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飛信隊キャリア理論のススメ【行政で働く理学療法士|穴田周吾】

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理学療法士としてのキャリアを築くことは、挑戦とチャンスの連続です。しかし、その道をどのように進めば良いのか、多くの人が悩むところではないでしょうか。今回のインタビューでは、中央省庁で医療政策に携わる穴田周吾さんが語る「飛信隊キャリア理論」をご紹介します。彼のユニークなキャリアパスと、そこで得た貴重な洞察は、理学療法士としての新たな可能性を見出す手助けとなるでしょう。これからの時代に求められる戦略的なキャリア形成について、一緒に学んでみませんか? 

輪違
こんにちは、今日はお越しいただきありがとうございます。

 

穴田さん:
こんにちは、こちらこそお招きいただきありがとうございます。

 

輪違
何年か前、4年くらい前にPOSTにも出演していただきましたね。そのときは多くの方が興味を持ってくださいました。あれから4年経ち、また穴田さんにいろいろお話を伺いたくてお時間をいただきました。初めての方もいらっしゃると思うので、簡単に自己紹介をお願いできますか?

 

穴田さん:
まずは、以前の記事で取り上げていただきありがとうございました。その後、医療政策の本をまとめてみましたが、あまり反響がなく再現性に不安があります。皆さんに見ていただきたいというメッセージです。自己紹介ですが、穴田周吾と申します。

 

穴田さん:
出身は富山で、地元に1校しかない専門学校に落ちたため、学力も素行も良くなかったため、商業高校を経て大阪の保健大学に進学し、そこで理学療法士として働くようになりました。

 

穴田さん:
民間の病院に就職し、病院や老健施設、デイサービスの立ち上げ、訪問看護、地域ケア会議、住民主体の体操教室など、地域リハビリに取り組んできました。診療報酬や介護報酬の重要性に気づき、さらに楽しさを感じるようになったので、病院コンサルタントを目指すようになりました。

 

穴田さん:
そこからコツコツと神戸大学の科目履修をしたり、経営学の大学院に進学したりしました。このあたりがPOSTに取り上げられ、無事にその後病院コンサルタントのファームに行くことができました。

 

穴田さん:
病院コンサルタントのファームではDPCデータの分析や公立病院の経営強化プランの作成をしていました。今年5月から中央省庁で医療政策や医療DX関連の業務に携わっています。今日はよろしくお願いします。

 

輪違
よろしくお願いします。就職してからいろいろな経験をされてきたんですね。基本的には病院や立ち上げなども含まれていますよね。

 

穴田さん:
そうですね。期間はどうしても短くなりますが、一般的な病院や診療所、バイトも含めて多くの経験を積んできました。クリニックのバイトを2カ所、老健施設を3カ所、有料老人ホームも企業で働いてきましたので、広く浅くコンテンツを見てきました。

 

輪違
そのキャリアは偶然だったのか、それとも最初から戦略的に計画していたのでしょうか?

 

穴田さん:
感覚的には戦略的に狙っていましたが、もちろん運もありました。

 

輪違
最終的なビジョンやゴールはどんなところですか?

 

穴田さん:
現在地から目標を設定するなら、私は医療政策や介護の政策、病院や施設の経営に興味があります。これができる業務をするために、コンサルやシンクタンク、行政、研究者などのキャリアを考えています。

 

輪違
今は行政にいるんですよね?

 

穴田さん:
はい、30歳の上限がなくなったので、行政にも行けるようになりました。

 

輪違
POSTで穴田さんと一緒に登壇してくれるリアル臨床についてですが、キャリア3.0時代の話をします。将来を見据えた戦略的な学習がキャリア3.0の特徴らしいのですが、穴田さんがまさにその例ですね。

 

輪違
コンサルに入りたいという相談もよく受けるのですが、普通に難しいと思ってしまいます。重要な要素について教えていただけますか?

