【PTが直接診断ができる】オーストラリアのリハビリ現場を見学して

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オーストラリアで働く理学療法士、江戸英明先生(https://1post.jp/574)のご協力のもと、行われた一週間のスタディーツアー。

 

現場見学やカーティン大学の学生の皆さんと交流する機会をいただきました。

 

そして、そこから得た気付きなどを、二人の理学療法士の先生にシェアしていただきます。

 

最後にお知らせもありますので、海外のリハビリ事情に興味のある方はお見逃しなく!

 

日本に住む私たちにもできる2つのこと

1.日本との現場の違いについて

 

 日本とオーストラリアの1番の違いは、理学療法士がクライアントを診断できる制度があることだと思います。

 

日本では、医師の指示のもとリハビリテーションを実施しますが、直接診断が行えるとそれだけ、医師と対等な関係を築きやすいのだろうと感じました。

 

また、医師の仕事量軽減や医療費の削減になるメリットもあります。

 

例えば慢性疼痛で来所された方に対して、日本だと湿布や薬などが与えられると思いますが、直接診断できることで、運動療法や日常生活での注意点をアドバイスするだけで改善できるケースがたくさんあるそうです。

 

現在、薬は何億万円もの無駄(処方されても使わない、飲み忘れなど)があり、薬が不要になることが医療費削減に繋がると思います。

 

まず日本に住む私たちができることは、①医師に正当な意見が伝えられるようになること、②クライアントさんに十分な説明ができるようになることだと思います。

 

理由として、①医師に正当な意見を伝えられることにより医師からの信頼を得ることや相談相手の対象になり、医師の指示のもとであっても、一緒にクライアントを観ていくという環境が作れるのではないかと思います。

 

 ②に関してはクライアントからして、「何故自分がこのような状態なのか」を丁寧に理解してもらうことにより、自分は病院に行った方が良いのか、行かなくて良いものなのかを決める材料にできるのではないかと思います。

 

2.働き方について

 働き方を変えようと思いました。その為の一歩として、「ありたい自分を描き、常に業務効率化を考える」ことを考えました。

 

なぜこのように思ったのかを次に、記載していきます。

 

オーストラリアの女性はフレンドリーで明るく、元気でした。これに対して日本人女性はどのような印象があるかというと、シャイな面、どこか疲れているといったような印象があります。なぜこのような差が生まれるのか考えてみました。

 

文化の差もあると思いますが、オーストラリアは基本的に仕事が定時で終わりワークライフバランスが充実しているように見えました。

 

それに対し、日本は昔から「より多く長く仕事をすることが優秀だ」という認識が無意識のうちにあり、残業をしている企業も多いと思います。

 

確かに、日本の国土でこの経済力は素晴らしいと思います。でもそれを長く続けていると、女性が男性化してしまうケースが増えると思います。

 

日本は昔から家事育児は女性がしていました。しかし最近は男女平等をうたわれるようになり、女性も男性と同じように仕事ができるようになりました。

 

しかし、「家事、育児は女性がするもの」という認識は未だ潜在的に残っています。

 

家事・育児をしながら男性と同じように仕事をするのはとても困難なことだと思います。それでもこなさなければならず、それが疲れの蓄積の原因になっているのではないかと思います。

 

 家庭と仕事の両立に加え、女性であり続けることも大切なことだと思います。

 

そして私は仕事をバリバリこなしたいです。それには時間が必要です。

 

1日24時間という平等に与えられた時間の中でどのようにするべきか。まずはどんな自分でありたいか理想像を描きます。

 

そうなるためには何をするべきか潜在的に考えるようになり少しずつ近づいていけます。

 

 日常を過ごしているだけでは時間は生まれません。自分で作るものです。

 

「仕事量が多いからやらない」は、社会人として認められませんので、時間を作る為の効率を改めて考えようと思います。

 

3.日本で教えるほとんどの英語授業やテストは“国語”のよう

 

 

 

私が言えることではないのですが、日本の多くの教育は、テストのための勉強・受験のための勉強になってしまっています。例えば英語や大学・専門学校の実技テストの内容についてです。

 

 英語の授業に関しては、現地の方とコミュニケーションをとり、日本で教えるほとんどの英語授業やテストは“国語”のようだなと思いました。英文を覚えるとか、教科書を暗記して書くとか。

