2年目から北海道理学療法士会の理事に
太田先生:北海道士会の人数は、5000人を越え、全国で3位の会員数です。年間に約400名ずつ増え、今後は年間500名近く増える可能性があります。
私がはじめ北海道士会の理事になったのは医療短大を卒業して2年目のときです。 というのも4代目の会長(私の担任)が、若い人を役員に入れて、活性化を図りたいというお考えでしたので。
初めは何をして良いの分かりませんよ。私が理事になって次の年に道内会員が150名程しかいませんでした。
いろいろなことを経験させてもらいましたよ。 学術部で研修会のお手伝いをしたり、全国で理学療法週間の事業が開始された時には啓発活動を社会局でやったり、事務局で診療報酬や施設基準の情報を整理していたこともあります。
職能の必要性を感じて職能局を作ってもらって、職能局長を務めていた頃に副会長に推薦していただき、今は会長になって7年目です。日々目まぐるしくかわる理学療法士を取り巻く情勢において、渉外業務に追われて、少し振り回されている感じですかね。
協会には加入するべき?
太田先生:道士会の新卒者の加入率は95%以上あります。
養成校の先生方が元々積極的で、職能団体としての理学療法士会とはどういうものなのかを共有できているので、卒業してすぐ入会することが当たり前になっている現状です。
我々は理学療法士法の中で仕事をしています。
そもそも法律がなければ、いくら「私は理学療法士です」と言っても相手にされません。日本に理学療法士の法律が制定されて以来、50年という長い間に多くの先人が苦労して築き上げてきました。
人間、一人では何もできません。同じ思いを持った人が集まって組織をつくり、時代の変化に対応してきました。
今は、これまで経験したことのないような変化が起きようとしています。今まで以上に組織として一体化が必要だと思います。
「予防」分野の理学療法
今後、「予防」というキーワードが我々理学療法士には重要になってきます。各地域で何が求められているのか常にアンテナを広げて、正確な情報を把握し、適切な行動しなければならないと思います。
先程も話しましたが、北海道では各支部が大きくなってきていますので、地域を支えている各支部の再編とNPOがどのような形で士会と連携できるのかを考えていかなければなりません。
若い理学療法士の人たちには、地域包括ケアシステムにもっと目を向けてもらい、この10年間に我が国の疾病構造や人口構成などが大きく変わっていく様子を今から確認していってもらいたいと思います。
また、2045年問題と言われる生産年齢人口や子供世代の減少に対しても、理学療法士が支援していかならないことを認識してもらいたいのです。これらの変化に我々理学療法士が対応していく、即ち職域の維持・拡大をするためには政治的な力が必要不可欠です。
我々が考えていることを達成してくれる候補者を選び、その人が立法府の中で何をしているのかをしっかりと見届けることが重要です。今後の日本の理学療法士の方向性を自分が決めていかなければなりません。とにかく政治に興味を持って投票所に足を運んでください。
(インタビュアー:今井、記事編集・写真:山下)
*目次
【第1回】呼吸のトラブルの原因として・・
【第2回】実習での失敗談
【第3回】北海道士会はここが違う!
【第4回】理学療法士のいまと未来
【第5回】地域で活躍するには◯◯を身につけるべし
【第6回】理学療法士と政治
太田 誠先生経歴
経歴:
学校法人日本医療大学 専門学校日本福祉リハビリテーション学院 学院長
公益社団法人 北海道理学療法士会 会長