常に少ないです」とお答えすると「それは早急に対応すべきですね」とお話いただきました。

*リハ小委員会第四回リハビリテーションに関する小委員会(委員長 小川かつみ参議院議員):マタニティヘルス 

河合さん
この点で、まだまだ産後のマイナートラブルに関する認識が広がっていないと感じました。そこで今回のアンケートとなります。

 

イマイ
もう少し具体的にアンケートの内容や目的、着地点などを教えていただけますか?

 

河合さん
始まりは小委員会で、ReMindのPT山崎愛美先生が女性のマイナートラブルに関する現状と対応方法の具体例をお話いただきました。

 

河合さん
その中で、産後の身体的な問題と精神的な問題があることはわかっていましたが、それらの関連性とトラブルによる女性の社会的損失という点で、データがないことが課題となりました。

 

河合さん
私も4人の子供を出産した経験からわかるのですが、ママは子供のことに精一杯で自分の心身に対して気遣っている場合ではない、と思ってしまう傾向にあります。

 

イマイ
私が整形クリニックで外来を対応していた際にも、腰痛の診断で産後の方が受診された記憶があります。でも、それは少数なんですね。

 

河合さん
そうです。ある意味、「出産したんだから当たり前だよね」という理解になっている面もあると思います。

 

イマイ
スポーツ選手における「ケガはあって当たり前」のようなことですね。

 

河合さん
そうです。さらに、最近出産された方の母子手帳を拝見しましたが、私が出産した時と全く変わっていないことに驚きました。つまり、産後の定期検診ですら身体的トラブルのアセスメントがないということです。

 

河合さん
この定期検診で身体的な問題に対して、医師から「対処した方がいいですね」と言われるだけで、自分の心身に気遣うことができると思います。

 

イマイ
確かにそうですね。するとアンケートの着地点はどこになりますか?

 

河合さん
今回は学術的なものではなく、国への要望書作成のために行います。着地点は、先ほど話した母子手帳の産後健診時に母体の身体的トラブルのアセスメント記入欄を作ることになります。

 

河合さん
その中でメインは「身体的トラブルと精神的トラブルの関連性」についてのデータが重要となります。

 

イマイ
これまでの話で母子手帳内に身体的トラブルのアセスメントが加わる重要性がわかりました。ここから、保険適用への道は遠く険しいかもしれませんが、整形外科的疾患であれば保険適応となりますから、まずは産後の身体的トラブルは何かしらの対処が必要であることの認知が広がることが重要ですね。

 

河合さん
そうですね。ぜひ皆さんのご協力で1万人の回答をいただきたいと思っています。アンケートの詳細はこちらをご覧ください。 

 

イマイ
以下よりアンケートに回答できますので、ぜひ拡散にご協力をお願いいたします。河合さん本日はお時間いただき誠にありがとうございました。

 

河合さん
こちらこそ、ありがとうございました。 

 

我々療法士の仕事は、担当患者さんの人生に関わる仕事であると言えます。加えて、今回のようなアンケート調査で自身の経験を伝えるということも、リハビリテーションの一環であるとも言えます。自分の経験談が、誰かの人生を助けることにつながる。また、自分の経験談で世の中を変えられる可能性がある。今回のアンケートはそのような意味を持つものなのだと思います。ぜひ、皆様の声をお聞かせください。

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