令和4年10月、医療分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じたサービスの効率化・質の向上を実現するために、内閣に「医療DX推進本部」(本部長:岸田総理)を新設した。背景には医療の効率化、質の向上含めた健康寿命の延伸がある。先駆けて行われているマイナポータルの活用、電子カルテの標準化の他、医療・介護のビッグデータ分析が勧められている。その中で、健康寿命の延伸に寄与するリハのDXはいまだ明文化されていない。そこで今回、いち早くリハのDX化に取り組むデジリハに「リハビリDX化の課題と対策」について理学療法士であり株式会社デジリハでゼネラルマネージャー仲村佳奈子氏に話を伺った。
リハのDX化でリハの質を高める
よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
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— POSTリハビリメディア (@POSTwebmedia) August 28, 2023
リハのDX化で療法士の仕事が奪われると聞きます。中でも評価、アプローチに関するDX化についてご意見をお聞かせください。
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実際にデジタルを導入すると、リハビリがどう変わるかという点については、いくつかメリットがあります。例えば、データ分析によって、リハビリの効果をより明確に把握できるようになります。
デジタルツールというのは多種多様で、特にデジリハでは評価やアプローチの面でも大きな変化があります。たとえば、患者さんが訓練中に特定の対象に触れると、それが動き、モチベーションが上がるような工夫があります。
療法士からよく話を聞くのですが、以前は患者さんのモチベーションを上げることが治療の中でも大きな課題でした。しかし、デジリハを導入すると、患者さん自身が積極的にリハビリを行いたくなるような環境が作れます。この仕事をデジタルに置き換えることで他の重要な仕事に療法士が集中できるようになります。
デジリハを使用することで、評価やアプローチは療法士が引き続き行いますが、環境そのものがデジタル化され、多角的な評価が容易になります。たとえば、センサーを通じて患者さんの動きや変化が可視化・数値化できるという点などです。
人がやるべきところと、デジタルがやるべきところを明確に理解することが重要と考えます。人がやると質が下がる部分はデジタルが、人ではないと質が保てない部分は人が担当すれば、全体の質が向上します。
例えば子どもの場合、何度も同じ遊びを繰り返し行うことを好むことが多いです。その過程が学習には重要なのですが、そういった際にデジタルツールは常に一定の反応を提供できます。例えば「すごいね!」というようなポジティブなフィードバックも、人の場合は何度も新鮮に同じ反応を繰り返すのは難しいですが、デジタルツールはその点で優れています。
リハのDX化とともに変わる思想
「どう使ったらいいのか」という質問をよく受けます。私たちは疾患名や障害名ごとではなく、リハビリの目的に合わせてデジリハを使う方法を提案しています。その際に思うのが、リハビリを行う上で明確な目的を持っている療法士の方々は、すぐにツールを使いこなせるということです。
デジタル技術は日進月歩ですから、自分のスキルセットを常に評価し、どうデジタルツールを取り入れるか考え続ける必要があります。その方が、長期的に見てもプレゼンスを保てると思います。
そうです、資格や専門性に関わらず子ども達の反応の変化を細かく見ている保育士さんなどは、デジリハを非常にうまく使います。療法士さんでも、機能にのみ焦点を当ててしまう方の場合は、使い方に難渋されることもありますね。
私も理学療法士なのでその懸念は理解できます。しかし、デジタルツールはセミオーダーメイドなサービスを提供するのが得意です。例えば、センサーの感度やオブジェクトの色、大きさなどを瞬時に変更できます。これは現実世界では難しい調整です。装具などのオーダーメイド製品は時間と費用がかかる一方で、デジタルは設定を瞬時に変更できるという利点がありますね。
はい、まずはオンラインで詳細の説明やヒアリングを行い、状況に応じて無料体験を提案しています。
非常に重要です。現場や患者さんの層によっても、デジリハがどれだけ適用可能かは変わってきます。デジリハには多くのカスタマイズ機能があるので、多様なニーズに対応できるようにしています。しかし、あらゆるツールはすべての人に合うわけではありません。好き嫌いや世界観によっても適用性が変わることがあります。そのような点も含めて、実際に触れていただくことでより詳しく理解できると思います。
一つは診療報酬の問題です。デジリハをはじめ、多くのデジタルツールは、現在は加算が取れません。施設側の負担となるため、上層部の了解が必要です。
「発達障害の子に使えるアプリはなんですか?」といったような、疾患名等にあわせた「How to」は非常に要望が多いですが、一人一人の特性が違うため一概には言えません。そこで「デジリハACADEMY」というユーザーコミュニティを設立する予定です。ここで、上手くデジリハを活用しているユーザーの知見を共有します。
はい。デジリハの応用的な活用方法など、非ユーザーには理解しづらい内容もあるため、ユーザー限定の共有場になります。先駆けて導入いただいたユーザーの活用事例によって我々も学ぶことが多く、そういった事例を多く集めた場を提供します。
デジリハは主に障害児へのリハビリに焦点を当てています。今後は特別支援学校や就労支援施設など、ライフステージに合わせて多様な場所での利用を考えています。また、アプリのデータ管理機能の強化や、アジア、特にインドでの展開も視野に入れています。
確かに、医療のシステムがまだ整っていない場所も多いです。一方で、先進的な医療機関もあり、その格差を埋めるためにもデジリハが役立てられればと考えています。
JICA(海外協力隊)の出身として、途上国における状況や問題にも熟知しています。デジリハを使って、医療者がいない場所でも一定のクオリティのリハビリを提供できるようにすることが、私の個人的な目標でもあります。
こちらこそ、ありがとうございました。
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