理学療法士を目指したきっかけ
人のケアに興味があったのが一番の理由です。最初の記憶は5歳ぐらい。お小遣いをもらうため、母の足裏マッサージや肩もみをやったところ、非常に喜ばれ「あなた上手じゃない!将来こういう職業向いているわよ!」といわれて、その気になったのを覚えています。
高校1年の時の部活動のケガで近所の整形外科に行った際、はじめて理学療法士に治療をしてもらいました。予想していた単純なマッサージではなく、ケガの箇所以外の部位を調整されたのがとても新鮮だったのを覚えています。治療が終わる頃には、かなり体が楽になり、理学療法士の先生にどうしてこんなに楽になったかと聞きました。当時の私にとってその思考過程はとても刺激的であり、その場で「この職業になりたい!」と思いました。
現在の仕事
現在は整形外科クリニックに勤務し、外来でこられる方のリハビリや治療を行っています。私が務めているクリニックは院長が股関節を専門にしている関係で股関節疾患を担当することが多いのが特徴です。股関節に障害を抱えていると歩行中の痛みや足の上げづらさに悩まれており、これらの症状に対して私たちセラピストが関わっていきます。
いわゆる施術(マッサージや骨矯正など)の他にも、効率のよい身体の動かし方や自宅でのトレーニング法を提案して、患者様が少しでも充実した生活を送れるようなアプローチをしていきます。患者さんは主に60〜80代の方が中心ですが、学校でのケガや部活中の故障でこられる10代の学生が多いです。
キャリアアップとは? そのために”今”行っていること
理学療法士が激増している現在において、一つの分野(専門性)だけで自分のブランドを形成するのはとても大変なことだと思います。
今までの理学療法の世界のキャリアアップは技術・学術の探求・鍛錬という『縦』の要素が強い選択しかなかったように感じます。最近の芸能界に目を向けると、他分野を視野に入れた『横』の展開の重要性が見えていきます。有名な例をあげると、「芸人」と「映画監督」の2つの顔をもつビートたけし(北野武)さんです。理学療法士も同じように他の分野の専門性を掛けあわせたら面白いなと思うんです。実際、最近このようなキャリアデザインをして成功している方が増えてきていると思います。
現在、私はセラピストを対象とした講習会を開催する『SESSION』という団体の運営をしています。当団体の参加申し込みをされる方の8割が、私のデザインしたホームページで開催情報を得ているため、WEBでの魅せ方を重要視しています。WEBデザインの学校にも入学し、そこでグラフィックデザインなどを学んでいます。学校で得たスキルで電子書籍(『若手セラピストのための整形外科アプローチ』)を作成した際、私がリデザインしました。そのおかげで、最近様々な業務の依頼が来るようになりました。その過程で様々な方と出会う機会が一気に増え、セラピストとしての活動範囲も広がりました。まだまだ、走り始めたばかりのひよっ子なので、色んな障害が待っていると思いますがめげずに頑張ろうと思います。
リハビリ職を目指す学生の皆さんへ
学校では理学療法を学びますが、先に述べた『横』の要素を広げるには学校の授業だけで得るのは難しいと思います。学生という縛りが少ない時期の今だからこそ、学校生活、アルバイト、部活動という幅広い経験を得ることができる絶好の機会です。
私は学生時代にイベントで流す動画作成、授業外勉強会イベントの開催などの色んな活動を精力的に行いました。この時の様々な経験が、今の業務におおいに役立っています。狭い世界にとらわれず、広く・自由な視点をもって活動していけばきっと楽しいですよ。
西嶋大樹先生の経歴
資格:理学療法士3年目
所属:SESSION 代表
出身校:文京学院大学