キャリアコンサルタントが徹底サポート

よりシンプルを目指した疼痛評価・BPI(Brief Pain Inventory)の背景

317 posts

質問紙は大変だという患者さんの立場にたったスタイル

週の真ん中水曜日の江原です。

疼痛関連の質問紙シリーズ、本日はBPI(Brief Pain Inventory)を取り上げます。

BPIの歴史的経緯

医師のチャールズ・S・クリーランド博士によって1991年に開発されています。

がん性疼痛のコントロール不良は世界中で重大な公衆衛生問題となっており、特に末期がんの患者が耐え難い痛みを経験していることが明らかになった1970年代は、がん性疼痛管理の改善を求める主張や問題意識が高まってきた時代でした。

その一方で適切な方法をとれば疼痛はコントロール可能であるという意見もあり、がん患者の疼痛管理を改善するための持続的な取り組みが行われ始めました。

がん患者の疼痛管理における障壁の解決として最初に行った取り組みは、疼痛がどの程度なのかを記録することでした1)

記録方法を求めていたのは、米国国立がん研究所(NCI)と世界保健機関(WHO)のCancer Unitで、その目的としてはがん性疼痛の鎮痛法の変更のためであったり、新たな疼痛治療の実施後の疼痛の改善を記録するためでした。

これまでの記録法(MPQ、MPIなど)は複雑で長すぎる点で、疼痛レベルの高い患者にとっては過度の負担となりました。

また、既存の評価方法にはがん患者には関係ない項目が含まれており、患者にとってあいまいだと感じるような回答が要求されることがありました。

ウィスコンシン大学医学部マディソン校の疼痛研究グループはNCIとWHOの両方から助成金を受け、クリーランド博士の指導の下でがん性疼痛の自己報告式測定法BPIを試験・開発しました。

現在はグループは、現在はクリーランド博士が1996年から所属するテキサス州のUniversity of Texas MD Anderson Cancer Centerのがん症状研究部門となっています。

よりシンプルを目指した疼痛評価・BPI(Brief Pain Inventory)の背景

Popular articles

PR

Articles