【國澤洋介先生|理学療法士】機能改善・回復・復帰だけではない

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機能改善・回復・復帰だけではない

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ーー 「がん」のリハビリテーションと聞くと、他のリハビリと少し違う特殊なジャンルのイメージがあるのですが?
 


國澤先生 「がん」特有の症状、例えば骨転移とかリンパ浮腫等については、他とは違う点かもしれません。また、人工関節置換術を行う場合でも、骨肉腫の場合とOAの場合では人工関節の構造も違いますし切除範囲も異なってきます。


リスク管理や病態を考える上で必要な知識は若干違いがあるとは思うのですが、ICFをイメージし生活を考える基本は変わらないと思っています。また、進行性疾患と似ている点もあるかもしれません。

 

もし大きな違いがあるとすれば「死」というものを理学療法の中に組み入れることですかね。機能改善・回復・復帰・・・という要素だけではないということです。


ただ、これについても、QOLの向上を目指しているという視点で考えればそれほど差はないと思います。

 

スポーツへの復帰であっても、仕事への復帰であっても患者さんのQualityがそこにあるから目指すだけであって、それは「がんのリハビリテーション」でも変わらないことだと思います。


「何を大切にするか」という感情が表面化しやすいということはあるかもしれないですね。

 

心理面に対するPTの立ち位置

ーー 「死」に直面していらっしゃる方々を対象とするので、身体機能面よりも先に心理面への配慮・介入が必要なのではないかと私自身は考えていました。


國澤先生 私としても心理面への配慮は重要だと思っています。ただ他の疾患と違わないと思うのは、心理面への配慮も確かに大切なんですが、PTとして行うことの基本は身体機能へのアプローチを丁寧にやることだということです。


それぞれの領域でプロフェッショナルと呼ばれる方々は、きっとそこを大事にしていると思っています。そういう意味でもあまり差はないのかなぁと思っています。


極端なことを言うと心理面へのサポートは、看護師に限らず、職種を超えて得意な人が行ってカバーし合えばいいわけです。PTという職種としてはやはりphysicalな部分が必要とされています。

 

例えば「がん」が本当の意味で根治する方に対してはあなたイメージしているようなリハビリテーションを行うのでいいと思います。しかし、多くの方は一時的に回復したとしても経過の中で再発や機能低下をきたす可能性があります。


今回の入院治療では関わらなくても将来的に緩和ケアが中心となる段階へ移行する可能性がある訳です。また、近年は緩和ケアも早期介入が求められてきています。


昔は積極的治療が無効となった段階で緩和ケアに移行するという考え方でした。今は治療と緩和ケアがオーバーラップしていて、その比重が時期によって異なるという考えになってきています。

 

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