Contents
1.前頭連合野ってどこにあるの?
2.前頭連合野に障害が起きるとどうなる?
3.臨床ではどんな評価をするの?
4.前頭連合野の障害にはどう対処する?
5.参考文献
1.前頭連合野ってどこにあるの?
前頭連合野は人間らしい活動を行うために重要な部位です。
創造する、注意を払う、感情の抑制する、コミュニケーションをとるために必要な分析や判断を行うためには前頭連合野は大切です。
別名は前頭前野と言われ、人の大脳の約30%を占めているといわれています。
2.前頭連合野に障害が起きるとどうなる?
前頭連動野は人の大脳の約30%を占める大きな領域です。
この領域は思考力、創造性、社会性など、いわゆる『人間らしい』活動に関わります。
そのため、脳血管障害や低酸素脳症などで、前頭連合野に障害があると、高次脳機能に影響を与えます。
社会的行動障害
社会的行動障害になると、感情のコントロールができなくなります。
すぐ怒って大声を出したり、様々なことに興味がなくなり、動かなくなったりするなどが特徴的な症状です。
注意障害
・ものを選ぶなどの選択性
・注意をずっと向けているなどの持続性
・別のことをやるなどの転導性
・いろんな人を見る
などの分配制の4つの機能が障害されます。
遂行機能障害
『段取りが悪い』
『こだわりが強く予定外のことに対応できない』
など、目標の設定や効率的な行動ができない等の状態になります。
この障害は注意障害、失語、記憶障害が伴っていることもあります。
だから前頭連合野の障害による高次脳機能障害患者は、家族を始め周囲の理解が理解されにくいんだ。
本人も病識がない場合が多いから、社会復帰できてもこの人格の変化が社会活動に問題をもたらすことが多いんだ。
3.臨床ではどんな評価をするの?
注意障害に対する代表的な評価法
遂行機能障害に対する代表的な評価法
4.前頭連合野の障害にはどう対処する?
セラピストである僕が理解してないと、患者さんとラポールを形成することはできませんよね。
5.参考文献
病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経 (編)医療情報科学研究所
イラスト:西嶋 大樹(株式会社エバーウォーク)
【脳血管シリーズ】脳血管障害の捉え方とセラピストの身体調整
《概要》
日時:2017年4月23日(日)10:00~16:00
料金: 13,000円(税込)
会場: エバーウォーク両国店(浅草線『本所吾妻橋駅』より徒歩約10分)
定員:25名
《闇雲な介入で症状を悪化させてる?》
脳血管障害の罹患者すなわちリハビリが必要な人は増えています。
脳卒中治療ガイドラインでは発症後早期からの積極的なリハビリが推奨されています。
しかし、やみくもな早期離床や非麻痺側優位の動作訓練の反復のみでは代償運動や麻痺側の不使用を助長してしまう可能性があります。
セラピストによる治療である以上、単なる動作介助ではなく麻痺側の機能回復を考慮して介入する必要があります。
《神経生理学をベースにした促通法とセラピスト自身の調整法》
脳血管障害における運動障害像を把握し、神経要因と非神経要因の筋緊張の捉え方、身体図式の調整を学びます。
運動療法では神経生理学をベースに促通に必要な要素、運動制御・運動学習理論を踏まえた上で基本動作〜歩行の促通を実技中心に行います。また、運動療法の際に用いるタッチ・ハンドリングに必要なセラピストの身体調整も並行して行います。
《講師》
中村 祐太先生(東駒込しば整形外科)
理学療法士、認定理学療法士(運動器)、呼吸療法認定士東馬込しば整形外科リハビリテーション科主任東京都内の急性期病院に勤務後、外来整形外科クリニック立ち上げに携わり、現在は一般整形外科・スポーツ傷害・慢性疼痛を専門にリハビリテーションを提供している。また、臨床の学校の副代表として教育活動を行うほか、大学院に在籍して研究・執筆活動も行っている。
・理学療法士
・3学会合同呼吸療法認定士
・国際PNF協会認定アドバンスコースLevel4修了
・入谷式足底板中級コース修了
・体軸×リハビリテーション レベル3修了
・PIHS認定Craniosacral Practitioner
【学会発表、研究実績】
第29回東京都理学療法学術大会,当院での進行性ラクナ梗塞症例の報告~増悪例の臨床的特徴と急性期リハビリテーション~,2010.
第46回日本理学療法学術大会,離床開始時期が急性期ラクナ梗塞患者の進行性運動麻痺と予後に及ぼす影響,2011.
第45回日本ペインクリニック学会,転換性障害が疑われた腰下肢麻痺患者に対して神経ブロック療法と運動療法の併用が奏効した一症例,2011.
第47回日本理学療法学術大会,帯状疱疹後神経痛患者における臨床症状の特徴,2012.
第46回日本ペインクリニック学会,右上肢痛に対して下肢体幹から運動療法を行った一症例,2012.
第32回関東甲信越ブロック理学療法士学会,neglect like syndromeを併発した帯状疱疹後神経痛患者の治療経過,2013.
第25回日本臨床スポーツ医学会学術集会,理学療法介入によりフルマラソン復帰が可能となったアキレス腱付着部障害の1例,2014.