3年制専門学校の強み
インタビュー:こちらの学校は、以前4年生であったのを逆に3年生に変更したとお聞きしましたが、その理由はなんだったのでしょうか?
畑中先生:当校は学校法人ではなく社会福祉法人です。社会のニーズに合わせて、社会に貢献することが求められます。
1年短くすることで学費も削れて、早く資格を取得し、社会に貢献できる人材を排出できるという面があります。その志を持つ人を支援することが目的です。
今後の理学療法士の職域は保たれるのか?
インタビュー:お金の話が出ましたので、少しその辺りも聞いていきたいのですが、今後理学療法士の中でもワーキングプアが出るのではないかと心配されている部分があると思います。
学校の先生としてそのような質問をされたらどうお答えしていますか?
畑中先生:私どものグループ病院の話で恐縮ですが、グループ病院では比較的高い初任給(27万円)を設定しています。そこから年間1万円の昇給が決まっていて(5年間)、そこに役職がつけばプラスで金額が上がります。
ですから、一般的な平均年収以上は可能であると考えています。ただ、それ以上裕福に暮らしたいというのは、難しいのではないかと思います。
また協会の活動でも、色々と職域を広げるための活動をされていて、小中学校に理学療法士を配属することや、会社に配属するような活動もされています。
そのような活動は、協会だけではなく私たちも参加して積極的に広げる運動をしていかなければいけないと、常日頃思っています。
当校の学校長で、日本慢性期医療協会会長でもある武久洋三は、リハビリテーション分野はまだまだ必要としている人や場所に配置できていないとうことをよく言います。
特に、慢性期医療や地域医療になりますと、「理学療法だけしかできない人よりも、作業療法や言語聴覚療法の分野まで幅広く見られる人が必要である」と言っています。
そういった話を聞くと、まだまだ職域は広がっていき、活躍の場も沢山あるのではないかと思っています。
平成リハビリテーション専門学校の特色
インタビュー:グループ病院に就職する学生の割合はどのくらいなのですか?
畑中先生:昨年のデータですと3割近くの学生が就職しています。ただ今年の学生は、今現在ですでに6割くらいの学生が希望を出していて、毎年増加傾向にあります。
インタビュー:この学校の他にはない特色はありますか?
畑中先生:学生と教員の距離感が近いところです。そして、沢山のグループ病院があるということ、教員が頻回に訪問していますので、実習の面でのサポートは手厚いです。
そのため、学生の負担が少なくなります。グループ病院には、卒業生も多いので、実習指導者側からのサポートも手厚いです。あとは、学生には嫌がられるところですが、実習時間が他校よりも長くなっています。
これは、自らの課題を達成しやすいという利点もあります。短時間ではなかなかクリアできない問題も時間をかけながらゆっくりクリアできます。ですから、実習中、睡眠時間がほとんど取れないということもありません。※
畑中良太先生経歴
学歴:
平成14年3月京都大学医療技術短期大学部 卒業
平成24年4月大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科 博士前期課程 入学
平成28年3月大阪府立大学大学院 総合リハビリテーション学研究科 博士前期課程 修了予定
職歴:
平成14年4月特定医療法人 大道会 ボバース記念病院 リハビリテーション部(平成17年3月まで)
平成17年4月特定医療法人 大道会 大道病院 リハビリテーション科(平成18年3月まで)
平成18年4月特定医療法人 大道会 森之宮病院 リハビリテーション部(平成20年1月まで)
平成20年2月平成医療福祉グループ 医療法人 康生会 弥刀中央病院
リハビリテーションセンター(平成20年10月まで)
平成20年11月平成医療福祉グループ 社会福祉法人 関西中央福祉会
平成リハビリテーション専門学校 理学療法学科 専任講師(平成25年3月まで)
平成25年4月社会福祉法人 関西中央福祉会 平成リハビリテーション専門学校
理学療法学科 学科長(現在に至る)
所属学会:
日本理学療法士協会,兵庫県理学療法士協会,日本ボバース研究会
事項:
日本ボバース研究会 学術部 ジャーナル編集委員(平成20年1月まで)