 

穴田さん:
重要な要素は3つあります。学歴、職歴、そして本人の熱意や気質です。学歴は分かりやすく、職歴も次の転職に影響します。熱意や気質は面接で見せることが重要です。

 

輪違
私も知っている医療系の企業に「こういう理学療法士がいるんですけどどうですか?」と紹介する際、大学名を言っただけで書類すら出させてもらえないケースがありました。

 

穴田さん:
私もPOSTのインタビューの後、エージェントに頼んでみたのですが、「MARCH以上の学歴でないと出すな」と言われました。経営学修士を取っても、院の学力が高くなく、学部も良くないのでコンサルやシンクタンクは無理だと。現実は厳しいです。

 

穴田さん:
そこで私と森田君が考えた持論があります。「飛信隊キャリア理論」と名付けています。これは『キングダム』の例で、学歴が良い人たちは新卒でチャンスをもらえる王族的な存在です。書類選考でも戦えるので、ポテンシャル採用のチャンスがあります。

 

穴田さん:
しかし、私のようにそのチャンスがない人たちは、ビビるほどの熱意を見せて、ワークライフバランスを壊してでも実績を積んでいく必要があります。大企業に行きたいなら、1、2段階の転職を前提にして、大学院に行くなどして準備をすることが大切です。

 

穴田さん:
最初から百人将は無理でも、伍長になって三十人将、そして百人将とキャリアを段階的に積み上げることで、例えばメガベンチャーに30歳で入ることも可能です。諦めずに準備することが大切です。

 

輪違
転職のキャリアサポートをしていると、25歳くらいだとポテンシャルで転職しやすいですが、30歳くらいになると難しくなることがあります。

 

輪違
例えば、高い給料をもらっているセラピストが30歳で転職したいと言っても、次の転職先で同じ給料をもらうのは難しいです。職歴を見ても、中身が薄い場合が多いです。

 

穴田さん:
同意します。インセンティブで収入が高い状態や、福利厚生が良い公立病院にいると、民間企業に転職する際に給料が下がることがあります。待遇が良いと転職のハードルが上がることもあります。

 

輪違
その人たちの未来がまだ見えていないということですね。この業界はまだ若いので、20年後にその30歳の人が50歳になったときにどうなるかが分かると思います。

 

輪違
一般企業に行きたいという人が多いですが、給料は下がるのでしょうか?

 

穴田さん:
上がる企業に行ける人は学歴が良い場合が多いです。少なくとも大学病院や訪問看護のインセンティブがあるところであれば、最初は給料が下がることが多いです。スタッフレベルで500万円以上もらっている場合は、給料が下がるリスクがあります。

 

輪違
職務経歴書を書く際、理学療法士は不利な部分がありますね。

 

穴田さん:
そうですね。職務経歴書を書く際、自分の職務経歴をしっかりと棚卸しし、行きたい企業や業界に合わせて経歴をまとめることが重要です。

 

穴田さん:
例えば、褥瘡の改善プロジェクトを経験したなら、その実績を具体的にまとめ、応募する企業に合わせて伝えることが大切です。

 

輪違
その通りですね。

 

穴田さん:
コンサルやシンクタンクに行きたいなら、その企業の特性やプロジェクトに合わせて職務経歴をまとめることが大切です。逆算して準備することで、成功率を上げることができます。

 

輪違
具体的にどのように逆算して準備されたのですか?

 

穴田さん:
例えば、病院コンサルを目指すなら、まずは学歴や職歴を確認し、必要な資格や知識を取得します。面接では差別化を図り、熱意を見せることで入社のチャンスを得ることができました。

 

輪違
なるほど、具体的な準備が重要ですね。

 

穴田さん:
はい、具体的な準備と熱意が重要です。職務経歴書も企業に合わせてチューニングすることが大切です。

 

輪違
職歴や学歴が重要なのはわかりますが、どのようにキャリアを進めるべきでしょうか?

 

穴田さん:
例えば、最初は人材紹介やカスタマーサクセス、インサイドセールスなど、ビジネス経験を積むことが大切です。その後、マーケティングや企画職に進むことでキャリアを築くことができます。

 

輪違
ビジネス経験を積むことでキャリアを築くのですね。

 

穴田さん:
はい、ビジネス経験を積むことが重要です。最初のステップでビジネス経験を積み、その後のキャリアに繋げることが大切です。

 

輪違
穴田さんのお話を聞いて勉強になりました。本当に何か告知の方とかありますか?

