31日自由民主党本部にて「予算・税制等に関する政策懇談会」が開催され、理学療法士協会は2024年度予算・税制改正に関する要望書を提出した。今回は要望書の概要を以下にまとめた。
Ⅰ要望項目の概要(予算・一般政策に関する要望)
1,医療・介護・福祉専門職の処遇改善
1)トリプル改定における異次元の改定率とリハビリテーション分野のプラス改定の実現
2)処遇改善・賃上げの確実な実施
3)看護職員等処遇改善事業補助金の対象施設の拡大とリハビリテーション専門職への確実な配分および予算の恒久化
4)医療-介護福祉間の処遇格差の改善
2,地域包括ケアシステムの構築
1)地域医療構想の実現に向けた医療提供体制に関する評価・分析
2)医療関係資格(理学療法士)におけるマイナンバー制度活用
3)地域の実情に応じた介護サービス提供体制の整備及び介護人材の確保支援
4)地域づくりの加速化のための市町村に対する伴走的支援の実施
3,健康づくり・予防・重症化予防、認知症施策の推進
1)運動型健康増進施設における「健康運動指導士又はこれと同等以上(登録理学療法士取得者)の能力を有すると認める者」の確保の推進
2)高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の推進
4,産後ケア事業の実施体制の強化
1)母子保健における妊産婦支援で理学療法士による運動器症状の相談支援を実施するための予算の確保
5,多様な人材の就労・社会参加の促進
1)高齢者・障害者の雇入れ等の支援
2)高齢者の就労による社会参加の促進
3)地域における障害者就業支援の促進
4)労働災害防止に資する運動指導の実施等の支援
6,障害者支援の促進
1)障害福祉サービス事業所における人材確保
2)地域における障害児支援体制の強化、及び医療的ケア児等への支援の充実
7,切れ目ない支援体制構築にむけた特別支援教育の充実(発達障害のある児童生徒等に対する支援)
1)特別支援学校幼稚部教育要領、小学部・中学部・高等部学習指導要領における専門家の配置・派遣に関する要望
8,運動器検診の事後措置における理学療法士の活用
1)学校現場における運動器の問題の早期発見と予防策の導入強化のための支援体制の推進。
9,スポーツを通じた健康長寿社会・共生社会の実現
1)地域におけるスポーツ・医療・福祉・教育等の連携体制の整備促進
2)障害者スポーツセンター等の機能強化、及び障害者スポーツ人材養成研修事業の推進
3)多くの国民が、ライフパフォーマンスの向上を目指し、多様なコンディショニングを気軽に行える環境の整備
10,国民に提供されるサービスの質の担保
1)予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備
2)理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則改正の確実な実行
3)職能団体と連携した法定研修・告示研修の整備
11,厚生労働省等の関係省庁内にリハビリテーション担当組織創設準備室の設置
1)リハビリテーション専門職の関わりが欠かせない障害のある児童や成人、高齢者のための施策をより総合的かつ強力に推進するための組織創設準備室の設置。
Ⅱ要望項目の概要(税制に関する要望 )
1,消費税の時限的減税
経済的・健康的な困難を抱える国民の生活を守るための消費税の時限的減税を要望。
2,医療・介護・福祉施設における水道光熱費の非課税化
施設の経営に影響を及ぼす水道光熱費の高騰に対する非課税化を求める。
3,医療費控除の対象となる健康増進サービスの拡大
健康サービスを受けた場合の医療費控除の対象拡大を要望。
4,送迎車両の自動車税等の減免
福祉車両と同様の用途で使用する車両に対する税制の優遇を求める。
5,福祉用具等における消費税非課税の対象拡大
消費税非課税の対象となる福祉用具の範囲を拡大することを要望。
6,リハビリテーション専門職の副業・兼業を実施している病院等への税制優遇
副業・兼業を推進するための税制優遇を要望。
7,医療・介護専門職種が受ける研修・自己研鑽費用に関する税制優遇の導入
医療・介護専門職の研修や自己研鑽にかかる費用の税制優遇を求める。
要望書▶︎https://www.japanpt.or.jp/info/asset/pdf/pdf_yobosyo_compressed.pdf