 

その頃は英語を何故学ばなければならないのかわからず勉強をしたいという気持ちもありませんでしたが、オーストラリアに行き英語を学ぶ楽しさ、そして自分自身の可能性を広げられることを感じました。

 


 どのタイミングで感じたのかは覚えていませんが「絶対に英語を習得する!」心に決め、日本に帰ってきました。

 


この気持ちの変化には正直自分が一番驚いています。

 

あんなに英語が嫌いだった私が、実際に今は、オンライン英会話の無料体験をしたり、仲の良い人との連絡も英語でやりとりしてもらいながら、毎日楽しんで英語に触れています。


実技テストの内容に関しては、カーティン大学では授業毎に症例実技テストがあるそうです。

 

日本の学生・新人さんは、いざ実習・臨床に出たところで、考えられず悩むことも多いと思います。


それは、学校で学習することとが臨床に活かせていないのも1つの原因なのではないかと思います。カーティン大学のように症例による評価、治療選択まで考えられるテストが多くあるとクライアントさんにも新人さんにも双方にメリットがあるのではないかと思います。

 

ここまでオーストラリアでの感想を述べさせていただきましたが、空気・景色の良い町で素晴らしい方々とお会いして、本当に良い経験となりました。

 

私の価値観や考え方も新しいものが入り、これからもっと自分自身を向上させて行こうと思えることができた一週間でした。

 

貴重な経験をありがとうございました。

(渡辺久恵)

 

スタディーツアーで学んだ日本の良し悪し

1.ハード面だけでなくソフト面でも

 この度、オーストラリアのスタディツアーへ参加し、現地の医療や理学療法を学ぶことで、日本の良し悪しを考えることができました。

 

オーストラリアの病院と比較すると、日本の病院が提供している医療はハード面だけでなくソフト面でも秀でており、また、細やかで丁寧なサービスを提供していることは本当に素晴らしいなと感じました。

しかし、理学療法士という観点から考えると、制度上の問題でもありますが、オーストラリアの理学療法士はギブスの着脱やレントゲン撮影、退院時期の決定権を持つ、手術をするかどうかの意見を医師に述べるなど職域が広いなと感じました。

 

また、入院日数を短くするなど、いかに医療費を削減できるかということを1人1人が真剣に考えており、学ばなければいけないことも多いなと感じました。

 

2. 治療時間のうちのほとんどは問診

オーストラリアでは理学療法士が患者さんを直接診断できるということで、実際に初診で来られた方の治療を見学させていただきました。

 

治療時間のうちのほとんどを問診にあて、患者さんとの信頼関係を築きつつ、疼痛に対して包括的に治療されていることに強い印象を受けました。

 現地の病院やクリニック見学はもちろんですが、参加者や現地の理学療法士・学生と話をする中からも多くのことを学ぶことができ、非常に充実した毎日を送ることができました。

 

患者さんを良くしたいという思いから留学を決意された方の生の声は、心に響くものがありました。

 

現地での生活の様子や現地で苦労されていること、また、留学するために必要な英語力、英語の学習方法等を聞くことができ、海外で生活することや海外へ留学することの具体的なイメージを持つことができる貴重な経験となりました。

 

ロットネスト島、フリーマントルといったオーストラリアの観光地にも行くことができ、良い思い出となりました。特にロットネスト島では、サイクリングをしつつオーストラリアの自然を肌で感じることができました。

 

 

とりわけ海は本当にきれいだったので、思わず何度も止まって写真を撮ってしまいました。暑すぎず、心地よい風も吹いていたため、気持ちよく観光することができました。

 

今回のスタディツアーを通して、どういった形でもよいので海外と繋がりを持ちつつ働きたいという思いを強く持つことができました。

 

この経験を生かして、今後のキャリアアップにつなげていきたいと思います。このスタディツアーに参加できて本当に良かったです。

 (藤家義也)

タイスタディーツアー開催決定!

6月26日、27日にタイのリハビリテーションの現場が見学できるツアーが開催されます。

詳細はまだ未確定ですが、参加をご検討される方は岩田先生のブログをチェックして続報をお待ちください!

 

昨年の8月に行われた、スタディーツアーの内容

↓↓

 

 

【PTが直接診断ができる】オーストラリアのリハビリ現場を見学して

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