 

穴田さん:
告知としましては、やはりリアル臨床がね、4年ぶりにあるということで、7月の今回は21日にあるので、皆さんいろんなすごいキャリアを持った方々が参加します。リアル臨床なのに、「穴田が出るのか」という「臨床じゃなくない?」という感じもすると思うんですけど、臨床の新しいキャリア部門という感じで。

 

穴田さん:
そのデイサービスや介護のヘルステック系をやっている波戸さんとかも来るので、ぜひ皆さん来てください。また、過去のPOSTの記事もぜひ読んでみてください。

 

輪違
ありがとうございます。また、直接穴田さんにいろいろ話したい人は、一応ブースみたいなのがあるので穴田さんと話せます。

 

穴田さん:
僕、DMで相談マジで来ないですよ。Twitter…Xか。

 

輪違
私のところにはたまに来ますが、例えば25歳くらいから診療報酬について学んだほうがいいよとかって書くと、何件かは来ます。「何の資格取ればいいですか?」っていきなり聞いてくることもありますね。

 

輪違
資格を取る前に、まず自分の病院がどういう診療報酬を通っているのかを知ることが大切です。それをやっていくうちに資格を取ることが有意義になると思います。

 

穴田さん:
資格をたくさん取ってきましたが、資格だけでは変わらないことが多いです。履歴書に使うくらいです。

 

輪違
資格欄はありますが、職務経歴や実務経験を書く部分には、その資格がなくても書けることが多いですよね。

 

穴田さん:
そうです。実際に働いてからキャッチアップすることが多く、資格は助けてくれないことが多いです。経験や成功体験が軸となって耐えられることが多いです。

 

輪違
資格なんかいらないと言ってしまいますが、自分の立場が会社の代表だから、専門的なことは専門家に任せるという考えもあります。でも、資格を取れるなら取った方が良いと思います。例えば宅建(宅地建物取引士)など。

 

穴田さん:
宅建は差別化できる良い資格ですが、難易度が高いので基礎学力が求められます。

 

輪違
PTで弁護士や税理士、公認会計士、中小企業診断士を持っている人は、だいたい賢いですね。PTで弁護士を持っている人もいますか?

 

穴田さん:
探せばいますね。だいたい高学歴の人が多いです。

 

輪違
PTで宅建を持っていたら、店舗開発に強いですね。

 

穴田さん:
賢い子なら大学の学部のうちに取ってしまいますね。宅建はいい資格だと思います。特に店舗を取ることが多いですから。

 

輪違
医療介護系は店舗ビジネスが伸びていますね。ホスピスや地域との密着が重要です。絶対に良いと思います。

 

輪違
あと、伸びているのは人材系ですね。

 

穴田さん:
人材は多いですね。

 

輪違
結構人材系に就職している理学療法士もいます。

 

穴田さん:
人材やインサイドセールス、カスタマーサクセスから入るのも良い方法です。ビジネス経験を積むために間口が広いところから始めることが大切です。

 

輪違
その通りですね。キャリアについて話が聞けて勉強になりました。

 

穴田さん:
ありがとうございました。また何かありましたら、ぜひ声をかけてください。

 

輪違
今日はありがとうございました。

 

穴田さん:
ありがとうございました。

7月21日はリアル臨床

10:45〜11:45  療法士キャリア3.0時代に必要なこと (会場:5F-B)

【演者】

波戸 真之介氏(株式会社ツクイ IT機器推進)
白畑 賢一氏(株式会社Luxem 訪問看護事業部 部長)
穴田 周吾氏(京都芸術大学大学院)
三橋 広大氏(あんしんホーム(株式会社PORT))

>>https://real-rinsyou.jimdosite.com/

 

飛信隊キャリア理論のススメ【行政で働く理学療法士|穴田周吾】

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