疾患や障害を負い揺れ動く感情~アンビバレンスとは~

  • Xで共有
19094 posts

急に病気になったり障害を負ったときの反応、アンビバレンスについて書きます。

感情とは

対極の感情で揺れ動くアンビバレンスを語る前に、まず感情について整理します。感情とは急速に起こり、短い時間で終わるものと定義されています。一方長期的に続くものを気分と呼んでいます。感情は思考や意思決定を行う機能を司っており、認知や行動についても影響を及ぼします。例えばポジティヴな感情でいる時には、ポジティヴな出来事を記憶しやすくなります※1。

 

そのような前提を踏まえて、アンビバレンスについて深めていきます。

※1 Bower,G.H.が提唱した『気分一致効果』と呼ばれています。

 

アンビバレンス

精神科領域で出てくる言葉で両価性とも言います。人間は様々な感情を経験しますが、愛憎感情のような2つの対立した感情が同じ時期に存在する時にアンビバレンスな状態だと言います。

 

例えば『憎いけど愛している』とか、『好きでもあるし嫌いでもある』、というような感情のことです。形容詞形の『アンビバレント』は某アイドルグループの楽曲タイトルにも使用されていて、一般にも広まりつつある心理学用語になっています。

 

アンビバレンスの語源はドイツ語の『ambivalenz(アンビヴァレンツ)』に由来しています。意味は「両面価値」や「両価性」、または「両価感情」のように訳されています。また精神疾患の代表格ともいえる、統合失調症にも関係しています。

 

スイスの精神医学者Bleuler E(ブロイラー)が統合失調症の基本症状を、

・連合弛緩(loosening of association)

・感情鈍麻(flattening of affect)

・自閉(autism)

・両価性(ambivalence アンビバレンス)

という『4つのA』と定義しました。統合失調症におけるアンビバレンスとは、相反する感情が対立したままで決定不能に陥るという特徴のことを指しています。

 

リハビリテーションにおけるアンビバレンス

  • Xで共有
Xでもチェック!!
@POSTwebmedia
疾患や障害を負い揺れ動く感情~アンビバレンスとは~

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます

脆弱性ある慢性疼痛患者グループー経済格差と疼痛医学ー

本日は、疼痛医療の格差を受けやすいと言われている『脆弱性ある患者グループ』についてご紹介したいと思います。

脆弱性ある慢性疼痛患者グループー経済格差と疼痛医学ー
えばらロペスひろゆき 6,711 views
理学療法士整形外科リハビリ
Premium

言語療育で使える!お薦めアナログゲーム

小児の言語療育で使われる教材の1つに、アナログゲームがある。アナログゲームは集団の場で使われるイメージだが、実は、1対1の個別療育の場でも効果的に使うことができる。使い方次第では、言葉、やりとり、行動調整などを、ゲームを通して楽しみながら学習できるのだ。今回は、筆者の個人の見解ではあるが、個別療育に使えるゲームを紹介してみたいと思う。

言語療育で使える!お薦めアナログゲーム
三輪 桃子 7,359 views
精神科
Membership

【東京大学】精神神経疾患の病態を解析するための脳 MRI 計測・解析プロトコルを 国内 13 施設で統一

【東京大学】精神神経疾患の病態を解析するための脳 MRI 計測・解析プロトコルを 国内 13 施設で統一
POST編集部 5,391 views
医療ニュース精神科EBM

【SPOT Writer】心理社会的要因とリハビリでの対応~『心理のせいで痛いのか?』問題について~

痛みの心理社会的要因。本日は心理状態を掘り下げます。不安や恐怖や抑うつって痛みに何に関係するのでしょうか。また心理状態から痛みは起こるのでしょうか?

【SPOT Writer】心理社会的要因とリハビリでの対応~『心理のせいで痛いのか?』問題について~
えばらロペスひろゆき 5,349 views
理学療法士作業療法士整形外科
Premium

Popular articles

PR

Articles

広告掲載のお申し込み