四病院団体協議会(四病協)は1月28日、記者会見を開催しました。日本病院会の相澤孝夫会長は、社会保障審議会で議論が進むオンライン診療の「営利化・大量生産」的な動きに強い懸念を表明。一方で、大詰めを迎える次期診療報酬改定について問われると、個人的な見解としつつ、「高齢者の急性期から回復期への流れを円滑にする手当てが見て取れる」と述べ、地域医療構想を意識した点数配分の方向性に言及しました。
【注目】2026年度診療報酬改定の行方
「急性期から回復期へ」患者フローへの手当てに言及
会見の終盤、2026年度診療報酬改定(短冊)の議論について問われた相澤会長は、「あくまで個人的な見解」と前置きした上で、直近の中央社会保険医療協議会(中医協)での議論から読み取れる方向性について語りました。
相澤氏は、今回の改定議論には「地域医療構想ガイドライン」の方向性が意識されているとの見方を示しました。特に高齢者医療において、急性期治療を終えた患者が回復期や在宅へ移行する流れについて、「患者の流れを円滑にして地域の医療をしっかりと保っていくために、診療報酬としてどんな方向に行くのかが見て取れる」と述べました。
また、財源配分の方針については、「一般的に利益が出ているところを少し抑えて、今の大変なところに点数をつけていく方向性」であるとの認識を示しました。相澤氏の発言からは、急性期病院から回復期機能、あるいは在宅医療への機能分化と連携に対し、診療報酬上の手当てによって一定の方向付けを行おうといった議論の方向性が示されました。
オンライン診療「大量生産」モデルへの懸念
会見の本題である報告事項では、オンライン診療の規制緩和に対する危機感が共有されました。相澤氏は、へき地医療などの本来の目的を離れ、営利企業などが主導する形で「場所と患者を集め、一挙にオンライン診療を行う」ような手法が可能になる点について懸念を表明しました。
特に、「大量生産のようにさっと済ませれば効率は良いが、医療の質の担保を含めて危ないのではないか」と述べ、対面診療の原則が崩れることへの警戒感を露わにしました。こうした手法が拡大すれば、地域で地道に診療を行う医療機関から患者が流出し、地域の医療提供体制に影響を及ぼす恐れ(患者の偏在)があるとし、国に対してしっかりとした規制と監視を求めていく必要があると強調しました。
専門医シーリング「効果はあるのか」
もう一つの主要議題である専門医(専攻医)のシーリング(募集定員上限)についても、制度の実効性に疑問が呈されました。相澤氏は、計算式や基準の変更(足元充足率基準の引き上げ等)が報告されたことに触れつつ、「そもそもシーリングによって医師少数区域に医師が行く役に立っているのか」と指摘しました。
過去の厚労省による調査でも十分な効果が確認されていない点に言及し、「シーリングを続けつつ内容を少しずつ変える程度で、本当に医師が少ない地域に行ってもらえるのか甚だ疑問である」と述べました。今後の方針については、四病協単独での調査は困難であるとしつつ、国や専門医機構において制度の効果検証がなされるべきだとの見解を示しました。
まとめ
本日の会見では、オンライン診療の質の担保と、専門医偏在対策の実効性という課題について、四病協としての慎重な姿勢が示されました。また、診療報酬改定に関しては、相澤会長の個人見解として「急性期から回復期への移行」を重視する方向性が語られました。現場の医療従事者にとっても、機能分化を促す政策誘導がどのように具体化されるかが、引き続き注視されます。






