【PT協会長選挙】立候補者3名の想いはPTに届いたのか|Twitterアンケート

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10日より始まったPT協会会長選挙を受け、13日立候補者3名による公開討論会が行われた。

協会では“ナニカ”が起こっている

当日は事前に理学療法士(PT)協会員より募った内容をもとに討論会を進行。おもに立候補理由、組織率の現状と対策、認定・専門の未来図、協会運営のあり方を各候補者が語った。POSTでは、公開討論会の開催前後で「もし会長選挙に投票(実際には代議員のみ選挙権がある)できるとしたら誰に投票するか?」という趣旨のアンケートを行った。結果については、以下に挙げたとおりであり、各個人がこの結果について考えていただきたい。

 

討論会の振り返りや立候補者3名の発言を切り取ると、今回の開催規定に幾分引っかかるため避ける。幾つか、一協会員として伝えたいことを綴る。まず前提として、今回の討論会に立候補者が参加する利点はあったのか。3名ともに利点はあったが、マイナス要素がそれを上回っていたと思う。理由は、現会長の任期1期目終了後に選挙が行われたこと。1期目は選挙が行われていない(立候補者1名のため)。

 

その後、2年間の任期満了後に現副会長が立候補したことから、内部で“ナニカ”が起こっていると予想できるだろう。この“ナニカ”にプラスの要素はない。討論会となれば、“ナニカ”が表面化する。つまり開催時点で、マイナス要素が多かったと思う。ただし、「参加しない」選択は最も大きなマイナスだった。特にこのマイナス要素は3人が平等ではない。その点において、選択肢はなかったかもしれない。この前提は、とても重要であると私は考える。

 

もう一つ、この討論会は歴史が動いた日だったと思う。今後同様の状況下では、開催がスタンダードになるかもしれない。スタンダードとなれば、協会組織の透明化が大きく前進する。これは想像以上に大きな一歩だろう。今回の討論会において、協会運営に対して民間企業が介入することのメリットを会員のみならず、有資格者全体が感じたのではないだろうか。私はこの透明性に対して「記者クラブの設置」を提案したい。記者クラブの設置が、民間企業の協会運営介入の糸口となる。ここが一つ、組織率低下対策に寄与できると考える。

地方分権という名の丸投げ施策

今回の、討論会で立候補者から協会運営における課題と対応策が語られた。具体的な発言は少なかったように感じるが、原因の一つは協会の担う重責があまりにも多すぎるということ。現状の課題に対して、執行部の人数では賄いきれない。当然その影響を最も受けるのが、協会事務ほか現場の人間だろう。その点に関して、地方分権の対策について“丸投げ”は困る。地方分権においても、中央集権的なトップ統制は必須である。トップ統制においては、やはり会長の手腕が試される。討論会の中で“手腕”の片鱗を垣間みる言動が聞ければ良かったが…。ただ会長としての手腕は、執行部全員の意見を参考にしたいところ。三者三様の手腕があるに違いない。

 

地方分権的な権限等の移行は徐々に進めるべき案件であり、慎重かつ大胆な実行でなければ業務負担だけが増える。よくある例は、各々に権限移行した結果、中央の承認作業が増え結果的に業務負担が増える。例えば、各部署が決定した案件において中央への報告は必須となる。報告に必要な資料を、作成する手間が増える。ようやく完成した資料について、説明責任を問われ何度も修正を繰り返した結果、却下され徒労感のみ残る。あくまでも、よく聞く例である。地方分権を行なっているつもりが、結果的に中央集権的施策を強調していることになる。

 

地方分権といえど、どこまでを自由裁量とするのか。これを決定するのがトップの仕事であり、多少強引に事を進めなければいけないのも事実。このバランス感覚を身につけていくには、時間が必要なのではないだろうか。

誰がなっても困難な協会運営

16年ぶりの会長選挙となった今回、16年前の今と少し状況が似ているようにも感じる。7期14年の任期(1989-2003)を務めた奈良勲氏の後、立候補者2名の会長選の末、中屋久長氏が2期4年の任期(2003-2007)を務めた。その2007年に再度選挙が行われ、半田一登氏が当選。7期14年の任期(2007-2021)を務めた。2021年より現会長が誕生した。

 

当時の状況は全くわからないが(当時を知る人物に話を聞いたが意見の偏りを感じた)、長期任期後の協会運営は、非常に困難なのだろうと予想できる。その意味において、誰がなっても困難な状況であると言える。さらに毎年会員規模が増えていく組織において、その難易度は年々高まる。組織率の維持向上においても討論会で語られていたが、10年前と比べても別次元の難易度である。

 

以上のように、どこを切り取っても現協会の運営は茨の道。我々会員としては「誰に会長をやって欲しい」という願望はさておき「誰がなっても協力する」と、決意するほかないのかもしれない。私は、誰が会長になっても改めて取材を申し込み、不透明な手腕や人柄を読者にお届けしたいと思う。つまり、それ以上の気概がないということでもあるのだがー。

作成:今井俊太 

公開討論会前のアンケート結果

公開討論会後のアンケート結果 

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