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外来機能の分化推進と生活習慣病管理の評価見直しを議論

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10月17日に開催された第621回中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、外来医療の機能分化と生活習慣病管理料の評価について議論が行われました。

かかりつけ医機能の評価めぐり意見対立

日本医師会常任理事の江澤和彦委員は、機能強化加算について「令和4年度の診療報酬改定で見直しがなされた効果が非常によく表れている」と評価し、継続・強化を求めました。資料によると、機能強化加算の届出がある医療機関では、検査体制やポリファーマシー対策、介護との連携などで、届出のない医療機関より高い実施率を示しています。

一方、健康保険組合連合会理事の松本真人委員は「施設基準は継続して受診している患者との結びつきが強く、実際に加算を算定するのは初めて来た患者で、構造的にバランスが悪い」と指摘。かかりつけ医機能報告制度も参考に「初診の患者にも分かりやすい形で、名称を含めて作り替えるべき」と主張しました。

生活習慣病管理料の包括範囲見直しへ

生活習慣病管理料について、前回改定での変更に対する現場からの意見が相次ぎました。

日本慢性期医療協会副会長の池端幸彦委員は「生活習慣病とは直接関係がない悪性腫瘍特異物質治療管理料など多数の項目が算定できない状況にあるのは、本来の趣旨から考えても対策あるいは変更の余地がある」と指摘しました。

江澤委員も「療養計画書の記載内容や頻度における個々の状況に応じた柔軟な対応、文書の提供方法も必要な内容が含まれていれば各種手帳や電子的手段の活用を認めるなど、もっと緩和すべき」と述べ、現場の負担軽減を訴えました。

特定機能病院の逆紹介推進が課題

外来機能の分化について、特定機能病院の逆紹介割合が減算基準を下回っている実態が明らかになりました。資料では、特定機能病院の逆紹介割合の平均値が28.7‰と、減算基準の30‰を下回っています。

日本医療法人協会副会長の太田圭洋委員は「逆紹介が進んでいない原因の多くは患者側の意識による」と説明。「基幹病院での外来再診の継続が医学的に必要な患者層も多数存在している」として、制度変更には慎重な検討を求めました。

松本委員は「外来診療料の減算対象となる患者が極めて限られている」と指摘し、減算対象患者の拡大や逆紹介割合の水準の変更など、要件の厳格化を検討すべきと主張しました。

医科歯科連携の推進も課題

日本歯科医師会常務理事の大杉和司委員は、糖尿病患者への歯科受診勧奨について「歯科受診を促した患者数は中央値がゼロ人でほとんど受診勧奨が行われていないのが実態」と指摘。「より歯科の受診に結びつくような対応など、医科と歯科双方向での対応をご検討いただければ」と要望しました。

全国健康保険協会理事の鳥潟美夏子委員は「生活習慣病管理料について、医療資源投入量に応じた評価となるように検討する必要がある」と述べました。

厚生労働省は今回の議論を踏まえ、次期診療報酬改定に向けた検討を進める方針です。

▶︎中央社会保険医療協議会 総会(第621回)

外来機能の分化推進と生活習慣病管理の評価見直しを議論

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